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22.第2ラウンド~高度な心理戦~
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今日はめちゃくちゃ疲れたし、銭湯に浸かって疲れを癒やそう。
「いらっしゃいませ。あら、イヒトさん。何だかお疲れのようですね?」
オリーブさん、わかりますか。
今日の俺は一味違いますよ。
「はは、そうなんですよ。今日、始めて魔物を討伐したのですが、結構倒すのに手間取ってしまって」
「まぁ! 魔物を討伐されたのですね。おめでとうございます。そうですね、疲れていらっしゃるなら"三助"のサービスはいかがでしょう?」
三助……?
三助って確か体を洗ってくれる男の人のことだよな?
ワカワの湯ではそんな人も雇っているのか。
「へぇ、ワカワの湯では三助さんも雇ってるんですね」
「ふふ、もちろん私が三助ですよ? 今は他にお客さんもいませんし、"と・く・べ・つ"です」
オリーブさんが三助!?
いやいやいやいや!
……
…………
………………
……いやいやいやいや!
流石にダメでしょ!?
三助は男で、オリーブさんは女で、俺は男で。
三助は男だから男にできるわけで。
いや、でも三助は男だけど女性の背中も流してたんだよな。
てことは、女性のオリーブさんが男の俺の背中を流してもおかしくないわけで……?
他にお客さんはいないから誰にもわからないわけだし?
そうだよ、これは別に普通の伝統的な神聖な風呂屋のサービスなわけだから?
全く不純な心はないわけで?
……いや、やっぱりダメだ!
オリーブさんのご両親がいるかもしれないじゃないか!
そうだよ、これはオリーブさんの罠だ。
お客さんはいないけど、両親がいないとは言っていない。
危なかったー。こういうことよ、世の中の男性諸君、気を付けたまえ。
「いや、ありがたい申し出なんですけど……」
「もちろん両親も今はいませんよ? 私達2人"だ・け"です」
はわわわわわわ!!
これはどうなの!?
いいの? ダメなの?
どっちなんじゃい!!
初討伐の興奮でアドレナリンドバドバだから冷静な判断ができない!
ここまで言わせておいて断るのも申し訳ないよな?
オリーブさんもプロなんだし。
そう! プロだもんな!
俺もオリーブさんも何も邪な気持ちはない。
1ミクロンもない。いや1ナノも、いや1ヨクトだってない!
何かヨクトっていうと欲がありそうな感じがするが……
そもそもお互い独身だし、向こうから言い出してきたことだ。
合意の上のことだ。合意だ。
これは2人の意思で成立することだ。
俺達以外の他人は関係ない。
初討伐のお祝いだしこれくらいいいだろう。
いいだろ?
「それじゃあ、せっかくなのでおね……」
「あ! イヒトさん! Eランクに上がったみたいですね! おめでとうございます!」
(チッ)
キンジくんーーーーー!!!!
やっぱりキンジくんだよ。
キンジくんしか勝たん。
俺の汚い心を浄化してくれるのはいつもキンジくんだ。
どこかから舌打ちが聞こえたような気もするけど、キンジくんの癒やしの前では無力だ。
「キンジくん、ありがとう! たまたま倒せたけど、結構苦労したからさ。今日は銭湯で疲れを癒やそうと思ってね」
「すごいなぁ。僕はまだFランクなので、イヒトさんに追い付けるように頑張ります!」
キンジくん、いい子だ。
ただ無理をされたら困るから、ちゃんと注意しないと。
「キンジくん、俺は今日初めて魔物と対峙して、本当に死ぬかと思ったんだ。比喩とかじゃなくマジで。もしキンジくんが魔物に挑む時は、装備を整えて、知識も入れて、パーティを組んで、これでもかってくらい準備万端にした方がいいよ。これ、おじさんとの約束」
「あはは、もうイヒトさんは心配性なんだから。でも、ありがとうございます。まだしばらく挑む予定はありませんが、肝に銘じておきます!」
それでいい。
キンジくん、君はまだ若いのだから。
その後、キンジくんと背中の流し合いっこをしたりして、楽しく風呂に入った。
途中、寒気がしたが気のせいだろう。
―◇◇◇―
「いらっしゃいませ。あら、イヒトさん。何だかお疲れのようですね?」
オリーブさん、わかりますか。
今日の俺は一味違いますよ。
「はは、そうなんですよ。今日、始めて魔物を討伐したのですが、結構倒すのに手間取ってしまって」
「まぁ! 魔物を討伐されたのですね。おめでとうございます。そうですね、疲れていらっしゃるなら"三助"のサービスはいかがでしょう?」
三助……?
