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第一章
一.五話 昏睡
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私がユウ君と出会ったのは保全区画の高校だった。
ユウ君は常に一人でいるような雰囲気を纏っていた。人とはなるべく関わりたくない、誰とも親密にはならない、態度がそう言っていた。
けれども彼はいつも必ず人を気遣う。誰も気が付かないようなことだったとしても、彼だからこそ気づけたこともあったと思う。
私はそんな彼に惹かれた。だからユウ君に近づいた。
でもユウ君は私のことを覚えていなかった。きっと興味がなかったのだろう。だとしても、私は近づきたくなった。もっとユウ君のことが知りたくなった。もはや恋だったと思う。
いつも教室では一人で席に座ったままで、時々眠る。まるで年を取った犬だった。誰がどんな状況になっても動じることのない、高校生にして貫録を持った子だと、想っていた。
実際、その考えは当たっていないことはないと思う。
覚えてもいない私のことを身を挺して守ってくれたのだから。
「だからってZにならなくてもいいのに…………」
ユウ君はどこまでも不思議で、こちらの想像を広げる。だからこそ惹かれるのかもしれない。
「佳野ミチルさん。部屋が用意できました」
国連本部直轄研究施設 「Z」と呼ばれる人型の怪物、いや人間そのものである「Z」の正体を突き止めるための組織。もう五年も前、世界を絶望へと陥れた最悪の存在。
Zになったものは自我を失い、首筋から艶のある黒い触手で人だけを殺す。原因は不明。知能を持っているような行動を見せ、人類の六割があの世へと送られる原因となった。触手は必要に応じて首から生えてくるらしい。その時の唯一の判別方法が目の色だった。眼球全体が赤く染まっているのがZの特徴らしい。
まあ、現実にZのパニックが起きた時には目を気にしている暇なんてものはない。きっとここに逃げてきている誰もが理解しているだろう。
誰もが誰かを失っているのだから。
Zの触手に体を貫かれ出血死した者。同じく触手によって傷を負い、そのままZとなってしまった者。人として生きていた者は全員が恐怖を抱いただろう。まるでゾンビパニックのような状況。いつ襲われて殺されるかもわからない。常に和らぐことのない恐怖。
世界全てが恐ろしかった。
私は、目の前で両親をZにされた。
「ミチルさん?」
「あっ!ありがとうございます」
部屋が用意されたらしい。
「怖かったでしょうけど、ヨーロッパ特別区では何も起きませんから、安心してくださいね」
すぐ横にいる国連事務の人はそう言ってくれた。けれども間違っている。
日本自治区で経験したことはものすごいトラウマにもなったし、自然と目を逸らしていた過去を否応なく思い出させられた。それがこのヨーロッパ特別区で起こることはない、ということが違う。もちろん、私を安心させるための気遣いだとは理解できる。でも、この人の言葉は妙に耳に残った。
「はい。ありがとうございます」
係員の説明によるとこの施設の地下三階、つまりはこの階にあるらしい。普段は一般開放とかいうことをしていないが、今は非常事態ということで特例開放しているそうだ。
特例開放なんて言葉が実在するのかは怪しい。解放の方だったらどこかの特撮でありそう。
今いるロビーには他にも人は沢山いる。今回の騒動で誰かを失った人たちが何らかの方法で感情を処理しようとしている。おかしなことに、私はそんな感傷に支配されなかった。大切だった人たちはみんなもう死んでいて、唯一の大切なユウ君は生きている。もっとも、ユウ君がZになってからはまともに話もしていない。
「すみません。お願いがあるのですが……」
図々しい頼み事だとは思った。初めに「すみません」と断っておきながら微塵も申し訳なさそうに思っていなさそうな態度で口にしてしまったことを申し訳なく思う。でも、しょうがない。この頼み事は簡単に断られる訳にはいかない。
と、心の中で決めていたのだが……「確認してまいります」と返されて三分後、あっさりと許可が出た。
