上 下
6 / 14
1章

緊急事態発生です

しおりを挟む
「そういえばフェンリルは何か食べ物取ってくるって言ってたけど、何を取ってきたの?」

『あーそれはですね~』

スープの鍋を焚火の上に丈夫な木の棒で固定して浮かせるようにして煮込んでいく、その後はいい具合になった頃にフェンリルの背中からおりてそう言った。

『じゃーん大きいサケを取ってきたんです』

私が地面に降りて靴を履けているか確認していると後ろから嬉しそうにそう言うフェンリルの声が聞こえた。

「、、、えデカ」

振り返って見てみるとどこからか出てきたサケの尾びれを掴んで自慢気に私のそばにおいた。

少なくとも私が抱えたらはみ出すくらいにはでかい。

30センチ以上はある

「しかし、、、これをどうさばけと」


過去に捨てられた本を読んでいた私はたまたま見た本に魚のさばき方が書いてありいつか役立つときがくるかもと思って読み込んでいたが、さすがにでかすぎて話にならない。

少なくとももう一人助手が必要だ。

「んーーー」

『どうしました?』

「いやーーこの大きさは流石に捌けないし、、後もう一人助手がいたらできたのになーって」

まあ流石にこんな事をフェンリルに愚痴ってもしょうがない

それに鮮度の心配もあるしここは簡単な空間停止魔法をフェンリルに掛けてもらうとしよう

「あの、、お願いがr」『はいなんでしょう』

突如鼻筋ぎりぎりで私の前に現れたのはフェンリルではなく端正な顔立ちをした白髪のブルーアイの少年だった


しかし口から発せられた声の感じからもしや、、、


「もしかして、、フェンリル???」

『????だって主様が助手がほしいとおっしゃったので、、僕こうみえて何年も生きてますから人に化けることなんてちょちょいのちょいですよ』


「、、、、はわわ~イケメンかっk」

「いけないいけない、、、あの顔に飲み込まれるところだった」

『?』

私も改めて面食いなところは街で一番の美男子を落とした母の血を継いでいる部分があることを再確認した。

そしてそれが今の父である。

残念ながらいいところは全部姉に持っていかれが、、、。


「まあ、、それはいいんだけど」

『?なんのことですか』

「いやこっちの話だから大丈夫」

『??』

「そういえば君の事ずっとフェンリルって読んでたよね名前はないの?」

『名前???ないですよそんなの、、逆にお聞きしますが主様や人間にはその名前があるのですか?』

「うん私はリーレンって名前だけどね人によっては意味なんかもあるから全然違うよ」

『そうなのですね』

「一応人間に化けれるんならその姿で移動する時に人がいても大丈夫でしょ?だから変に見られたりしないようにも名前をつけたほうがいいかなって」

『なるほど、、、では主様がつけてください』

「えっ私!!」

『はい!!私を助けてくださった命の恩人である貴方に是非とも私は素晴らしい名前をつけてほしのです』

キラキラとした目で見られ断るに断れない空気になり、しぶしぶ了承した

「うーーーん、、名前名前」

『そんなに難しんものなんですか??名前というのは』

「まあ、、ね?」

『、、、』

「、、、、うーんじゃあフェンリルの名前の端からとって【フェル】なんてどうかな???」


『フェルですか、、、、』


ぱあああああ


『流石です主様!!!!発音と言い読み方と言い主様のつけてくれた名前はこの世界の誰よりも素晴らしいものです!!!!!』


「そ、、そう?ならよかった」(適当に考えたのバレてなくてよかったーーー)



そのまま人間の姿でいるフェルの力を借りながらサケを手分けしてさばいた


「おっ終わったー」

もう焚火の明かりしか見えなくなった頃に魚をさばき終え、その後大きい切り身を二枚とも木の棒にさして、鍋をどかした焚火の中で焼いていく。


シチューの方は鍋の大きさに反して4杯分くらいしかないがちょうどいい


家から持ってきた食器とスプーンをだして、食器の中にスープを掬っていく。

いまだ人間の姿のフェルにスープを手渡し、二人で焼き上がった魚の切り身と共に今までの疲れを癒やす。



「ご馳走様でした」

『では私は食器の後片付けをしておくので主様はゆっくりお休みください』

「うん、、ありがとう」

そしてそのまま自分で作った特注寝袋の中にもぐり深い眠りについた


焚火のほんわかとした暖かさにどこか懐かしさを覚える私だった。


ボソ「明日はいよいよ西へ行くのかぁ、、、、くー」










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

内政チートをやってみよう!……まあぼっちですが。

カナデ
ファンタジー
誰も立ち入らない深い森の中の小さな集落。住人はリザティア以外は全てが老人だったが、とうとうたった一人になってしまった。 これからどうしよう? ここから、森から出て外の世界へ行く? ……いいえ。この集落で一人で暮らします! ぼっちだけど、内政チートで! 相棒のシルバー(狼)と精霊たちとともに! これは前世の記憶を持った少女が、でも自分が何故異世界転生だか転移したか何も分からないので、異世界へ飛び込まずに、森の中でのんびりと自由に暮らすことを目標にして生活していくお話です。 いつしか集落にも住人が増え、内政チートの本領発揮、となるか?(そんな感じです) 完結まで連載予定ですので、どうぞよろしくお願いします<(_ _)> **この話は、他サイトさんで連載していた同タイトルの話(未完)の大幅改稿版となっています** 第2章から、書き直し、書き下しの部分が改稿部分より増え、話も追加で新たに入れます。 大分改稿前とは変わると思いますが、ご了承ください。 3/1 HOT32位 3/2HOT 22位 3/5HOT16位 3/7HOT14位 ありがとうございます! 3/7 お気に入り 1000 ありがとうございます!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

知らない異世界を生き抜く方法

明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。 なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。 そんな状況で生き抜く方法は?

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

こちらの世界でも図太く生きていきます

柚子ライム
ファンタジー
銀座を歩いていたら異世界に!? 若返って異世界デビュー。 がんばって生きていこうと思います。 のんびり更新になる予定。 気長にお付き合いいただけると幸いです。 ★加筆修正中★ なろう様にも掲載しています。

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます

みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。 女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。 勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

異世界転生はうっかり神様のせい⁈

りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。 趣味は漫画とゲーム。 なにかと不幸体質。 スイーツ大好き。 なオタク女。 実は予定よりの早死は神様の所為であるようで… そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は 異世界⁈ 魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界 中々なお家の次女に生まれたようです。 家族に愛され、見守られながら エアリア、異世界人生楽しみます‼︎

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

処理中です...