32 / 36
32
しおりを挟む
◆◆◆◆◆
シェーンフェルダー家が用意してくれた馬車に乗り込み、僕は尻ツボマッサージ店に向かっていた。馬車に乗っているのは、ジークフリートと護衛のヨセフ、そして、僕の三人である。
「ジークフリート・・『男けつ』を施術するにあたり、やはり尻ツボマッサージは痛みを伴うのだろうか?僕は無様に叫びたくはない。なにか、対策はないかな?」
「安心しろ、ミカエル!今から行く尻ツボマッサージ店は、娼館行き間近の孕み子を救う事をコンセプトに作られた店だ。故に、店の客層は、30歳間際の娼館行きギリギリの孕み子ばかりだ!」
「だから?」
「彼らはお前と違って、自らの美しさから高みを望み過ぎた為に、尻解放儀式の機会を逃してしまった者達だ。彼らは焦りから、激しい尻ツボマッサージコースを選ぶ傾向が強い。だが、プライドが高い彼等は、痛みから悲鳴をあげる事を嫌い、施術中は口枷を咥えて受ける事を好む。故に、当店では、ソフトな口枷から、ハードなボールギャグまであらゆる品を用意されている。だから、心配はいらない!」
「待って、ジークフリート!尻ツボマッサージで、ボールギャグって・・おかしくない?」
「客からの要望に答えているだけだ。まあ、尻ツボマッサージ初心者のミカエルには、花柄の絹織物の口枷を咥えるといいと思うぞ?否みに、様々な花柄の布を選べるぞ。アロマオイルを垂らすと、癒しから痛みを和らげてくれると好評だ」
「成る程。じゃあ、僕は絹織物の口枷にしようかな?『男じり』改善の為の口枷か・・」
僕は自身の不幸に思いを馳せた。二回も診断を誤った神殿には、尻ツボマッサージの代金を請求するかな。領収書を貰っておこう。
そんな事を考えていると、護衛のヨセフがジークフリートに話しかけていて。
「ジークフリート卿、随分と店の内情に通じていらっしゃるようですね?」
「ん?ああ、言ってなかったか?今から行く尻ツボマッサージ店のオーナーは俺だから、内情に詳しいのは当然だ」
「え、ジークフリートがオーナーなの?」
僕は思わず声をあげてしまった。変態のジークフリートがオーナーだと知ると、急に行きたく無くなってきた。まあ、口にはしないけど。
「元オーナーは俺の知り合いで、若い子向けの尻ツボマッサージ店を経営していたが・・競争の激しい業界だから、経営に失敗してな。経営に行き詰まったオーナーが、俺に店を買い取って欲しいと泣きついてきたわけ。で、成り行きで尻ツボマッサージ店のオーナーとなった俺は、熟した尻専用の尻ツボマッサージ店に作り替えた。会員制だが、順調に客を増やし、今や大繁盛店となっている。俺は、貴族より商売人に生まれるべき人間だったようだ」
どうやら、ジークフリートは変態だけど、商売上手なようだ。うーむ。やはり、ジークフリートは尻解放儀式の相手として、キープすべき人物だろうか?
「時々、店に視察に行くが・・癒されまくりだ。熟した尻がゴロゴロ転がって、施術を受ける様を見ることができるのは正に至福!運命の熟した尻に出逢える日を夢見て、俺は至高の尻ツボマッサージ店を目指し努力をしている。だから、安心して尻を出せ、ミカエル!」
「ジークフリートが気持ち悪い!ヨセフ、施術中は、絶対に僕のそばを離れないでね!」
「何故だ、ミカエル!?」
「ミカエル様は、私が守ります。安心して、尻ツボマッサージをお受け下さい」
「ありがとう、ヨセフ~!」
僕はヨセフに抱きついた。ヨセフが僕の頭を撫で撫でしてくれた。うーむ。ヨセフを尻解放儀式の相手としてキープするのも手かな?