「え?」と思わず口にしてしまったことは言うまでもない。
「月影ユウの隔離室です。すみません、入室権限は定期的に経過観察にくる研究員の上しか持っていなくて……」
「そんなことないです!ありがたいです」
ガラスを隔てた向こうには、ユウ君が眠っている。
ユウ君が倒れた時、ひとまず私はあのビルの一角にあった小部屋に立て籠もった。ユウ君を連れて逃げることが出来るのならそうしたかったけれど、私の力じゃユウ君を持ち上げることもできるかどうか怪しい。そんなわけで触手が飛び出たままのユウ君を引きずって偶然見つけた小部屋に逃げ込んだ。一応、部屋の入り口にはバリケードっぽくロッカーを立てた。
しばらくして、国連軍が助けに来てくれたので、状況を馬鹿正直に説明してしまった結果、ユウ君は隔離され、私は国連の研究施設で詳しい話を聞かれることとなった。ユウ君について不審な点はなかったかどうか遠回しにしつこく聞かれたものの、知っていることが少なかったことに気づかされただけで質問は終わった。
その上、質問が終わっても結局ユウ君には合わせてもらえなかった。まあその時に「ユウ君に会わせてください」の言葉も言わなかった私に原因があるような気も…………
で、結果として今、私は簡単にここに連れ来てもらえた。頼んでみるものだ。物事なんて案外簡単に動くのかもしれない。
ユウ君は特に何もなかったかのように眠っている。変な機械とかもつけられていない。よかった。
ただ、よかったと決めつけてしまうのにはまだ早いような、そんな気がした。
今の平和そうな寝顔からはZを殺したときみたいな鬼気迫る雰囲気は感じられない。だとしても私を守ったのは彼だ。「怖いから移動したくない」みたいなこと言いながら、襲われたときにはちゃんと助けに来てくれた。
ユウ君が無事でよかった。
思わず体から力が抜ける。その場で床に座り込んでしまった。
「大丈夫です」
なにか言おうとした事務さんの言葉よりも先に。
私でも、何が大丈夫なのか全く分からなかった。それでも人に何かを聞かれたくない。この瞬間に感じた安堵を噛み締めていたい。この感情は、私一人のものなのだから。
たとえユウ君が目覚めなかったとしても、誰か研究者がユウ君のことを解剖しようとしても、私はユウ君を守る。絶対にそばにいる。
「ユウ君の傍に、いてあげてね」
私の心を読んだかのように、事務さんがそう言ってくれた。
その言葉は、私をそっと噛み締めた。
「で?ユウ君はまだ目が覚めない眠り王子様だと」
「ええ、今のところ心音は安定しています。今のところ暴走の兆候はありません」
内心でこの男を罵倒する。月影ユウという存在が覚醒したのはめでたいことではある。けれども、まるでそれを人類の希望であるかのように扱うのは間違えている。他人の心情に怒りを覚えようが意味などないというのに、この苛立ちはしばらく収まりそうにない。
月影ユウの覚醒は今の人類にとってはマイナスなものでしかないというのに。
「ありがとう。あとは僕が見るから、しばらく休んできてね」
自分でも反吐が出そうになるのをこらえて、害のない表情を作る。人付き合いをする上での最適解、それをただ実践するだけで信頼などという社会で一番大きな利益を得ることが出来る。
歪んでいる。人は心を見つめるべきだと主張するが、その正体を理解していない。世界はあまりにも大きく、複雑に絡み過ぎている。
白く染まり切った廊下を通り抜け、モニタールームへと入る。一人分のスペースしかないが、今の自分にはそれで十分すぎる。他に部屋に入れたい人間なんていない。
白く、無機質な施設。人間社会は造られたものであふれている。
この世界には美しさなんてない。輝きも、何もかも。すべては人という想像が生み出した幻想にすぎない。
でもZは違う。全てのZは世界をありのままに戻すための手段だ。人類にとっての希望にはなり得ない。月影ユウも、雪奈カノも含めて、あれは自然世界の希望だ。
月影ユウはまもなく目覚める。人類にとっての絶望はまだまだ始まったばかり。Zを用いたプロジェクトはやっと始まる。長いプロローグを終えて。
まずはこの保全区画から始める。一斉にすべてを終わらせるわけにはいかない。
