Z ~heaven of ideal world~

Cheeze Charlotte

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第一章

一話

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 午前七時三十分。学校の朝礼までは一時間近くある。教室の窓からは幾多のビル建設作業を眺めることができる。教室から望む景色は程よくのどかで心地いいが、これも少し時間が経てばかつての東京のようなビル街になるのだろうか。
 この時間ではまだ誰も教室にいない。僕にとって、この時間はとても重い。
 この景色を、この生活を、この平穏を望んでいた人は、もうここにはいないからだ。少なくとも僕の横でそれを望んでいた人は、今、僕の横にはいない。
 それはもちろん、カノのことだ。
 今、ここで幸せな生活を謳歌しているのはカノであるべきだった。
 三年近くが経ってもそう思うことをやめられない。僕はそうすることで自分を戒めている。
 けれども、僕はそうやって自分から逃げているだけかもしれない。

 「早いんだね」

 この時間に登校してくる生徒がいたとは知らなかった。少なくとも僕が知っている限りではいないはず。
 声の主に目を向けても名前が思い出せない。それどころか顔が見えない。ちょうど太陽の方向と重なってぼやける。声から考えようとしても何故か目を開いていられない。現実とは思えない。となれば、これは夢だろう。
 でもなぜだろう、力強く引っ張っていってくれるような安心感がある。

 「夢じゃないよ」

 僕の思考を読んだかのような言葉。このタイミングで普通は眠気に襲われることはない。何かがおかしい。そうは分かっても確認できそうにない。体が動かない。
 「朝から元気そうだね。それじゃ、またあとでね」

  何を言いたかったのか全く分からない  

 その瞬間を最後に、僕の意識は深層に引き込まれた。



 「朝から寝るな」
 その言葉と共に頭あたりに何かが当たった感触がする。
 朝、あの時間から朝礼までずっと眠っていたみたいだ。周囲を見てもあの少女はいない。いつものように雑談を楽しんでいたり僕の方をみて笑っているようなクラスメイトがいる。
 「気を付けます」
 朝、夢に近い出来事ではあったけれども話の内容は鮮明に思い出せる。
 『またあとでね』と言っていた。あの会話の相手が本当に僕だったのかどうかは曖昧なところではある。でももしそうだとしたら、彼女は必ず僕に会いに来ようとしてくるはずだ。
 僕に訪ねてくるような人を考えてはみたが、誰だか全く見当がつかなかった。
 それもそうだろう。教室でも基本、僕は一人だ。



 その日、恐怖がロシア北東部保全地区の人々を支配した。
 僕は、人ではなくなった。



 警報が街中に鳴り響く。
 走る。命を懸けて、息が切れたとしても絶対に止まれない。
 幸い、まだ僕のことを補足している個体はいない。このまま他の国家自治領に逃げ込めればまだ死ななくて済む。
 けれどもそこまでは残り数十キロは移動しなければいけない。この広大な日本自治区を横断することはもはや不可能だ。下手に動けば見つかる。殺される。
 だから、ここは助けが来るのを待つしか方法がない。
 とりあえず近くの大型ショッピングモールに入る。この国家自治区では広さの制限がある。だからどこへ逃げても人はいる。と、いうことは「Z」と呼ばれる生物兵器もどこにでも湧く。
 日本自治区内のどこに逃げてもほかの国家自治区にでも奇跡が起きて逃げ込めなければ安全にはならない。
 一応、大型のショッピングモールであれば食事と住処は手に入る。
 けれどもやっぱり無理みたいだ。
 施設内には多くの血痕が飛び散っていて、人も無造作に倒れていた。おそらく、僕より先に同じことを考えてやってきた人々が死んだのだろう。あの生物兵器となった人間に殺された。
 けれどもあの生物兵器が増殖するには時間がかかるはずだ。それに保全区画の最外区は国連の軍事区のはずだ。状況から考えて「Z」は外から侵入したと考えるのが妥当ではあるけれど、それにしては前触れがなさ過ぎた。その場合は保護区内の人類を中心部分に撤退させるだろう。
 何かがおかしい。
 けれども今はそんなことを考えているような時間ではなかった。
 この周辺には「Z」がいる。けれどももうどこにも動けない。体が震えてうまく動けない。ただただ怖い。ここで死んだら自分は何のために生きてきたのか、その答えを見つけられない。


