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由奈(YUNA)

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23.夏休みだけのアルバイト

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お店に入ると昨日とは違ってお客さんが三組。

うち一組のカップルっぽい人と美咲さんが話をしながらショーケースの中身を見ていた。



「レジはできる?」


「い…一応……遅いですけど、、」


「なら慣れるまでレジは任せたよ」



拓海さんにそう言われたら断れる訳がない。


拓海さんは今美咲さんが開けているショーケースの鍵の場所や

閉店までのお店の流れを私に教えてくれた。



夕方から来て分かったのは、夕方からの方がお客さんが多い事。

だからこそ、忙しい。


だけど、美咲さんが接客をしていたカップルっぽい人が二人でお揃いのピアスを買ったり

私より若そうな見た目の女の子たちがお財布の中身と相談しながら一生懸命選んでる姿を見れるのはいい経験だと思った。


みんなが買っている一点一点が、美咲さんやジョージさんがすごく頑張って作っているって知ったからこそ、そう感じるんだと思う。


結局、閉店までの間は美咲さんを含めた三人でお店をやっているくらい、夕方~閉店までは忙しかった。



「あーっ!!
今日は忙しすぎ!!心ちゃんと色々話したかったのになーっ!!!
仕事の話しかしてねーじゃん!!!」


閉店後、お店の掃除をしている時に拓海さんが大きな声で叫んだ。

美咲さんも笑っているけど…仕事中なんだから仕事の話しかしないのが普通では……?


「まぁいいじゃない。
心ちゃん夏休みの間は来てくれるんだから」


「馬鹿だなぁ美咲さん。
俺と唯斗がいつもよりバイトに入んないから心ちゃんに来てもらった。

つまり!会う回数は極端に少ない可能性がっ!!!」


「大丈夫よ、明日も心ちゃんはこの時間だから」



美咲さんがシフト表を見ながら拓海さんに伝えたら

拓海さんはキラキラした表情で私を見てきた。


「明日!!
俺は15時からいるから語ろう!!
心ちゃんのタイプの男についてとか、好きな人についてとか!!」


拓海さんにグイグイ迫ってきそうだったから

美咲さんが間に入って止めてくれた。



拓海さんみたいなタイプの人ははじめて出会ったけど、、ちょっと明くんに似た明るさを感じたから

これからも、楽しくアルバイトをやれる気がした。
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