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◆◆◆◆◆
俺の名は、ランス = アドルフソン。
俺には可愛い弟がいる。だが、俺は現在、弟のミカエルの言葉に言葉を失っていた。
何故なら、ミカエルが、尻ツボマッサージなる卑猥な習い事について、熱量たっぷりに語りだしたからである。
「ランス兄上、尻ツボマッサージはとてもお金がかかる習い事です。ですが、尻解放儀式において、この習い事は欠かせぬものと、僕は実感いたしました。今は、邸も奪われ、お金が掛かる時期ではある事は承知しております。ですが、僕の『男けつ』修正の為に、尻ツボマッサージに通い続けたいと考えております。ランス兄上、許可をいただけますでしょうか?」
いきなり許可を出せと言われても困る。可愛い弟の頼みならば何でも叶えたい。だが、尻ツボマッサージなる習い事は、そもそもどういう事をするのか知らねばならない。
「まずは、ミカエルに聞きたい。尻ツボマッサージ店に君を連れていったのは、ジークフリートで間違いないね?」
「はい、ランス兄上。ジークフリートが経営する、熟した尻専用のマッサージ店です。上品な店構えで、内装も素敵でした」
『☆ミカエル伴侶候補リスト☆』の最後に、奴の名を加えていたが削除決定だ。変態を弟の伴侶になどできない。後で、ジークフリートには制裁を加えるとしよう。
「事情は分かった。ミカエルは、ジークフリートに無理やり、卑猥な店に連れて行かれたわけだね?可哀想なミカエル。辛い思いをしたね」
「確かに、尻をもみもみされた時には痛みがありました。ですが、これも『男けつ』を、ぷりぷり尻にする為の試練なのです!僕はこれから、ハードコースの尻ツボマッサージを受けるつもりです。勿論、侯爵家の子息として、悲鳴をあげぬように、口枷もいたします!」
「し、尻をもみもみされたのか。それは少し問題があるのではないかな?ズボンの上からでも、知らない人間に尻を触らせる事は、危険を伴う行為だと思うよ、ミカエル」
俺の言葉に、ミカエルがおかしそうに笑いだした。
「兄上~、ズボンの上からでは、ツボの位置はわかりません。ですから、生尻をもみもみされたのです。あのような経験は初めてでした。ですが、危険はありません。護衛のヨセフに尻の監視を頼みましたので、問題ありません」
「ヨセフに・・生尻をみせたのか?」
「勿論です、ランス兄上」
ヨセフ = シェーンベリにも制裁が必要だな。『☆ミカエル伴侶候補リスト☆』からも、奴の名は削除しよう。くそ、リストから次々と名前が消えていく。この世は変態ばかりだ!
とにかく、ミカエルには卑猥な習い事に通うことは諦めて貰おう。
「ミカエル、少し焦りすぎではないかい?確かに、孕む側と診断された男子は13歳で嫁ぐが、ミカエルもまだ10代だよ?まだまだ若いし、きっとミカエルを愛してくれる相手が現れる筈だ。その相手と尻解放儀式を受け、伴侶になればいい。そう思わないかい、ミカエル?」
「兄上は、考えが甘いです!もしも、僕を愛してくれた相手が、尻解放儀式の時に僕の『男けつ』にビビって逃げ出したら、僕はどうしたらいいのですか。しかも、マッサージ師の話では、僕の尻では、尻解放儀式において、相手を長期に勃起させることは無理だそうです。兄上と共に鍛えた馬術や剣術が仇になりました。にいさま、僕はこのままでは娼館送り決定です!にいさま、僕を助けて。うっ、うう」
「ミカエル!」
ミカエルが泣き出してしまった。俺は慌てて弟を抱き寄せた。何て事だ。これ程、ミカエルが思い詰めているとは思わなかった。
これも、俺が弟を孕む側だと気がつかずに、鍛えあげた体つきにしてしまったからだ。ミカエルに剣術や乗馬を教えるのではなかった。痛恨の極み。
「ミカエル、今日はその・・久しぶりに添い寝しよう。悩みごとは全て、この兄にぶつけて欲しい。そして、共に解決策を考えよう」
「ランス兄上が優しすぎる~。どうして、兄上は兄上なのですかぁ~。僕はランス兄上の伴侶になりたいです~」
「う、そうか。では、俺のベッドにおいで」
「はーい、ランス兄上~!」
俺はミカエルを抱き寄せたまま、ベッドに入った。うーむ。もしも、この先ミカエルに相手が現れない場合には、侯爵位を捨てて国を脱出するしかないかもしれない。
◆◆◆◆◆◆
俺の名は、ランス = アドルフソン。
