物の怪なんでも相談所

◆季節外れの雪見酒

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「………すっごい旅館だ、、」


今日泊まる旅館に着くと、雪乃はただ一言呟いて立ちすくんでいた。


老舗温泉旅館なだけあって建物は立派だから圧倒されたみたい。



「さぁ、行きましょ？」

あたしが先頭を歩いて慌てて雪乃が着いてきて

あたしたちの後ろで荷物を運ぶ男の存在を、雪乃はずっと気にしていた。




「では、高田様。私はこれで失礼致します。こちらが部屋の鍵になります」


「色々ありがと～っ！気をつけて帰ってね？」


男は受付も済ませてあたしに鍵を渡して

深々と頭を下げた後に帰って行った。



「未唯さん……ずっと気になっていたけどあの男の人……未唯さんの運転手兼秘書的な人？」


「ううん、違うよ？
“今日だけ”あたしの運転手兼荷物運び♡
普段はねぇ、偉い人の秘書やってるんだってぇ」


「いいのか……？そんな人をパシリにして………しかも人間を、、」


雪乃的には納得いかないみたいだけど、ダイジョーブ！！


「いいのよ。あの人、あたしに惚れてるから」


笑顔で答えたら雪乃は苦笑い。


雪乃は可愛いのに、あたしみたいに顔を武器にしないのよねぇ。。。勿体ない。



今日泊まる部屋はこの旅館で一番いい部屋！


だから、入ってすぐに雪乃は再び立ちすくんじゃって……ほんと、可愛いんだからっ！


お夕飯はすっっごい豪華であたしもビックリ！

昼間にたくさん食べ歩きしたのに、あたしも雪乃も全部食べちゃった。



「ねぇ、雪乃。この旅館ね、露天風呂があるんだよ～？
しかも、あたしたちの貸し切りっ！
ねっ、だから、今から行こうよ～っ！！」


満腹でちょっと眠たそうにしていた雪乃の手を引いて


露天風呂に行くと、想像以上の大きさだった。