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21.みんな、さよなら
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……
…………
………………
……そういえば、コインを指で弾いて飛ばす、"指弾"とかいう技が存在したよな。
マンガやラノベでもたまに出てくる技だ。
すごいものになると時速数千kmになるものや、爆発するものもあったな。
もし、召喚する時に10円玉の動きに方向性を持たせることが出来たなら……
高速で10円玉を発射しゴブリンにぶつけることが出来たなら……
出来るかどうかわからないが、やるしかない。
やらなきゃどっちにしろ死ぬんだ。
今まで何回も救われてきたこのスキルに最後は賭ける……!!
そうと決まれば狙いがつけやすい場所に出なければ。
今まではなんとか追いつかれないように見通しの悪い場所を選んで走ってきたが、遮蔽物のない開けた場所で対峙したい。
ちょうど獣道のように何も生えていない空間が少し先にある。
「おいゴブリン! こっちだ!」
俺はゴブリンと開けた空間で一直線になるように誘導する。
来た!
外すわけにはいかない。
できる限り引きつけろ。
あと15m。
……まだだ。まだいける。
あと10m。
……怖い! けどまだだ。あともう少し。
あと9m。
もう少しキンジくんと話したかったな。
あと8m。
セイラさん、キンジくんとうまくいくかな。
あと7m。
オリーブさんの銭湯にもっと通いたかった。
あと6m。
女神様、ライチさん、レッドさん、この世界で出会った皆、本当にありがとう。
また会おうぜ!
あと5m。
うぉぉぉぉ!!
いっけぇぇぇぇ!!!
俺はゴブリンの頭を撃ち抜く10円玉をイメージする。
頼んだぞ……!!
「10円玉召喚!」
ぽんっ
…………やっぱりダメだったか。
10円玉はいつものように何の動きもなく、ゴブリンの頭上に現れた。
10円玉はただただ自由落下していく。
そうか。誰かにもらった力に頼りすぎていたのが悪かったんだな。
自分の力で立ち向かうといいながらチートスキルに頼った……頼り切ってしまった時点で負けだったんだ。
10円玉はゴブリンの背後に落ちていく。
今更わかったところで遅いが、最後の最後、このナイフで一矢報いる。
本当に自分の力で立ち向かってやる……!!
「グギャギャッ!」
……みんな、さよなら。
キィーーーン
突然、金属音が鳴り響く。
「グギャ?」
ゴブリンは敏感に反応し、音の方を振り向く。
スキが出来る。
大きな大きなスキが。
無防備な首筋が俺の目の前に。
うぉぉぉぉぉ!!
俺はゴブリンの首筋に夢中でナイフを振り下ろす。
グサッ!
「グギャーーー!!!!」
首筋に突き刺さったナイフが一瞬光り輝いたかと思ったら、ゴブリンの体は霧散してしまった。
……
…………
………………
……うぉぉぉぉらぁぉぁぁ!!!!
どんなもんじゃーーーーい!!!!
これがショボ男の本気じゃーーーー!!!!
一昨日来やがれってんだ!!!!
はぁ、はぁ……
マジで今回ばかりは死んだと思った。
というか半分、いや4分の3くらいは死んでたね。いや、マジで。
今日は興奮しすぎて眠れないよ。アドレナリンが滝のように放出されてるよ。
アドレナリンが売れたら億万長者になれるね。ホントに。
……ふぅ。大分落ち着いてきた。
そういやゴブリン倒したけどレベルアップの通知とか来なかったし、いきなり強くなった感じもしないな。
スキルが存在するなら、絶対レベルもあると思ったんだけどなぁ。
今の戦いでナイフ術のスキルとか入手出来てたりしないかな?
まぁほとんど戦ってないけど……
逃げ足とか逆境に強いとかも欲しいところだ。
あるのか知らんが。
さて、戦利品は。
あった! 魔石……あれ? ゴブリンってアイテムドロップしないんじゃなかったっけ?
