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第一章
第 柒 話 激闘の末。
しおりを挟むクローディア達は虫の息の魔神に近付く。
そして、すぐさまクローディアは『 常時絶対的服従 』のスキルを、隣でピンクは『 常時絶対的魅了 』のスキルを発動させる。
「 何を企てているのか、目的を言いなさい!! 」
「 おねぇ様に逆らう事は許さないわよ!! 」
転生人の優遇スキルは強力である。そして、呪文の詠唱すら必要の無い即時発動するそれは、魔法使いの嫉妬の的だった。
そんな超絶スキルに瀕死の魔神が抵抗する術はなく、すんなり口を開く。
「 ぐっ、新魔神王の…継承…復活により…このフォース・ジオ・エレメンスを手中に…す… 」
クローディアは転生前に所持していたライトノベルの物語の一つにあまりにも酷似していると感じ、思わず口に出てしまう。
「 転生前の世界で読んでいた、ファンタジー系ライトノベルに出てくるような話ね 」
「 え?おねぇ様ったら、ファンタジーのライトノベルがお好きだったんですね 」
「 …まぁ、その物語に登場する付き人が、イケメンだったのよ 」
「 へ~、そのイケメンとは、どうかなっちゃうんですか? 」
「 そうねぇ… 」
クローディアはそのライトノベルの中巻278ページ5行目の場面を思い出し、顔を真っ赤にする。
「 …おねぇ様? 」
「 どうもならないわよ!! 」
「 えぇ~⁈ 」
流石に転生前の世界に、この異世界の史実の一部がライトノベルとなって発売されていたなどと、口が裂けても言えない、ましてやそのライトノベルのヒロインの名が『 クローディア 』だったから尚更だ。だがしかし、転生前の当時、下巻を読む前にあの事故に遭ってしまったので、それ以降の情報が無いのが残念で仕方がなかった。
クローディアとピンクの優遇スキルは、魔神の僅かな寿命の限界まで情報を絞り出した。寿命の尽きた魔神は身体を灰と化し、跡形も無くこの地下フロアから消滅する。
「 いったん、国王にこの情報を持ち帰るわよ 」
「 はい、お嬢様。では 」
セバスはすぐに転移魔法の呪文詠唱を始めた。王子とピンクは詠唱時の無防備となったセバスの護衛に徹する。
クローディアはこの地下階層に最後の転移装置を錬成する。これは今後、この装置を使って自国の軍をこのほぼ地下最階層へ直接送り込む急襲作戦で必要になるものだ。更にクローディアは念入りにこの転送装置に魔物を寄せ付けないよう、三重の強固な結界を施した。
転送装置の設置をし終えると、クローディア達は王都へと向かった。
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退会済ユーザのコメントです
ありがとうございます。
のんびり物語を描いて行きますので、どうぞ末永くお付き合いくださいませ。
執筆活動共に愉しみましょう!