 その瞬間、僕は派手に倒れた。


 急いで立ち上がって逃げる。

 そうしなければ死ぬ。殺される。でもまだ死にたくない。

 でも足が動かない。恐怖で震えて力が入らない。

 カノはこんな時でも強く前を向き続けるのだろう。でも僕はそれができない。

 後ろには首から触手を生やしている“ソレ”がいた。人の見た目をしていながら人ではない怪物。僕のすぐ横にはレジが落ちていた。先ほど倒れた理由はそれだ。その目は真っ赤に染まっている。黒く、汚れたような触手は僕に向かって伸びてくる。

  まだ死にたくない  

僕は目を閉じた。僕は死にたくない。だから死を受け入れない。



「ユウ君避けて!」



 その言葉と同時に僕の体に何かが覆いかぶさった。
 恐る恐る目を開く。
 目を開けられるということはまだ死んでいないということだ。僕はまだ生きている。しかしどうして?
 その疑問は目を開けると同時に解けた。
 僕に覆いかぶさっていたのは声の主ではない。人型の怪物だった。
 その奥に立っているのが声の主、カーテンレールを持った女子高校生にしてクラスメイトの女子だ。
 「無事かい?」
 少しニヤリとしながら決め台詞のように話しかけてきた。けれども僕は目の前の彼女の名前を知らない。ヒントもなしに思いつく、というのは無理だ。
 けれども今はそんなことを言っている場合ではない。
 「逃げるよ!」
 僕は彼女の手を取る。
 この時、僕の手を引いて東京の街を走っていたカノの気持ちも今の僕と同じようなものだったのかもしれないと思った。
 彼女は何か喋っていたけれども、ここでは話をする暇もない。目の前の一体を一時的に止めたところで油断していたら他の多数の個体に襲われて終わりだ。
 最善の行動はこいつらから離れることだ。「Z」と呼ばれるこの生物兵器から。
 「ちょっと待って!」
 その言葉と同時に手を振りほどかれた。
 「なにをするつもり!!」
 何故か本気で怒っている。そんな暇はない。今はとにかく逃げないと。
 「話は後だ。黙ってついてこい」
 少し横暴に聞こえる言葉ではあるけれども彼女が抱える懸念と向き合っていたら取り返しのつかないことになる。最悪、彼女をおいていくという選択肢もないわけではない。でもそれは、さすがにできない。関わりのある人を見殺しにするわけにはいかない。
 そう言って無理やり彼女を引っ張る。
 ものすごく不快だ。最低の気分だ。
 案の定、突き刺さるような視線が僕に向けられている。
 こんな状況なのに心配するところは違うような気がする。
 「とりあえずビルに入るよ」
 そう言って僕を強引に引っ張ったのは彼女だ。
 この言葉に関しては反対する理由もないので素直に従う。