三助って確か体を洗ってくれる男の人のことだよな?
ワカワの湯ではそんな人も雇っているのか。
「へぇ、ワカワの湯では三助さんも雇ってるんですね」
「ふふ、もちろん私が三助ですよ? 今は他にお客さんもいませんし、"と・く・べ・つ"です」
オリーブさんが三助!?
いやいやいやいや!
……
…………
………………
……いやいやいやいや!
流石にダメでしょ!?
三助は男で、オリーブさんは女で、俺は男で。
三助は男だから男にできるわけで。
いや、でも三助は男だけど女性の背中も流してたんだよな。
てことは、女性のオリーブさんが男の俺の背中を流してもおかしくないわけで……?
他にお客さんはいないから誰にもわからないわけだし?
そうだよ、これは別に普通の伝統的な神聖な風呂屋のサービスなわけだから?
全く不純な心はないわけで?
……いや、やっぱりダメだ!
オリーブさんのご両親がいるかもしれないじゃないか!
そうだよ、これはオリーブさんの罠だ。
お客さんはいないけど、両親がいないとは言っていない。
危なかったー。こういうことよ、世の中の男性諸君、気を付けたまえ。
「いや、ありがたい申し出なんですけど……」
「もちろん両親も今はいませんよ? 私達2人"だ・け"です」
はわわわわわわ!!
これはどうなの!?
いいの? ダメなの?
どっちなんじゃい!!
初討伐の興奮でアドレナリンドバドバだから冷静な判断ができない!
ここまで言わせておいて断るのも申し訳ないよな?
オリーブさんもプロなんだし。
そう! プロだもんな!
俺もオリーブさんも何も邪な気持ちはない。
1ミクロンもない。いや1ナノも、いや1ヨクトだってない!
何かヨクトっていうと欲がありそうな感じがするが……
そもそもお互い独身だし、向こうから言い出してきたことだ。
合意の上のことだ。合意だ。
これは2人の意思で成立することだ。
俺達以外の他人は関係ない。
初討伐のお祝いだしこれくらいいいだろう。
いいだろ?
「それじゃあ、せっかくなのでおね……」
「あ! イヒトさん! Eランクに上がったみたいですね! おめでとうございます!」
(チッ)
キンジくんーーーーー!!!!
やっぱりキンジくんだよ。
キンジくんしか勝たん。
俺の汚い心を浄化してくれるのはいつもキンジくんだ。
どこかから舌打ちが聞こえたような気もするけど、キンジくんの癒やしの前では無力だ。
「キンジくん、ありがとう! たまたま倒せたけど、結構苦労したからさ。今日は銭湯で疲れを癒やそうと思ってね」
「すごいなぁ。僕はまだFランクなので、イヒトさんに追い付けるように頑張ります!」
キンジくん、いい子だ。
ただ無理をされたら困るから、ちゃんと注意しないと。
「キンジくん、俺は今日初めて魔物と対峙して、本当に死ぬかと思ったんだ。比喩とかじゃなくマジで。もしキンジくんが魔物に挑む時は、装備を整えて、知識も入れて、パーティを組んで、これでもかってくらい準備万端にした方がいいよ。これ、おじさんとの約束」
「あはは、もうイヒトさんは心配性なんだから。でも、ありがとうございます。まだしばらく挑む予定はありませんが、肝に銘じておきます!」
それでいい。
キンジくん、君はまだ若いのだから。
その後、キンジくんと背中の流し合いっこをしたりして、楽しく風呂に入った。
途中、寒気がしたが気のせいだろう。
―◇◇◇―
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