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第3章 武器(剣1)
#17 剣を作る
しおりを挟むエルラーに色々と教えてもらいながら様々な剣を見ていった。
特別な剣を作りたがるエルラーだが、剣を初め武器に対する情熱は確かなもので説明に引き込まれ話を聞くだけで一日が終えた。
■■■
翌日、どういう剣を作りたいか決めてエルラーに作り方を教わることになった。
「さぁハヤトはどんな剣を作ることにしたんだ?」
「やっぱり、まずはこの売れ筋という両刃の両手剣かな。大きさもあまり大きくなくて片手でも扱えるし、自分にもしっくりくるんだよ」
自分のような素人でも扱いやすいというのは重要だ。それに自分で扱える剣を作りたい。
「そうか、でもこうミスリルとか使うと……」
「それは無い! まずはあくまでも汎用の武器を作りたいんだよ。価格はなるべく押さえた上で質を上げたいな」
「うー、まぁそれなら鉄とか銅ぐらいかな。製錬してインゴットにしたものがあるからそれを使ってとりあえず作ってみようか」
いずれは製錬も含めて一から作り上げたいというか、鉱石も掘り出しに行ってみたいがまずは作るところから始めることにする。
■■■
炉で熱した鉄のインゴットを叩く音が鳴り響く。
実際の鍛冶作業と違ってスキルを用いながらなので加工はかなりスムーズに行うことが出来る。だが人によってこだわりがあり、スキルの差以外にも質に影響する。
ハヤトにはそういった知識はまだ無いので、とりあえずは熱して叩いて成形し剣の形に仕上げていく。
「良し出来た!」
「うん。まぁ初めてにしてはこんなものかな」
「濁さなくていいから、実際どうなんだ?」
「まぁ言うより実際に使ってみた方が早いから、試し切りしてみればいい」
ということで細い丸太に切りつけてみる。ハヤトが作った剣と、ガラクタのように置かれたエルラーの剣をそれぞれ試す。
結果は一目瞭然で、ハヤトが作った剣では丸太を叩いただけで表面が削れたぐらいしかダメージは無い。対してエルラーの剣は正に一刀両断した。
「凄いなエルラーの剣は」
自分で作った剣の不出来さよりもエルラーの剣の質の高さに驚嘆する。
「それは俺はAランクの鍛冶スキルを持ってるからな。いくら失敗作でも俺の作品は一流なんだよ」
「やっぱりスキルの差なのかな?」
「まぁそれもあるけど経験も大事だし、それに色々と工夫もしないと駄目だな。本当はそれぞれが秘密にしてるんだけどハヤトには特別に少しは教えてやろう!」
「ありがとう、それをマスターすれば俺もこの剣みたいなのを作れるかな?」
「バカ野郎、そんなに簡単なものじゃねぇよ。まずは鎚の打ち方からやり直しだ!」
ということでこの日からエルラーに教わりながらも、ひたすらに剣を作り続けた。
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