Don't be afraid

蓮

11

俺がビール2本

コウはビールとチューハイを1本ずつ



泊まる時の決まりのような酒を買って


トミさんの家に戻ったのは10時30分過ぎだった




「ただいまー」



トミさんの鍵を借りて家に入って


トミさん寝てるから忍び足でリビングに向かった





のに




「あらあら蓮くん、お帰りなさい」


「ただいま……トミさん

いや、おはようトミさん？」



普通に起きているよ、トミさん



コウはまだ麗香と志保の送りから戻ってないし



「鍵、借りてた」



鍵を見せたらニッコリ笑って



「今度、蓮くんの鍵も作ろうか」



蓮くんもって


他に合鍵持つ人いるんだなって気づいた




「俺ら煩くて起こしたならごめん」




そう言ってトミさんの前に座ったけど



トミさんはずっとニコニコしてる



ってかいつも穏やかな人だからニコニコしてるか




「違うのよ
コウちゃんと蓮くんに相談があったの」







そう言ったトミさんの顔は



ニコニコしていなかった





「相談？……それでも俺らに合わさせてごめん

話あるなら時間作れたのにさ」




うちのばーちゃん位の見た目だからさ


ばーちゃんは寝るの早くて起きるの早い



だから、トミさんもこの時間辛いんじゃないかってね

そう思ったんだ




「蓮くんは本当に優しくて良い子だねぇ」



再びトミさんのニコニコ顔で



恥ずかしいような誉め言葉を言われて




俺は真っ赤になって顔を反らした