俺には可愛い弟がいる。だが、俺は現在、弟のミカエルの言葉に言葉を失っていた。
何故なら、ミカエルが、尻ツボマッサージなる卑猥な習い事について、熱量たっぷりに語りだしたからである。
「ランス兄上、尻ツボマッサージはとてもお金がかかる習い事です。ですが、尻解放儀式において、この習い事は欠かせぬものと、僕は実感いたしました。今は、邸も奪われ、お金が掛かる時期ではある事は承知しております。ですが、僕の『男けつ』修正の為に、尻ツボマッサージに通い続けたいと考えております。ランス兄上、許可をいただけますでしょうか?」
いきなり許可を出せと言われても困る。可愛い弟の頼みならば何でも叶えたい。だが、尻ツボマッサージなる習い事は、そもそもどういう事をするのか知らねばならない。
「まずは、ミカエルに聞きたい。尻ツボマッサージ店に君を連れていったのは、ジークフリートで間違いないね?」
「はい、ランス兄上。ジークフリートが経営する、熟した尻専用のマッサージ店です。上品な店構えで、内装も素敵でした」
『☆ミカエル伴侶候補リスト☆』の最後に、奴の名を加えていたが削除決定だ。変態を弟の伴侶になどできない。後で、ジークフリートには制裁を加えるとしよう。
「事情は分かった。ミカエルは、ジークフリートに無理やり、卑猥な店に連れて行かれたわけだね?可哀想なミカエル。辛い思いをしたね」
「確かに、尻をもみもみされた時には痛みがありました。ですが、これも『男けつ』を、ぷりぷり尻にする為の試練なのです!僕はこれから、ハードコースの尻ツボマッサージを受けるつもりです。勿論、侯爵家の子息として、悲鳴をあげぬように、口枷もいたします!」
「し、尻をもみもみされたのか。それは少し問題があるのではないかな?ズボンの上からでも、知らない人間に尻を触らせる事は、危険を伴う行為だと思うよ、ミカエル」
俺の言葉に、ミカエルがおかしそうに笑いだした。
「兄上~、ズボンの上からでは、ツボの位置はわかりません。ですから、生尻をもみもみされたのです。あのような経験は初めてでした。ですが、危険はありません。護衛のヨセフに尻の監視を頼みましたので、問題ありません」
「ヨセフに・・生尻をみせたのか?」
「勿論です、ランス兄上」
ヨセフ = シェーンベリにも制裁が必要だな。『☆ミカエル伴侶候補リスト☆』からも、奴の名は削除しよう。くそ、リストから次々と名前が消えていく。この世は変態ばかりだ!
とにかく、ミカエルには卑猥な習い事に通うことは諦めて貰おう。
「ミカエル、少し焦りすぎではないかい?確かに、孕む側と診断された男子は13歳で嫁ぐが、ミカエルもまだ10代だよ?まだまだ若いし、きっとミカエルを愛してくれる相手が現れる筈だ。その相手と尻解放儀式を受け、伴侶になればいい。そう思わないかい、ミカエル?」
「兄上は、考えが甘いです!もしも、僕を愛してくれた相手が、尻解放儀式の時に僕の『男けつ』にビビって逃げ出したら、僕はどうしたらいいのですか。しかも、マッサージ師の話では、僕の尻では、尻解放儀式において、相手を長期に勃起させることは無理だそうです。兄上と共に鍛えた馬術や剣術が仇になりました。にいさま、僕はこのままでは娼館送り決定です!にいさま、僕を助けて。うっ、うう」
「ミカエル!」
ミカエルが泣き出してしまった。俺は慌てて弟を抱き寄せた。何て事だ。これ程、ミカエルが思い詰めているとは思わなかった。
これも、俺が弟を孕む側だと気がつかずに、鍛えあげた体つきにしてしまったからだ。ミカエルに剣術や乗馬を教えるのではなかった。痛恨の極み。
「ミカエル、今日はその・・久しぶりに添い寝しよう。悩みごとは全て、この兄にぶつけて欲しい。そして、共に解決策を考えよう」
「ランス兄上が優しすぎる~。どうして、兄上は兄上なのですかぁ~。僕はランス兄上の伴侶になりたいです~」
「う、そうか。では、俺のベッドにおいで」
「はーい、ランス兄上~!」
俺はミカエルを抱き寄せたまま、ベッドに入った。うーむ。もしも、この先ミカエルに相手が現れない場合には、侯爵位を捨てて国を脱出するしかないかもしれない。
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西条ネア
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