魔石の他に黒い真珠のようなものも落ちている。
低確率だから書いてなかったのか、価値がないから書いてなかったのかわからないが、俺の初討伐記念としてしまっておこう。
そして、10円玉だ。今回の立役者は間違いなくお前だ。
最後、ゴブリンの気を引いてくれたのはこの10円玉だ。
あの時の金属音は、10円玉が落ちた時に石にぶつかった音だったんだ。
あれがなければ確実に死んでいただろう。
俺が自分の力で立ち向かうことを決めたから、神様が助けてくれたのだろうか?
そうだとしたら神様ってやつは中々のスパルタ教育だね。
はぁ、肉体も精神もクタクタに疲れたな……
まだ早いけど今日はさっさと村に戻って休むとしよう……
俺は鉛のように重くなった脚を引きずって村へと戻った。
―◇◇◇―
カラーン
俺は魔石の換金のために冒険者ギルドへと来ていた。
「ライチさん、こんにちは。ゴブリンを討伐したので、魔石の換金をお願いします」
「おー、初討伐おめでとうなのにゃ~。ゴブリンの魔石なら10……にゃ、にゃ、にゃ~!」
眠そうに半開きだった目が見開かれる。
ライチさんがちゃんと目を開けているのを初めて見たな。
「こ、こ、これはなんにゃ! ゴブリンの魔石がこんなに大きいはずがないにゃ! 」
えー!!!!
ゴブリンじゃないの!?
じゃあ、俺が倒したのはなんだったの!?
どおりで身体能力が高かったはずだよ。
初心者におすすめなんて嘘じゃん、とか思ってたけど、入門書が嘘ついてたわけじゃなかったんだね。
それじゃあなんだったんだろうか?
ゴブリンの上位種か?
ホブゴブリンかゴブリンナイトかそんなところか?
魔法使ってこなかったしゴブリンメイジってことはないだろう。
あの大きさでゴブリンキングってこともないはずだ。
「これって何の魔物の魔石かわかりますかね?」
俺はとりあえずライチさんに尋ねてみる。
「鑑定してみるにゃ。もしゴブリンキングみたいなヤバいやつなら、緊急クエストを出さなきゃならないかもしれないにゃ」
ごくり……!
確かにこんな平和な村の近くにキングが現れたら、ひとたまりもないのかもしれない。
キングがいるということはその下に大量のゴブリンとその上位種がいるということだからな。
ライチさんは水晶玉を取り出す。
冒険者登録をした時に最後に触ったあの水晶玉だ。
「えっ? ライチさん、その水晶の使い方わかったんですか?」
「何言ってるにゃ。知ってるに決まってるのにゃ。これを知らなきゃ受付にはなれないにゃ。バカも休み休み言うのにゃ」
いやいやいや!!
ライチさんあの時なんで触るのか理由忘れたって言ってましたよね!?
怖いわー、異世界怖いわー。
まさか冒険者登録の時に、実は俺のことを怪しんでいて、水晶に鑑定の能力があると知られないようにとぼけてたんじゃ……?
ライチさん、本当は切れ者なのでは……?
能ある猫は爪を隠す……!
てか、俺の"10円玉召喚スキル"のことは知っているのだろうか……?
怖くて聞けない……!!
「にゃ……!? これは……」
「な、なんですか!? ヤバいやつですか!?」
「ゴブリンの変異種にゃ……!」
「へ、変異種……!? ……って何?」
変異種とはなんだろうか?
ゴブリンなのか、ゴブリンじゃないのか。
「動物が魔獣化する時みたいに、魔物も稀に突然変異することがあるのにゃ。変異すると一般的には強くなるみたいにゃけど、強くなる度合いはまちまちだにゃ。すごく強くなるものから、そんなに変わらないものまで様々にゃ。突然変異だからその個体さえ討伐してしまえば、ゴブリンキングみたいな脅威はないにゃ」
すごい……!
目を開いた時のライチさんは、面倒くさがらずにちゃんと答えてくれる。
めちゃくちゃ優秀じゃないか……!!