 入り込んだのはオフィスビルのようだった。周囲には超高層ビルが立ち並んでいるが、その一つと言ったところだろうか。実際にそうだろう。
 僕は彼女を従業員専用の場所に押し込む。おそらく更衣室に当たる部屋だろう。確認する暇がなかったため定かではない。
 「で!説明して!」
 ずいぶんとご立腹の様子だ。今、意識するべきは僕のことよりも周囲にある身の危険ではないだろうか。
 「あの怪物は首から触手を出して攻撃してくるから逃げなきゃだめだよ」
 「そんなことは聞いてない!!」
 とうとう怒鳴り始めた。
 「怒鳴って疲れないの?」
 というか怒鳴られると怪物に気づかれるじゃないか。あほ!
 「てか怒鳴ったらダメじゃん…………」
 今更ながらに気が付いたようだ。一応、周囲には誰もいないことは確認してある。
 「あの時は助けてくれてありがと。助かったよ」
 そういうと彼女は一瞬で表情を変えた。もしかしてただ感謝していなかったから、という理由で機嫌を損ねていたのだろうか。
 「当たり前でしょ。助けるために動いたんだからさ」
 この言葉を僕が言ったらただの不快な同級生となるはずだ。けれども彼女の言葉には僕にない温かさを感じさせた。こうゆう雰囲気の人はなかなかいない。
 「それでさ、ユウ君はなんでこっちに逃げてきたの?」
 彼女の機嫌はすっかり良くなったみたいだ。とりえず説明が欲しかっただけのように思える。「Z」が理由は何であれ現れたことを正しく認識しているのだろう。ここまで生きてやってきた日本人だから当然のことではあるけど。
 「国家境界線が近いからだ。とりあえず日本自治区から逃げればひとまずは安心していいと思う」
 逆に言えばそこまでたどり着けるかが分岐点だ。
 「それじゃあ行くよ」
 彼女はそう言って僕に手を伸ばす。だけどその手は取れない。
「行かない」
怪訝な顔をしているのが分かる。
「今、ここから出て行っても日本自治区から逃げるには最低でも十キロ近くはある。それならここで隠れながら国連軍の救助を待つ方が確実」
さきほど言ったことと矛盾しているように聞こえるだろう。でも実際は矛盾していない。ただ、事実と恐怖は分けられないということだ。いつかの時みたく命を顧みずに動くことはもうできない。
「でもさ…………」
「行くなら置いて行って。そもそも僕は君の名前すら知らない。こんなやつと一緒にいない方がいい」
俯いた。彼女を見ることが出来ない。
「佳野ミチル。覚えて」
「……気を付けて。ミチル」
心から声を絞り出す。
「それじゃあ、またね」
彼女はそう言って背を向けた。まるで学校帰りかのように軽やかに進んでいく。「またね」という言葉が嬉しいようで、哀しいようで、僕は言葉を返すことが出来なかった。
ミチルの足音は少しずつ小さくなっていく。
彼女は僕を責めなかった。機嫌が悪かったけれども否定はしていなかった。彼女は僕のことも決して見捨てようとはしなかった。でも、僕自身が諦めたから、先に進み続けようとしていたミチルは僕から離れた。それだけ。
「……………………っっ」
歯を食いしばる。

ここにカノがいたら怒られるだろう。「もっと大切にしなさい」って。僕自身も、ミチルのことも、僕が生きているこの世界も。

やっぱりここにとどまってはいられない。
走ればまだミチルには追いつけるはず。ミチルの速さがそこまでではなければきっと追いつける。この状況で一人になるのは絶望的でも、二人なら何とかなるかもしれない。

  ほら、行くよ  

この判断をカノはなんていうだろう。きっと、否定的なことは言わない。「ユウ君らしいね」とか「そうそう、そのいきだよ」とか、そう言っている気がする。
これは全て僕の想像なのに、カノの声で頭に響く。
階段までが長い。ミチルはもう降り始めただろうか。

「うりゃあああああぁぁぁっ」

叫び声がした。ミチルの声だと分かる。僕を助けた時と同じ声だ。一つ違う点は、彼女の叫び声が不自然に途切れたことだ。
机の上にあるファイルを適当に手に取る。声からしてミチルはまだ同じ階層にいるはず。
その時、前に人がいた。正しく言えば「Z」がいた
その手前に倒れているのはミチル。彼女が持っていたカーテンレールはこの瞬間には見つからない。そして怪物は首から触手を出していた。

