【完結】騎士団でいつの間にか外堀埋められ陥落した話+その後の話

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陥落したその後の話

4.欲望

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「胸だけてけちゃうなんて淫乱だなあ」

 荒い息をしている俺にレオンが口づける。まだ呼吸が整わず苦しいのに塞がれてしまった。散々口内を舐めて、離れるときには唾液で繋がった銀糸をひきつれていた。

 休む間もなくレオンは俺の脇腹へ唇を寄せる。何度も何度も肌を強く吸い、所有印を刻んでいった。舌で肌を押されるくすぐったさと、吸われてチリッと残される印に再び熱を灯された。

「っ、ぁ……ん、っ」

 精液で汚してしまった衣服はいつの間にか取り払われていた。唇と指先で続けられる愛撫と刻印は、腹や腰骨から更に下方へ移動していく。くすぐったさとは違う、背筋を抜けるような、肚の中を撫ぜるような、もどかしい感覚がじわりと湧いてきた。

「レオ、レオンっ……ぁ、」

 開いた口からみっともない喘ぎとレオンの名しか出てこない。他のことは忘れてしまったかのように、ただその人に縋った。

 足の付け根を強く吸われ、すぐ近くにある俺の陰茎が期待に震えた。とろとろ溢れ出た液を、レオンの指が先端へ撫でつける。

「んぁっ…! そこ、そんなっ……したら」
「気持ちいい? こんなにぐちょぐちょに濡らして、我慢できないんだね」

 言葉で意地悪く責められ、レオンの声音が思考を刺激する。そうやって意識を逸らされているうちに香油が腹の上へ垂らされた。それをレオンは指にまとわせ、勃ち上がっている陰茎と奥の窄まりを撫でた。

「あっ、っんあっ……!」

 陰茎をぬちぬち扱かれると射精感が高まる。もう一方も、香油のぬめりで難なく後孔へ埋められた。既に敏感になっているというのに前と後ろを弄られ、与えられる快感が過分で強い。

「ぃやっ、ダメ……んっ……っ」

 同時に攻められてはレオンへ指を伸ばしたってちっとも力なんて入らない。止めてほしいわけではなく、過ぎる快感だとわかってほしい。
 念入りに後孔を解そうとする動きは丁寧なのに大胆だ。初めてではないだけに、ぐちゃぐちゃ動かしても痛みはない。

「悦さそうだね……」

 含める指が増やされ、入口やナカで動かしながら昂らせていく。

「あ、っあ……そん、なぁ……っ!」

 辛くはないがじれったい。終わらせてほしいような気がして……いや違う。指ではないもっと確実な存在で突いてほしいと頭の片隅で答えを見つけた。
 けれど、はしたないことを口にするのは憚られ、後孔へ指を埋めるレオンにたどたどしく手を伸ばした。どうにか伝わってほしくてそうしたのに、邪魔だとばかりに拘束されてしまう。指と指を絡ませ、まるで捕縛するように。
 もう片方の手では窄まりでの動きが続いた。しかし俺を拘束したことによって陰茎からはレオンの指が離れた。代わりに、俺の半身は温かい何かに包まれてしまう。

「や、ぃあっ、あ……っそんな、し、ぁ……っ!」

 じゅっじゅっと強く吸われ口淫されているのだと気づけば、熱が一気にそこへ集まる。舌で先端をぐりぐり弄られ竿を何度もねっとり舐め上げられた。

「……もっ、はなし、っ……ぁ」

 なんともいえない吐精の促しに加えて、ナカの前立腺を指で擦られている。弱い場所を同時に攻められれば、陥落するのは容易かった。
 ナカにある腹側のしこりを、より強く指先が抉った。レオンに知られた身体は容赦のない追い上げに抵抗する術など持っていない。

「んっ、ァ……──!!」

 明滅する中へ放り投げられたような錯覚に、一瞬自分がどこにいるのかわからなくなる。浮いているのか落ちているのか、過ぎた快感は恐怖と似ていた。

 縋るものを探し、無意識にぎゅっと手を握りしめる。何処かへ行ってしまいそうな浮遊感に襲われながら、けれど確かなものが俺を繋いでいた。

「アル……」

 滲んだ視界の向こうにレオンが見えた。幾度か瞬いて、ようやく姿を捉えることができる。
 目尻に唇を寄せられ、零れていたらしい涙を拭い取られた。涙の跡を伝いながら、キスで俺の唇は塞がれる。自分で出した青臭い苦味が広がるも、それには構わず舌を絡み合わせ、深く隙間がないほど結び合わせた。