「それで価格の方はどうなんでしょう……?」
そうだ。重要なのは魔石の価値だ。
あれだけ苦労して同じ価値だったら泣く。
もう眠れない夜に枕を濡らすことになる。
「そうだにゃ~……変異種の魔石の査定は難しいのにゃ。変異種が現れること自体珍しい上に、強化される度合いも幅が広いからにゃ。冒険者ギルドだと一般的な魔石の価値としてしか査定できないから低くなりがちにゃ。これだと通常種の3倍の30円程度にしかならないにゃ。珍しい物好きのコレクターや怪しい魔術師なんかならもっとすごい値段がつくはずにゃ」
さ、30円……
あれだけ苦労して薬草3束分……
流石に売らないで取っておこうかな。
初討伐の記念品だし。
大体こういうのは武器を強化したり、何か合成したりする時に役に立つもんだし。
そうだよ、これは実はすごい物なんだ。
俺は信じてる。将来ものすごいリターンがあるって。
……悲しい。
いや、気持ちを切り替えて、開眼ライチさんの間にレベルのこととかも聞いておこう。
「ちなみに魔物を倒したらレベルアップとか成長とかってできるんですかね?」
「レベル? それはなんにゃ?」
うーん、この世界にレベルの概念はないようだ。
「それじゃあ、自分の持っているスキルを調べる方法はあるんですか?」
「それはこの水晶で鑑定すればわかるにゃ。でも、魔物を1体倒したくらいでスキルを習得できると思ったら大間違いにゃ! ゼロスキルだからって焦らず、日々鍛錬するにゃ」
この感じだと本当に俺がスキルを持ってないと思ってるっぽいな。
流石に神からもらったチートスキルは表示されないらしい。
「ついでに魔物討伐達成したから、Eランクに昇格なのにゃ。これでようやく一人前の冒険者なのにゃ。これからも精進するにゃ」
俺はさらっと冒険者ランクEに昇格した。
―◇◇◇―
…………
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……そういえば、コインを指で弾いて飛ばす、"指弾"とかいう技が存在したよな。
マンガやラノベでもたまに出てくる技だ。
すごいものになると時速数千kmになるものや、爆発するものもあったな。
もし、召喚する時に10円玉の動きに方向性を持たせることが出来たなら……
高速で10円玉を発射しゴブリンにぶつけることが出来たなら……
出来るかどうかわからないが、やるしかない。
やらなきゃどっちにしろ死ぬんだ。
今まで何回も救われてきたこのスキルに最後は賭ける……!!
そうと決まれば狙いがつけやすい場所に出なければ。
今まではなんとか追いつかれないように見通しの悪い場所を選んで走ってきたが、遮蔽物のない開けた場所で対峙したい。
ちょうど獣道のように何も生えていない空間が少し先にある。
「おいゴブリン! こっちだ!」
俺はゴブリンと開けた空間で一直線になるように誘導する。
来た!
外すわけにはいかない。
できる限り引きつけろ。
あと15m。
……まだだ。まだいける。
あと10m。
……怖い! けどまだだ。あともう少し。
あと9m。
もう少しキンジくんと話したかったな。
あと8m。
セイラさん、キンジくんとうまくいくかな。
あと7m。
オリーブさんの銭湯にもっと通いたかった。
あと6m。
女神様、ライチさん、レッドさん、この世界で出会った皆、本当にありがとう。
また会おうぜ!
あと5m。
うぉぉぉぉ!!
いっけぇぇぇぇ!!!
俺はゴブリンの頭を撃ち抜く10円玉をイメージする。
頼んだぞ……!!
「10円玉召喚!」
ぽんっ
…………やっぱりダメだったか。
10円玉はいつものように何の動きもなく、ゴブリンの頭上に現れた。
10円玉はただただ自由落下していく。
そうか。誰かにもらった力に頼りすぎていたのが悪かったんだな。
自分の力で立ち向かうといいながらチートスキルに頼った……頼り切ってしまった時点で負けだったんだ。
10円玉はゴブリンの背後に落ちていく。
今更わかったところで遅いが、最後の最後、このナイフで一矢報いる。
本当に自分の力で立ち向かってやる……!!