既に人類への救いはなく、世界には希望が蔓延っている。それをあとは広げるだけだ。
この理想の世界にとっての、天国を創り出すために。
ユウ君は常に一人でいるような雰囲気を纏っていた。人とはなるべく関わりたくない、誰とも親密にはならない、態度がそう言っていた。
けれども彼はいつも必ず人を気遣う。誰も気が付かないようなことだったとしても、彼だからこそ気づけたこともあったと思う。
私はそんな彼に惹かれた。だからユウ君に近づいた。
でもユウ君は私のことを覚えていなかった。きっと興味がなかったのだろう。だとしても、私は近づきたくなった。もっとユウ君のことが知りたくなった。もはや恋だったと思う。
いつも教室では一人で席に座ったままで、時々眠る。まるで年を取った犬だった。誰がどんな状況になっても動じることのない、高校生にして貫録を持った子だと、想っていた。
実際、その考えは当たっていないことはないと思う。
覚えてもいない私のことを身を挺して守ってくれたのだから。
「だからってZにならなくてもいいのに…………」
ユウ君はどこまでも不思議で、こちらの想像を広げる。だからこそ惹かれるのかもしれない。
「佳野ミチルさん。部屋が用意できました」
国連本部直轄研究施設 「Z」と呼ばれる人型の怪物、いや人間そのものである「Z」の正体を突き止めるための組織。もう五年も前、世界を絶望へと陥れた最悪の存在。
Zになったものは自我を失い、首筋から艶のある黒い触手で人だけを殺す。原因は不明。知能を持っているような行動を見せ、人類の六割があの世へと送られる原因となった。触手は必要に応じて首から生えてくるらしい。その時の唯一の判別方法が目の色だった。眼球全体が赤く染まっているのがZの特徴らしい。
まあ、現実にZのパニックが起きた時には目を気にしている暇なんてものはない。きっとここに逃げてきている誰もが理解しているだろう。
誰もが誰かを失っているのだから。
Zの触手に体を貫かれ出血死した者。同じく触手によって傷を負い、そのままZとなってしまった者。人として生きていた者は全員が恐怖を抱いただろう。まるでゾンビパニックのような状況。いつ襲われて殺されるかもわからない。常に和らぐことのない恐怖。
世界全てが恐ろしかった。
私は、目の前で両親をZにされた。
「ミチルさん?」
「あっ!ありがとうございます」
部屋が用意されたらしい。
「怖かったでしょうけど、ヨーロッパ特別区では何も起きませんから、安心してくださいね」
すぐ横にいる国連事務の人はそう言ってくれた。けれども間違っている。
日本自治区で経験したことはものすごいトラウマにもなったし、自然と目を逸らしていた過去を否応なく思い出させられた。それがこのヨーロッパ特別区で起こることはない、ということが違う。もちろん、私を安心させるための気遣いだとは理解できる。でも、この人の言葉は妙に耳に残った。
「はい。ありがとうございます」
係員の説明によるとこの施設の地下三階、つまりはこの階にあるらしい。普段は一般開放とかいうことをしていないが、今は非常事態ということで特例開放しているそうだ。
特例開放なんて言葉が実在するのかは怪しい。解放の方だったらどこかの特撮でありそう。
今いるロビーには他にも人は沢山いる。今回の騒動で誰かを失った人たちが何らかの方法で感情を処理しようとしている。おかしなことに、私はそんな感傷に支配されなかった。大切だった人たちはみんなもう死んでいて、唯一の大切なユウ君は生きている。もっとも、ユウ君がZになってからはまともに話もしていない。
「すみません。お願いがあるのですが……」
図々しい頼み事だとは思った。初めに「すみません」と断っておきながら微塵も申し訳なさそうに思っていなさそうな態度で口にしてしまったことを申し訳なく思う。でも、しょうがない。この頼み事は簡単に断られる訳にはいかない。
と、心の中で決めていたのだが……「確認してまいります」と返されて三分後、あっさりと許可が出た。
「え?」と思わず口にしてしまったことは言うまでもない。
「月影ユウの隔離室です。すみません、入室権限は定期的に経過観察にくる研究員の上しか持っていなくて……」
