物の怪なんでも相談所

○春に降る雪

6

しばらく待ったけど誰も何も言わなくて………

ただ、ずっと気になっていたの……。



この吹雪がお兄ちゃんの仕業なら……お兄ちゃんはこの場に来ないのはまだ分かるけど、、


お母さんは？



お母さんは何で……ここに来ない？

来れない……？



もしかして………




嫌な予感がして、みんなに何も言わずに走り出した。

周りの雪女たちはギョッとした様子だったけど、とりあえずシカト。


今はそれよりも、行くべき場所………




私が生まれ育った家。

古くてボロボロだったけど、大好きな二人がいる、暖かい家。





「………家が、ない、、」



あるべき場所に、私の家はなくて

雪に埋もれているけど……焼けた柱がそこにあるだけだった。



「ここにあったのか？実家が」

振り向くと健治さんが鼻をヒクヒクさせていた。


「……うん」

「そうか………最近焼けた臭いがする。木と、それから肉が焼けた臭い。だから、恐らく………」


健治さんは言いにくそうだったけど、そういう事ね。

健治さんは鼻がいいから……嘘は言っていないと思う。



そうか……そうなんだ………。


お母さんは、死んだんだね。この家で。




「………何があってこうなったのか、、お兄ちゃんに聞かないと」



きっと………ううん、間違いなく


お兄ちゃんは、結界石がある場所にいる……ーーーーー





場所は分かるけどこの吹雪は歩くのにも辛くて


時間がかかったけど、結界石のある場所に着いた時、目を疑った。



「……………嘘だよね？」


結界石を安置している小さい祠を中心に、その一帯は氷漬け。


祠のすぐ傍で氷漬けになっているひと



お兄ちゃんが、結界石に触れようとしてしゃがみこんだみたいな体勢で………氷漬けになっていた、、、