「グギャギャッ!」
……みんな、さよなら。
キィーーーン
突然、金属音が鳴り響く。
「グギャ?」
ゴブリンは敏感に反応し、音の方を振り向く。
スキが出来る。
大きな大きなスキが。
無防備な首筋が俺の目の前に。
うぉぉぉぉぉ!!
俺はゴブリンの首筋に夢中でナイフを振り下ろす。
グサッ!
「グギャーーー!!!!」
首筋に突き刺さったナイフが一瞬光り輝いたかと思ったら、ゴブリンの体は霧散してしまった。
……
…………
………………
……うぉぉぉぉらぁぉぁぁ!!!!
どんなもんじゃーーーーい!!!!
これがショボ男の本気じゃーーーー!!!!
一昨日来やがれってんだ!!!!
はぁ、はぁ……
マジで今回ばかりは死んだと思った。
というか半分、いや4分の3くらいは死んでたね。いや、マジで。
今日は興奮しすぎて眠れないよ。アドレナリンが滝のように放出されてるよ。
アドレナリンが売れたら億万長者になれるね。ホントに。
……ふぅ。大分落ち着いてきた。
そういやゴブリン倒したけどレベルアップの通知とか来なかったし、いきなり強くなった感じもしないな。
スキルが存在するなら、絶対レベルもあると思ったんだけどなぁ。
今の戦いでナイフ術のスキルとか入手出来てたりしないかな?
まぁほとんど戦ってないけど……
逃げ足とか逆境に強いとかも欲しいところだ。
あるのか知らんが。
さて、戦利品は。
あった! 魔石……あれ? ゴブリンってアイテムドロップしないんじゃなかったっけ?
魔石の他に黒い真珠のようなものも落ちている。
低確率だから書いてなかったのか、価値がないから書いてなかったのかわからないが、俺の初討伐記念としてしまっておこう。
そして、10円玉だ。今回の立役者は間違いなくお前だ。
最後、ゴブリンの気を引いてくれたのはこの10円玉だ。
あの時の金属音は、10円玉が落ちた時に石にぶつかった音だったんだ。
あれがなければ確実に死んでいただろう。
俺が自分の力で立ち向かうことを決めたから、神様が助けてくれたのだろうか?
そうだとしたら神様ってやつは中々のスパルタ教育だね。
はぁ、肉体も精神もクタクタに疲れたな……
まだ早いけど今日はさっさと村に戻って休むとしよう……
俺は鉛のように重くなった脚を引きずって村へと戻った。
―◇◇◇―
カラーン
俺は魔石の換金のために冒険者ギルドへと来ていた。
「ライチさん、こんにちは。ゴブリンを討伐したので、魔石の換金をお願いします」
「おー、初討伐おめでとうなのにゃ~。ゴブリンの魔石なら10……にゃ、にゃ、にゃ~!」
眠そうに半開きだった目が見開かれる。
ライチさんがちゃんと目を開けているのを初めて見たな。
「こ、こ、これはなんにゃ! ゴブリンの魔石がこんなに大きいはずがないにゃ! 」
えー!!!!
ゴブリンじゃないの!?
じゃあ、俺が倒したのはなんだったの!?
どおりで身体能力が高かったはずだよ。
初心者におすすめなんて嘘じゃん、とか思ってたけど、入門書が嘘ついてたわけじゃなかったんだね。
それじゃあなんだったんだろうか?
ゴブリンの上位種か?
ホブゴブリンかゴブリンナイトかそんなところか?
