異世界に召喚されたけど商人になりました。

シグマ

文字の大きさ
上 下
25 / 61
第4章 ギルド依頼

#24 ワーウルフ

しおりを挟む

 及び腰で逃げ出そうとするもヒソネに止められたので、ようやくワーウルフとの戦闘をすることにした。

 いきなり群れのワーウルフを狙うのは危険なので一体でいるワーウルフを探すのだが、近場はあらかた倒されていて見つけることが出来なかった。

■■■

「で、なんでこんな最前線に来てるんですか!?」

 周りにはごりごりのパーティーが一杯だ。これからワーウルフの群れを合同で討伐しに行くらしい。

「やっぱり一体も倒さないで帰れないじゃないですか」

 「いやそこは気にせずに帰りましょうよ……。僕達は場違いでしょ」

「いやいや行けるって、むしろ周りに冒険者がいた方が何かあった時に助けて貰えるって」

「エルラーまで……分かりましたよ。ならあぶれてきたワーウルフを狙うで良いですね?」

 ということでワーウルフ討伐の最前線に混ざって戦うことになった。

■■■

 冒険者たちが戦っている後ろで様子を伺いながら機を待つ。

 すると先程、回復薬を売った冒険者たちが話しかけてくる。

「おーお前達も来てたんだな。どうだもう何体か倒したのか?」

「いえそれが……」

 ということで事情を話すと、討伐を手伝ってくれることになった。

 群れで固まっているワーウルフに冒険者たちが突っ込んで群れを分断し、一体がこちらに向かってくるように仕向けてくれる。

「き……きた!」

「落ち着けハヤト! 動きをしっかりと見て対処すれば問題ない」

「ひえっ!」

 転けそうになるが何とか突撃をかわす。

「で、出来た!」

「ま、まぁそんな所だ。何にもないところで転けそうになる意味は分からんが、避けられるなら相手の攻撃も怖くないだろ?」

「あ、あぁそうかな」

「なら次は攻撃だ。俺たちが引き付けるから後ろから剣で斬ってみな」

「分かった!」

 ヒソネが遠距離から足止めをし、エルラーが剣で引き付ける。

「よし、あと一撃で倒せるはずだから斬りかかれ!」

「わ、分かった!」

 エルラーがワーウルフと対峙しているので後ろから斬りかかる。

 今度は周りに木が無いことを確認したから心置き無く剣を振るう。

■■■

「なっ、なんでこうなった!」

「いやー凄いなお前。ぷっ、あんな討伐始めて見たわ」

 討伐を見ていた冒険者に笑われる。

 剣ではなく、盛大に転けてボディプレスで倒したのだ。

「まぁいいじゃないか、倒したのは事実なんだし。ぷっ、おめでとう。これでトラウマも克服出来ただろ?」

「なんか納得がいかないんだけど……」

「まぁまぁ、ほら魔石を回収しようぜ」

「うぐぐ」

 こうして始めての魔物討伐は思うようにはいかなかったが、無事に倒すことが出来た。

 魔物の解体は解体スキルがあるのでスムーズに行えたのだが、それを見た他の冒険者が解体をやってくれと頼んでくるので、結局これ以上はワーウルフと戦うことなく討伐依頼を完了した。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

ギルドを追放された俺、傭兵ギルドのエリートに拾われる〜元ギルドは崩壊したらしい〜

ネリムZ
ファンタジー
 唐突にギルドマスターから宣言される言葉。 「今すぐにこのギルドから去れ。俺の前に二度と顔を出さないように国も出て行け」  理解出来ない言葉だったが有無を言わせぬマスターに従った。  様々な気力を失って森の中を彷徨うと、賞金首にカツアゲされてしまった。  そこに助けようとする傭兵ギルドのA級、自称エリートのフィリア。  モヤモヤとした気持ちに駆られ、賞金首を気絶させる。  行く場所が無い事を素直に伝えるとフィリアは自分のギルドに招待してくれた。  俺は仕事が必要だったのでありがたく、その提案を受けた。  そして後に知る、元所属ギルドが⋯⋯。  新たな目標、新たな仲間と環境。  信念を持って行動する、一人の男の物語。

入れ替わりノート

廣瀬純一
ファンタジー
誰かと入れ替われるノートの話

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?

青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。 そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。 そんなユヅキの逆ハーレムのお話。

処理中です...