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短編

キスがしたかっただけなのに 4 【R-18】

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アイ君の喉が鳴ったのがわかった。

「まじで…本当に嫌だったら言ってくださいよ。僕もあんまり余裕ないんで早めに。」

「わかった。」

荒い息を吐きながら自分のを取り出すアイ君。

待ってデカくね?え、俺これはいるの?その後戻る?大丈夫?
密かに焦っていると頭を撫でられた。

「大丈夫。リラックスして。痛かったらすぐ言ってください。」

アイ君のそれが、ぴったりと当てられる。
待って怖い…かも。

「さきさん。息して。吸って。吐いて。」

「う、うん。」

緊張で息を止めてしまっていたらしい。
頭を撫でてから、さっきと同じように手をぎゅっと握ってくれる。

「落ち着きました?」

あまりにも優しい顔をされるから、きゅんとしてしまう。
本当に大事にしてくれてるんだなぁって、余裕がないと言いながら、俺のことを第一に考えてくれている事が本当に嬉しい。

「もう大丈夫…いれて…」

恥ずかしくて語尾が小さくなってしまったけれどアイ君はしっかりと聞き取ってくれたようで、また頭を撫でてくれた。

「本当可愛いなぁ…
 じゃあ、入れますね。」

そう言ってまたぴったりとアイ君のが当てられ、今度はしっかりと入ってくる。

「っ~!?」

指とは全く違う圧迫感。
痛くてどうしようもなくて、呼吸の仕方がわからない。
アイ君の手を握るので精一杯で、何もわからなくなる。

「はっ…さきさんっ、息して。」

「あっ…はっかひゅっ…はっ…はっ。」

動きを止めてくれたアイ君のおかげで少し楽になった。
でも苦しい。こんなにも違うの…。

「そう。上手。もうちょっとだけ頑張れる?俺の手握って。ごめんね。もうちょっとだから。」

アイ君も汗すごい…。
アイ君もすごく辛そうで、多分ギリギリのところで耐えてくれているんだろうと思った。

「がんばる…。」

「ありがと。」

その瞬間、もっと中に入り込む感覚。
本当に辛くて、アイ君の手を握りしめながら耐える。

「はっ…さきさん。全部入りました…。」

「はいったぁ…?」

「うん。ありがとうございます。頑張ってくれて。」

まだまだ違和感はすごいけれど、アイ君の顔を見るとすごく嬉しそうで、頑張ってよかったと思う。

「ん…幸せ。」

「俺も幸せです。めちゃくちゃ嬉しいです。」

「俺も嬉しい。アイ君好き。」

開いた手で頭を撫でてくれる。アイ君に頭撫でられるの好きなんだよね。落ち着く。

「素直だ…可愛い。いつも可愛いけど。
 俺も好きですよ。」

「んふふ。」

しばらく幸せを感じていたら馴染んできたようで、さっきよりも違和感がなくなってきた。

「んっ…。ふっ…。アイ君のきもちぃ、かも。」

「あんま煽んないで…今必死に耐えてんの。」

さっきから見るアイ君の顔はいつもに比べて全く余裕がなくて、みてて面白い。

「んへへ。ごめん。動いていいよ。」

「ほんと?痛くない?平気?」

「大丈夫だよ。」

「じゃあ…ちょっとずつね。」
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