「そんなことないです!ありがたいです」
ガラスを隔てた向こうには、ユウ君が眠っている。
ユウ君が倒れた時、ひとまず私はあのビルの一角にあった小部屋に立て籠もった。ユウ君を連れて逃げることが出来るのならそうしたかったけれど、私の力じゃユウ君を持ち上げることもできるかどうか怪しい。そんなわけで触手が飛び出たままのユウ君を引きずって偶然見つけた小部屋に逃げ込んだ。一応、部屋の入り口にはバリケードっぽくロッカーを立てた。
しばらくして、国連軍が助けに来てくれたので、状況を馬鹿正直に説明してしまった結果、ユウ君は隔離され、私は国連の研究施設で詳しい話を聞かれることとなった。ユウ君について不審な点はなかったかどうか遠回しにしつこく聞かれたものの、知っていることが少なかったことに気づかされただけで質問は終わった。
その上、質問が終わっても結局ユウ君には合わせてもらえなかった。まあその時に「ユウ君に会わせてください」の言葉も言わなかった私に原因があるような気も…………
で、結果として今、私は簡単にここに連れ来てもらえた。頼んでみるものだ。物事なんて案外簡単に動くのかもしれない。
ユウ君は特に何もなかったかのように眠っている。変な機械とかもつけられていない。よかった。
ただ、よかったと決めつけてしまうのにはまだ早いような、そんな気がした。
今の平和そうな寝顔からはZを殺したときみたいな鬼気迫る雰囲気は感じられない。だとしても私を守ったのは彼だ。「怖いから移動したくない」みたいなこと言いながら、襲われたときにはちゃんと助けに来てくれた。
ユウ君が無事でよかった。
思わず体から力が抜ける。その場で床に座り込んでしまった。
「大丈夫です」
なにか言おうとした事務さんの言葉よりも先に。
私でも、何が大丈夫なのか全く分からなかった。それでも人に何かを聞かれたくない。この瞬間に感じた安堵を噛み締めていたい。この感情は、私一人のものなのだから。
たとえユウ君が目覚めなかったとしても、誰か研究者がユウ君のことを解剖しようとしても、私はユウ君を守る。絶対にそばにいる。
「ユウ君の傍に、いてあげてね」
私の心を読んだかのように、事務さんがそう言ってくれた。
その言葉は、私をそっと噛み締めた。
「で?ユウ君はまだ目が覚めない眠り王子様だと」
「ええ、今のところ心音は安定しています。今のところ暴走の兆候はありません」
内心でこの男を罵倒する。月影ユウという存在が覚醒したのはめでたいことではある。けれども、まるでそれを人類の希望であるかのように扱うのは間違えている。他人の心情に怒りを覚えようが意味などないというのに、この苛立ちはしばらく収まりそうにない。
月影ユウの覚醒は今の人類にとってはマイナスなものでしかないというのに。
「ありがとう。あとは僕が見るから、しばらく休んできてね」
自分でも反吐が出そうになるのをこらえて、害のない表情を作る。人付き合いをする上での最適解、それをただ実践するだけで信頼などという社会で一番大きな利益を得ることが出来る。
歪んでいる。人は心を見つめるべきだと主張するが、その正体を理解していない。世界はあまりにも大きく、複雑に絡み過ぎている。
白く染まり切った廊下を通り抜け、モニタールームへと入る。一人分のスペースしかないが、今の自分にはそれで十分すぎる。他に部屋に入れたい人間なんていない。
白く、無機質な施設。人間社会は造られたものであふれている。
この世界には美しさなんてない。輝きも、何もかも。すべては人という想像が生み出した幻想にすぎない。
でもZは違う。全てのZは世界をありのままに戻すための手段だ。人類にとっての希望にはなり得ない。月影ユウも、雪奈カノも含めて、あれは自然世界の希望だ。
月影ユウはまもなく目覚める。人類にとっての絶望はまだまだ始まったばかり。Zを用いたプロジェクトはやっと始まる。長いプロローグを終えて。
まずはこの保全区画から始める。一斉にすべてを終わらせるわけにはいかない。
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