「ん、んっ……」

 声を飲み込まれながら、解されて緩んだ後孔へレオンの猛ったものが充てがわれた。ゆっくり内壁を擦りつつ、奥へ奥へ入ってくる。

「っんぅ、んんっ、っ」

 拒んでいるようで期待しながら内壁はレオンの雄を包み込んだ。火傷しそうな熱に溶かされ、身体も心もぐずぐずに形がなくなってしまいそう。

(気持ちいい……)

 ぐっぐっと屹立が押し入り、俺のナカにレオンが収まった。彼の左手は俺と繋いだままで、右腕が腰を掴んで固定されている。ふっと息を吐いてレオンの動きもそこで一度止まった。

「ナカがうねって……俺を誘っているね」
「ぁ、もぅ……うご、いて」
「待てない?」
「ん……」

 返事もろくにできないくらい、頭の中がおかしくなっている。レオンを咥えたって自分では動くことができずもどかしい。それがわかっているのかレオンは主導を握っていることが嬉しいようで、どこか楽しそうに笑みを浮かべていた。
 ゆっくり抜かれていく感覚にぞわぞわ肌を粟立てる。そしてまたゆっくり押し込んでは引いて……ぬちゅぬちゅいやらしい音を立てながら、ヒクつく孔を穿たれた。

「ご希望は叶った……かな?」
「ぁ、……こ、なんじゃ……」

 ──足りない。もっと、もっと、壊れるくらい強く抱いてほしい。優しい扱いはレオンの気づかいだけれど、理性をなくすくらい求めてほしいのだ。

「ふはっ ここを埋めてくれるなら誰でもいい?」
「っない、レオっ、……レオン、だけっ」
「本当?」
「ん、んっ、っいない、からぁ……あっ!」

 何もかもレオンが初めてだというのに、知っていて言葉で確認しようとする。他の人間なんて知らない。レオンしか知らない。与えられるすべてが、レオンに教えられたというのに。

「ひっ、いっ………あぁっ!!」

 腕を引かれ身体を起こされた。そのまま俺の両腕をレオンの首へ回すよう促される。ぎゅっとしがみつき、俺の足はレオンの腰へ巻き付く形となった。すると自重で更に奥までレオンが入り、受け入れてはいるがやや苦しい。

「喰いちぎられそう……」

 ぐっと最奥まで届いたレオンの肉棒が容赦なく突き立てる。俺の腰を掴み、少し浮かしては落とされ、楔を打たれた。

「はっ、ぁ、あっ……アッ、ッ」

 息が追いつかなくなりくらくらする。突かれる度に俺の分身は二人の間でゆらゆら揺れて、体液を垂らしていた。たぶん軽く達っているのだろう。何度目かわからない吐精は量が少なかった。
 このあたりから記憶は曖昧で、何をしているのかよくわからなくなっていた。体力の有り余るレオンがいつ達したのかわからない。肚の中で受け止めたような気もするし、ぬちゃぬちゃ音がするのは香油だけでなくレオンが吐精したからだと思う。

 体位が変えられ前からも後ろからも突かれた。剛直は衰えを知らず、萎える様子が全くない。
 途中で何度か『ぬいて』と懇願したはずだ。けれど聞き入れてもらえず後孔からレオンの精液が溢れていた。

 ふっと気がついたとき、俺の足はレオンの肩に乗せられ、真上から突き入れられていた。まるで串刺しみたいだな、とくだらないことを考えたことは覚えている。

「はぁっ、あ、あっ……?」

 ゴリッと、ありえないところがありえない音をさせたような気がしなくもない。もう何がなんだかよくわからなくなり、されるがままになっていた。どこかが痛いとも思っていない。

「アル……アル、……アルフォンスッ」

 そんなに求められたって、差し出せるものはすべて渡している。もう何もあげられないのに、レオンは何が欲しいのか。
 身体も心も、意識だって自分じゃどうにもならないくらい、レオンが支配してるのに。

 ほら、全部ぜんぶレオンにあげたから。
 どうか、他の誰かのところになんか行かないで。俺だけで満足して──
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