19 / 31
番外編
不穏なティータイム
しおりを挟む
星に願う。がちょっと固めなお話だったので、SSアップしてみました。
今まで近況ボードにあげていたんですが、気付かれにくいかな、と。
☆★☆★☆★☆★
ダンカン公爵邸の庭の一角にて。
木々に囲まれたこのスペースは、夏としては割と涼しく過ごしやすくなっている。
僅かな涼を楽しみながら、アイスティーを傾けつつソルネスに声をかけた。
「何か不思議。ソルとまた会えるって思わなかった」
「そう?僕は会えると信じてたけど?」
可愛らしい容貌で小首を傾げる様は、庇護欲が唆られる。………が、ソルネスの性格がそんなに可愛いモノじゃない事を知ってる俺としては、苦笑いしか出ない。
「マイナさんをどう言い包めたの?」
「特には?」
不思議そうな顔のソルネスは、ちゅっとストローでアイスティーを飲みながらしれっと宣った。
「ただちょっと賄賂を渡しただけ」
「わいろ………」
「可愛ーいレイちゃんの昔の映像キューブ」
「お前ね………」
ああああ、もう。自分で言うのは恥ずかしいけど、俺の事をで………溺愛してるっぽいマイナさんだったらイチコロだったと思う。
「やだなぁ、そこで赤くなるのやめてくれる?宰相閣下が無駄にハァハァなりそうじゃん」
「マイナさんを変態っぽく言うのヤメロよ。マイナさん、変態じゃ……変態…………、多分変態じゃないよ」
「レイ、そこは言い切ってあげて…………」
可哀相なコを見る目を向けられるけど、こればかりは………。マイナさんはキレイで優しくて、強くてカッコいいとは思うけど、多分、ちょっと、僅かに、変態入ってると思うんだ………。
少し俯いてモジモジしてしまった俺に、ソルネスは優しく微笑んだ。
「でもレイに惜しみない愛情を注いでくれる人がいて、本当に良かった」
呟くような言葉。ああ、ソルネスは本当に俺の事を大事に思ってくれたんだな、と思うと嬉しくなる。
「うん。俺、マイナさんを受け入れた時に、貰ったペンダントに報告したんだよ」
「………何て?」
「俺にも大事なヒトができたよって」
「そっか……」
優しい葉擦れの音が響く。優しいこの世界に心から感謝しながら、ソルネスと過ごす時間を大事に楽しんだ。
一方、保護者側。
「くっそ!キューブ持ってくるべきだった!何でレイはあんなに可愛いんだっ!!やっぱりクラウン家に戻ってくるべきだ!」
「ガンテ、余り見ないでください!レイ成分が減るでしょう!そしてしれっとアホな事を言わないでください。死ぬまで、いや墓に入っても私とレイは一緒です!」
「うっわ……ストローでアイスティー飲む仕草、めちゃエロ。押し倒したいわぁ。グズグズになるまでめっちゃ愛してあげたい。あー可愛いいが過ぎるなぁ。今度、夜這いに行こうかしら」
「………………。クズが。」
コチラ側は、同じくティータイムのテーブルを囲っていても、随分と殺伐としていましたとさ。
☆★☆★☆★☆★☆★
保護者側が仲良くティータイムを過ごす日が来るのでしょうか。(いや、来ない。反語)
読んで頂きありがとうこさいます!
今まで近況ボードにあげていたんですが、気付かれにくいかな、と。
☆★☆★☆★☆★
ダンカン公爵邸の庭の一角にて。
木々に囲まれたこのスペースは、夏としては割と涼しく過ごしやすくなっている。
僅かな涼を楽しみながら、アイスティーを傾けつつソルネスに声をかけた。
「何か不思議。ソルとまた会えるって思わなかった」
「そう?僕は会えると信じてたけど?」
可愛らしい容貌で小首を傾げる様は、庇護欲が唆られる。………が、ソルネスの性格がそんなに可愛いモノじゃない事を知ってる俺としては、苦笑いしか出ない。
「マイナさんをどう言い包めたの?」
「特には?」
不思議そうな顔のソルネスは、ちゅっとストローでアイスティーを飲みながらしれっと宣った。
「ただちょっと賄賂を渡しただけ」
「わいろ………」
「可愛ーいレイちゃんの昔の映像キューブ」
「お前ね………」
ああああ、もう。自分で言うのは恥ずかしいけど、俺の事をで………溺愛してるっぽいマイナさんだったらイチコロだったと思う。
「やだなぁ、そこで赤くなるのやめてくれる?宰相閣下が無駄にハァハァなりそうじゃん」
「マイナさんを変態っぽく言うのヤメロよ。マイナさん、変態じゃ……変態…………、多分変態じゃないよ」
「レイ、そこは言い切ってあげて…………」
可哀相なコを見る目を向けられるけど、こればかりは………。マイナさんはキレイで優しくて、強くてカッコいいとは思うけど、多分、ちょっと、僅かに、変態入ってると思うんだ………。
少し俯いてモジモジしてしまった俺に、ソルネスは優しく微笑んだ。
「でもレイに惜しみない愛情を注いでくれる人がいて、本当に良かった」
呟くような言葉。ああ、ソルネスは本当に俺の事を大事に思ってくれたんだな、と思うと嬉しくなる。
「うん。俺、マイナさんを受け入れた時に、貰ったペンダントに報告したんだよ」
「………何て?」
「俺にも大事なヒトができたよって」
「そっか……」
優しい葉擦れの音が響く。優しいこの世界に心から感謝しながら、ソルネスと過ごす時間を大事に楽しんだ。
一方、保護者側。
「くっそ!キューブ持ってくるべきだった!何でレイはあんなに可愛いんだっ!!やっぱりクラウン家に戻ってくるべきだ!」
「ガンテ、余り見ないでください!レイ成分が減るでしょう!そしてしれっとアホな事を言わないでください。死ぬまで、いや墓に入っても私とレイは一緒です!」
「うっわ……ストローでアイスティー飲む仕草、めちゃエロ。押し倒したいわぁ。グズグズになるまでめっちゃ愛してあげたい。あー可愛いいが過ぎるなぁ。今度、夜這いに行こうかしら」
「………………。クズが。」
コチラ側は、同じくティータイムのテーブルを囲っていても、随分と殺伐としていましたとさ。
☆★☆★☆★☆★☆★
保護者側が仲良くティータイムを過ごす日が来るのでしょうか。(いや、来ない。反語)
読んで頂きありがとうこさいます!
313
お気に入りに追加
2,789
あなたにおすすめの小説
ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない
Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。
かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。
後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。
群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って……
冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
愛しい番の囲い方。 半端者の僕は最強の竜に愛されているようです
飛鷹
BL
獣人の国にあって、神から見放された存在とされている『後天性獣人』のティア。
獣人の特徴を全く持たずに生まれた故に獣人とは認められず、獣人と認められないから獣神を奉る神殿には入れない。神殿に入れないから婚姻も結べない『半端者』のティアだが、孤児院で共に過ごした幼馴染のアデルに大切に守られて成長していった。
しかし長く共にあったアデルは、『半端者』のティアではなく、別の人を伴侶に選んでしまう。
傷付きながらも「当然の結果」と全てを受け入れ、アデルと別れて獣人の国から出ていく事にしたティア。
蔑まれ冷遇される環境で生きるしかなかったティアが、番いと出会い獣人の姿を取り戻し幸せになるお話です。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。