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第5章 出逢い
#27 素材の買い付け
しおりを挟む自分のこだわりを詰め込んだ剣を作製したいのだがまずはその為の素材を集めてくることになり、素材の知識はまだまだ無いのでエルラーとお金を払ってくれるヒソネの3人で、世界中の全てのモノが揃うと言われる聖都市にやって来た。
とはいっても実際には買えないモノもあり、その一つがラーカス商会の新商品である回復薬と量産型の剣のように、流通されていないものなので今回は市場調査も兼ねてある程度の商品を持ってきた。
■■■
「いやー凄い売れ行きでしたね」
「ここまで売れるとは思っていませんでした。ほぼ完売したので、もう充分でしょう」
アプレルの町を訪れる以外にラーカス商会の商品を買う手段は今回のような行商など限られているが、商人の間で噂が広まっており同業者の買い付けが多かった。
今回は冒険者にも直接取引をし量産型の剣のリサイクルという仕組みに興味を持って貰えたが、受け付けられる場所がまだアプレルの町など限られた場所ということで躊躇う人も多かった。
今後は如何に販路を拡大していくのかも考えなくてはいけないのかもしれない。
こうして商品を売って軍資金も手に入れたので、いよいよ鉱石などの商品を見に行くことになった。
■■■
いくつもの商店をまわり魔物から取れる爪や牙そして角などの素材、オリハルコン鉱石、ミスリル、アダマンタイト、ユニオン鉱石などの鉱石を見て回ったがイメージが湧かない。
やっぱり日本男子たるもの刀かなとも思ったりもするが、魔石を埋め込んだりするにはいささか加工が難しいだろう。
何か良いアイデアを見つけられないかと様々な町の武器屋も見て回ったが、そこまで高い品質の商品は置いていなかった。
「AランクとかSランクの冒険者が使うような武器ってどこで売ってるんだ?」
「そういう人達は自分から店に行くことは少ないぞ、商会の商人が直接取引するんだ。トップの冒険者に自分達の武器を使ってもらうことで宣伝にもなるから、かなり優遇してお抱えの冒険者を持っている商会もあるぐらいだ」
冒険者のスポンサーになって、自社の商品を宣伝してもらっているといった所だろう。
「ならどこかの商会を訪ねて見せてもらえばいいのか。というか素材とか鉱石もどこかの商会で見せてもらえば良かったんじゃないか?」
「あのなぁ」
エルラーにやれやれと言った顔をされる。
「私たちは小規模とはいえ商会を商っているのですよ? そう易々と見せてくれると思いますか?」
「ああ、そういうことですか……」
ライバルにやすやすと見せるものは無いということだ。
「なら諦めるしかないのですかね」
「まぁそれもそうだが、見せてもらえないか一か八かあそこに行ってみないか?」
「ああ、あそこですか。確かにそれなら無くは無いのかもしれないですね」
「ちょっ、二人で何を納得しているんですか!? さっき無理だと言ってたのにどういうことですか?」
「いやなに、商会では無くて武器を持っている人達に直接見せてもらえないかなと思ってな。何度か取引したことはあるから門前払いはされないはずだしな」
■■■
[聖騎士団]
それはこの国の教会に仕え、さらには国の最高戦力でもある。
冒険者ギルドの上位互換として聖騎士ギルドがありそこに冒険者としてのトップランカーが所属しているが、そこでは聖騎士の仕事の一部をギルドに担って貰っているだけで最高難易度の依頼はほとんどを聖騎士がこなしている。
だからこそ冒険者のランクの枠は当てはめられていないが、聖騎士は冒険者の上位互換のようなものらしい。
確かにそんな人達の装備であれば、その辺の商店で取り扱っているものより遥かに上だろう。
ということで見せてもらえるかは分からないが、聖騎士団の本部に行くことになった。
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