魔法使ってこなかったしゴブリンメイジってことはないだろう。
あの大きさでゴブリンキングってこともないはずだ。
「これって何の魔物の魔石かわかりますかね?」
俺はとりあえずライチさんに尋ねてみる。
「鑑定してみるにゃ。もしゴブリンキングみたいなヤバいやつなら、緊急クエストを出さなきゃならないかもしれないにゃ」
ごくり……!
確かにこんな平和な村の近くにキングが現れたら、ひとたまりもないのかもしれない。
キングがいるということはその下に大量のゴブリンとその上位種がいるということだからな。
ライチさんは水晶玉を取り出す。
冒険者登録をした時に最後に触ったあの水晶玉だ。
「えっ? ライチさん、その水晶の使い方わかったんですか?」
「何言ってるにゃ。知ってるに決まってるのにゃ。これを知らなきゃ受付にはなれないにゃ。バカも休み休み言うのにゃ」
いやいやいや!!
ライチさんあの時なんで触るのか理由忘れたって言ってましたよね!?
怖いわー、異世界怖いわー。
まさか冒険者登録の時に、実は俺のことを怪しんでいて、水晶に鑑定の能力があると知られないようにとぼけてたんじゃ……?
ライチさん、本当は切れ者なのでは……?
能ある猫は爪を隠す……!
てか、俺の"10円玉召喚スキル"のことは知っているのだろうか……?
怖くて聞けない……!!
「にゃ……!? これは……」
「な、なんですか!? ヤバいやつですか!?」
「ゴブリンの変異種にゃ……!」
「へ、変異種……!? ……って何?」
変異種とはなんだろうか?
ゴブリンなのか、ゴブリンじゃないのか。
「動物が魔獣化する時みたいに、魔物も稀に突然変異することがあるのにゃ。変異すると一般的には強くなるみたいにゃけど、強くなる度合いはまちまちだにゃ。すごく強くなるものから、そんなに変わらないものまで様々にゃ。突然変異だからその個体さえ討伐してしまえば、ゴブリンキングみたいな脅威はないにゃ」
すごい……!
目を開いた時のライチさんは、面倒くさがらずにちゃんと答えてくれる。
めちゃくちゃ優秀じゃないか……!!
「それで価格の方はどうなんでしょう……?」
そうだ。重要なのは魔石の価値だ。
あれだけ苦労して同じ価値だったら泣く。
もう眠れない夜に枕を濡らすことになる。
「そうだにゃ~……変異種の魔石の査定は難しいのにゃ。変異種が現れること自体珍しい上に、強化される度合いも幅が広いからにゃ。冒険者ギルドだと一般的な魔石の価値としてしか査定できないから低くなりがちにゃ。これだと通常種の3倍の30円程度にしかならないにゃ。珍しい物好きのコレクターや怪しい魔術師なんかならもっとすごい値段がつくはずにゃ」
さ、30円……
あれだけ苦労して薬草3束分……
流石に売らないで取っておこうかな。
初討伐の記念品だし。
大体こういうのは武器を強化したり、何か合成したりする時に役に立つもんだし。
そうだよ、これは実はすごい物なんだ。
俺は信じてる。将来ものすごいリターンがあるって。
……悲しい。
いや、気持ちを切り替えて、開眼ライチさんの間にレベルのこととかも聞いておこう。
「ちなみに魔物を倒したらレベルアップとか成長とかってできるんですかね?」
「レベル? それはなんにゃ?」
うーん、この世界にレベルの概念はないようだ。
「それじゃあ、自分の持っているスキルを調べる方法はあるんですか?」
「それはこの水晶で鑑定すればわかるにゃ。でも、魔物を1体倒したくらいでスキルを習得できると思ったら大間違いにゃ! ゼロスキルだからって焦らず、日々鍛錬するにゃ」
この感じだと本当に俺がスキルを持ってないと思ってるっぽいな。
流石に神からもらったチートスキルは表示されないらしい。
「ついでに魔物討伐達成したから、Eランクに昇格なのにゃ。これでようやく一人前の冒険者なのにゃ。これからも精進するにゃ」
俺はさらっと冒険者ランクEに昇格した。
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