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sideノア

10.

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ルーカスは何度も俺のナカで達し、それでもまだ足りないとばかりに律動を繰り返す。

「……っ嫌がってる割には、孔はトロトロだな……っ」

言葉でも俺を攻めたてる。

「こんなイヤらしい身体で、これからどうするつもりだっだんだ?
もう女とじゃ無理だろ?それとも誰か適当に見繕って突っ込んで貰うのか?」

嘲笑うかのように、俺を辱める。

「ま、抱いてくれるヤツが居たとして、俺以外のヤツで満足できんの?」

ぐいぐいっと腰を密着させて、もう何回目か分からない精を最奥に放つ。

「ぁぁぁ…………」


はくはくと息継ぐ俺を嘲笑うように見つめ、自身の昂りを俺に埋めたままグイッと身体を引き寄せてきた。
指一本すらも動かす事が出来ないくらい疲弊していた俺は、ルーカスの成すがまま。

あいつの太腿の上に座る型となり、更に深く肉棒が押し入ってきて俺は力なく首を振った。
ルーカスの肩に頭を預けた形だったから、アイツも俺の行動は分かったはず。

それでも容赦するつもりはないらしく、激しく突上げてくる。

何でだろう……。

何でルーカスはこんなに怒っているんだろう?

番に出会えて、幸せだったろうに………。

眦に涙が浮かぶ。その涙が、過ぎる快楽のせいか、理不尽に責められるせいか、散ってしまった恋心を悲しむせいか………分からない。
頬を伝い流れた涙が、そのままルーカスの背中に滴り落ち背筋を辿る。

ビクリとその背中が揺れた。

「っっ!……ノアっ!ノア、ノア………っ!!」

苦しげに俺の名を呼び、強く掻き抱く。
まるで縋り付くようだなって、ぼんやりと思った。

「頼む……俺から離れていかないで。お願いだ………」

懇願するような悲痛な声。

何でだよ……。番、見つかったんだろ?

じゃあ、もうセフレは解消じゃないか………。

朦朧としながら、そう思う。グラグラ揺れる頭では、それ以上考える事は難しく。
底無し沼に沈み込むように、俺の意識は深く深く沈み込んでしまった。

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感想 11

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