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短編
初めてのデート 1
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付き合って1週間になる今日、初めてのデートだ。
男性と付き合った経験のない俺には、男同士のデートってどうするのか疑問はある。
それに、あの日以来業務以外で直接話していない。そう考えると大分こっぱずかしいんだけど。
謎に朝から緊張していたからか、いつも少し遅れてしまう待ち合わせも時間ぴったりについてしまった。
いや、本来いい事なんだけど。
さっき連絡があった場所の詳細を頼りにしながらアイ君を探す。
えーと…噴水の近く。あ、いた。
「アイ君。」
「さきさん!」
「ごめん待たせた。」
「いえ、今着いたところだったんで。」
なんとべたな。
着いたら連絡くださいってきてたのが20分前だったからその時間の前にはいたんだよな絶対。
30分前に来てた説は全然ある。
アイ君そういうところ真面目だし気遣いすごいし。
まあからかうけど。
「嘘だ?30分前にはきてたな。」
ちょっと自意識過剰かなとか思ったけど聞いてみた。
別に違ったらそれでいいし。
「なんでわかったんですか…。かっこつけさせてくださいよ。」
やっぱりそうだったらしい。
少し困ったように笑うアイ君がかっこよくてどきっとしてしまった。
「しょうがないじゃないですか。
今日めちゃくちゃ楽しみだったんですよ。そりゃあ気も早くなっちゃうでしょ。」
うわ。なに。心臓に悪いからやめてほしい。
かっこよすぎる。
それが本当だとしたらギリギリできた自分がなんか申し訳なくなってきた。
「ごめんねギリで。」
「全然大丈夫ですよ。僕が勝手に早く来ただけですし、そもそも僕はさきさんが来てくれただけで嬉しいので。」
こいつはなんでこんなに歯がうくようなセリフを平然といえるんだよ。
ああ、ホストだからだ。何なら俺も姫に言ってるわ。
ただ顔のせいなのか、俺とは絶対に何かが違う。
なんかめちゃくちゃかっこいい。さっきからそこそこ撃ち抜かれている。
「というか絶対遅刻してくると思ってました。」
ごめん前言撤回。全然かっこよくない。
「失礼な。」
…まあめちゃくちゃわかるけど。俺も正直間に合うとは思ってなかったけど。
「仕事は絶対遅刻しないのにプライベートは遅刻魔で有名ですから。」
「自覚あります…」
「でも、今日ちょっきり来てくれたってことはそれだけ僕に会いたかったってことですよね。嬉しいです。」
「自意識過剰め。」
意味の分からない自信であきれるが、別に楽しみじゃなかったわけじゃない。
普段はしない前日の準備をしっかりとしてしまった自分もいるので、否定できないのが悔しい。
まあ緊張してた、が一番正しいけど。
「ふふ。なんとでも言ってください。それで、どこ行きます?」
嬉しそうな顔をしているからもうこれ以上は何も言わないでおいてやることにする。
「アイ君が行きたいところなかったらでいいんだけど、こないだすぐそこに新しいビル建ったでしょ。いってみたい。」
「ああ、あそこですね。僕も行ってみたかったんです!いきましょう。」
優男か。
いちいち言うことがかっこいいんだよ。
「一回見ておきたかったんだよね。なかなか機会なくてさー…」
「わかります。僕も気になってたので、さきさんと一緒に行けて嬉しいです!」
本当に嬉しそうにいってくれるからこっちまで嬉しくなる。
こういうところに惚れるんだろうな…勉強しよ。今日。
「じゃあこの信号渡ったほうがいいですね。行きましょう。」
リードしてくれるし、今も渡り切った後さりげなく車道側に行ってくれるし。
ずっとイケメンなんだけど。
正直ちょっと戸惑ってたけど、今日思ったより楽しみかも。
男性と付き合った経験のない俺には、男同士のデートってどうするのか疑問はある。
それに、あの日以来業務以外で直接話していない。そう考えると大分こっぱずかしいんだけど。
謎に朝から緊張していたからか、いつも少し遅れてしまう待ち合わせも時間ぴったりについてしまった。
いや、本来いい事なんだけど。
さっき連絡があった場所の詳細を頼りにしながらアイ君を探す。
えーと…噴水の近く。あ、いた。
「アイ君。」
「さきさん!」
「ごめん待たせた。」
「いえ、今着いたところだったんで。」
なんとべたな。
着いたら連絡くださいってきてたのが20分前だったからその時間の前にはいたんだよな絶対。
30分前に来てた説は全然ある。
アイ君そういうところ真面目だし気遣いすごいし。
まあからかうけど。
「嘘だ?30分前にはきてたな。」
ちょっと自意識過剰かなとか思ったけど聞いてみた。
別に違ったらそれでいいし。
「なんでわかったんですか…。かっこつけさせてくださいよ。」
やっぱりそうだったらしい。
少し困ったように笑うアイ君がかっこよくてどきっとしてしまった。
「しょうがないじゃないですか。
今日めちゃくちゃ楽しみだったんですよ。そりゃあ気も早くなっちゃうでしょ。」
うわ。なに。心臓に悪いからやめてほしい。
かっこよすぎる。
それが本当だとしたらギリギリできた自分がなんか申し訳なくなってきた。
「ごめんねギリで。」
「全然大丈夫ですよ。僕が勝手に早く来ただけですし、そもそも僕はさきさんが来てくれただけで嬉しいので。」
こいつはなんでこんなに歯がうくようなセリフを平然といえるんだよ。
ああ、ホストだからだ。何なら俺も姫に言ってるわ。
ただ顔のせいなのか、俺とは絶対に何かが違う。
なんかめちゃくちゃかっこいい。さっきからそこそこ撃ち抜かれている。
「というか絶対遅刻してくると思ってました。」
ごめん前言撤回。全然かっこよくない。
「失礼な。」
…まあめちゃくちゃわかるけど。俺も正直間に合うとは思ってなかったけど。
「仕事は絶対遅刻しないのにプライベートは遅刻魔で有名ですから。」
「自覚あります…」
「でも、今日ちょっきり来てくれたってことはそれだけ僕に会いたかったってことですよね。嬉しいです。」
「自意識過剰め。」
意味の分からない自信であきれるが、別に楽しみじゃなかったわけじゃない。
普段はしない前日の準備をしっかりとしてしまった自分もいるので、否定できないのが悔しい。
まあ緊張してた、が一番正しいけど。
「ふふ。なんとでも言ってください。それで、どこ行きます?」
嬉しそうな顔をしているからもうこれ以上は何も言わないでおいてやることにする。
「アイ君が行きたいところなかったらでいいんだけど、こないだすぐそこに新しいビル建ったでしょ。いってみたい。」
「ああ、あそこですね。僕も行ってみたかったんです!いきましょう。」
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「一回見ておきたかったんだよね。なかなか機会なくてさー…」
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こういうところに惚れるんだろうな…勉強しよ。今日。
「じゃあこの信号渡ったほうがいいですね。行きましょう。」
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ずっとイケメンなんだけど。
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