物の怪なんでも相談所

◆季節外れの雪見酒

5

お湯に浸かるといい温度。


傍にお酒を置いて、お酒を飲みながら露天風呂に浸かれるなんて最高ね♡

しかも温泉♡文句なしよ♡



「こんな贅沢……いいのかな？幸せすぎるよ～」

「いいに決まってるわ。
あたしが働いたお金をどう使ってもあたしの自由だもの」

「さすが未唯さん……大変な仕事をしているだけあってお金持ち」


雪乃と何でもない話をしながらお酒を飲んで

ちょっといい感じになってきた頃


空から白い粉が降ってきた。



「雪……だね、、」

「そうね。季節外れの雪見酒になったわねぇ……」


パラパラと降る季節外れの雪


この雪は、あの山のせいで間違いなくて



雪を見て、彼女から笑顔が消えた。




「あたしはね、大切な仲間とお酒を飲んだり楽しい時間を過ごすのが一番好き。
だから、仲間たちにはいつも笑顔でいてほしいのよ。

………だから、あたしじゃ力になれない？」


雪乃から目を逸らさずにいたら

雪乃は小さく横に首を振った。



「私を相談所に置いてもらってるので十分力になってもらってます。
………でも、もっと甘えて…も、いいですか？」


「もちろん。雪乃はあたしの妹みたいなモノだからね。
お姉ちゃんは何でも相談に乗るわよ？」



いつの間にか雪は止んで

空は満天の星空だった。




「私の話、聞いてくれますか？
私の家族を、、助けてください」