「立って!!」

ミチルはこちらを見て目を見開きながら立ち上がった。
その手を握ってそのまま階段へと飛び込みたくある。けれどもその入り口に怪物がいるというのが問題だ。とりあえずこの階を逃げ回りながらここから怪物を引き離すしかない。
その刹那、黒い触手が肺のあたりを直撃する。

「ユウ君!!」

ミチルが悲壮な叫び声をあげる。

その瞬間、世界が歪んだ。

直後、体に強い衝撃が加わる。骨が軋んだ感じがする。けれども触手で攻撃されていないことは幸運。そうだったら体を貫通されて終わりだった。不幸は痛みでまともに動けそうにないということだ。カーテンレールがひどく折れ曲がっている。その近くではミチルが腰を抜かしている。
このままだとミチルが殺される。

「無事?」

触手がもしかしたらミチルに掠っているかもしれない、と思ったけれども大丈夫なようだった。言葉こそ口に出来てはいないが、何かを言おうとして口は開いている。それに一応、頷いてくれている。
こうしている間にも「Z」は距離を縮めてくる。ここには一体しかいないけれども、一体いればまるでどこぞの昆虫のようにたくさんいるのが特徴なのだから油断はできない。
どう考えても最悪の状況だ。まあ、オフィス街の一つに逃げ込んでいるのだから人もこいつもいて当然なのだけど。

触手が動く。

その先端は横に倒れるミチルに向けられている。

  二人でいるにも助けられなきゃ意味がないよ  

そうは思っても見殺しに出来ない。今まで僕を守ってくれた人がしてくれたことを彼女にするだけ。そう、それだけ。

「逃げろ」

そう言って僕はミチルを全力で突き飛ばした。

その瞬間、自分の体が何らかの強い力で吹き飛ばされるのを感じた。全身の骨がバラバラになりそうなほどの痛みに耐える。

地面を跳ねる自分を、僕はどこか嘲笑っていた。

けれども意識は消えてくれない。普通であれば気絶していそうな衝撃でも自分は気絶できなかった。殺されるまで痛みは和らぐことはない。

「……あぁ」

声を張り上げているつもりでも囁き声のようにか弱くなってしまう。呂律がうまく回っていないみたいだ。

「Z」は少しずつではあっても確実にミチルに近づいている。触手がミチルを捉えるのも数秒の問題だ。それに今のミチルには武器となるものがない。それに何故か動かない。恐怖で震えているのだろうか。

触手が揺らめく。

「っっぁぁあああああああああああああああ!!」

ミチルは殺させない。

助けてくれた人を、見殺しにはしない。絶対に生かさせてみせる。





ユウ君の体がボールのように弾んで飛んでいく。

私を助けた結果、彼は弾んだ。けれどもそれはあり得ない。あり得てほしくない。

けれども「Z」はそんな余計な思考を許してはくれない。

そいつは確実に私を仕留めようと近づいてくる。

もう、手元に武器はない。守ってくれる人も、守りたい人もいない。

  ごめん  



触手が私の命を奪う    はずだった。



その時、なにが起きたかよくわからなかった。

触手が私に触れようとした時、「Z」が吹き飛んだ。その代わりに立っていたのは間違いなく月影ユウだった。

「……ユウ君?」

彼はこちらを見向きもしない。けれど、私に答えるように首から触手を生やした。ユウの目は、真っ赤ではないけれども黒目ではなくなっている。

なにが起きているのかわからない。

その瞬間、ユウの触手が相手の心臓を貫く。

触手はそのまま体を横に切る。そのまま人だった怪物は二等分にされた体から血を噴き出した。

「っっ」

口を押さえる。目も逸らす。恐怖で震えが止まらない。今度は私の番だ。

  私がもっと早く駆けつけていれば、もしかしたら  

「ごめんね」

視界がにじむ。泣いているからだ。ユウ君に対しての恐怖と、私自身への不甲斐なさで。

けれども彼は私の方を見向きもしない。

そして。

彼は倒れた。


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