「納得できないが、とりあえず店についた」
「わぁ、ここが尻ツボマッサージ店かぁ~」
僕は馬車の窓から、上品な店構えを見てちょっと安心した。僕は、ジークフリートにエスコートされて店に入っていった。
そして、攻略対象者に出逢ってしまった。
◆◆◆◆◆
シェーンフェルダー家が用意してくれた馬車に乗り込み、僕は尻ツボマッサージ店に向かっていた。馬車に乗っているのは、ジークフリートと護衛のヨセフ、そして、僕の三人である。
「ジークフリート・・『男けつ』を施術するにあたり、やはり尻ツボマッサージは痛みを伴うのだろうか?僕は無様に叫びたくはない。なにか、対策はないかな?」
「安心しろ、ミカエル!今から行く尻ツボマッサージ店は、娼館行き間近の孕み子を救う事をコンセプトに作られた店だ。故に、店の客層は、30歳間際の娼館行きギリギリの孕み子ばかりだ!」
「だから?」
「彼らはお前と違って、自らの美しさから高みを望み過ぎた為に、尻解放儀式の機会を逃してしまった者達だ。彼らは焦りから、激しい尻ツボマッサージコースを選ぶ傾向が強い。だが、プライドが高い彼等は、痛みから悲鳴をあげる事を嫌い、施術中は口枷を咥えて受ける事を好む。故に、当店では、ソフトな口枷から、ハードなボールギャグまであらゆる品を用意されている。だから、心配はいらない!」
「待って、ジークフリート!尻ツボマッサージで、ボールギャグって・・おかしくない?」
「客からの要望に答えているだけだ。まあ、尻ツボマッサージ初心者のミカエルには、花柄の絹織物の口枷を咥えるといいと思うぞ?否みに、様々な花柄の布を選べるぞ。アロマオイルを垂らすと、癒しから痛みを和らげてくれると好評だ」
「成る程。じゃあ、僕は絹織物の口枷にしようかな?『男じり』改善の為の口枷か・・」
僕は自身の不幸に思いを馳せた。二回も診断を誤った神殿には、尻ツボマッサージの代金を請求するかな。領収書を貰っておこう。
そんな事を考えていると、護衛のヨセフがジークフリートに話しかけていて。
「ジークフリート卿、随分と店の内情に通じていらっしゃるようですね?」
「ん?ああ、言ってなかったか?今から行く尻ツボマッサージ店のオーナーは俺だから、内情に詳しいのは当然だ」
「え、ジークフリートがオーナーなの?」
僕は思わず声をあげてしまった。変態のジークフリートがオーナーだと知ると、急に行きたく無くなってきた。まあ、口にはしないけど。
「元オーナーは俺の知り合いで、若い子向けの尻ツボマッサージ店を経営していたが・・競争の激しい業界だから、経営に失敗してな。経営に行き詰まったオーナーが、俺に店を買い取って欲しいと泣きついてきたわけ。で、成り行きで尻ツボマッサージ店のオーナーとなった俺は、熟した尻専用の尻ツボマッサージ店に作り替えた。会員制だが、順調に客を増やし、今や大繁盛店となっている。俺は、貴族より商売人に生まれるべき人間だったようだ」
どうやら、ジークフリートは変態だけど、商売上手なようだ。うーむ。やはり、ジークフリートは尻解放儀式の相手として、キープすべき人物だろうか?
「時々、店に視察に行くが・・癒されまくりだ。熟した尻がゴロゴロ転がって、施術を受ける様を見ることができるのは正に至福!運命の熟した尻に出逢える日を夢見て、俺は至高の尻ツボマッサージ店を目指し努力をしている。だから、安心して尻を出せ、ミカエル!」
「ジークフリートが気持ち悪い!ヨセフ、施術中は、絶対に僕のそばを離れないでね!」
「何故だ、ミカエル!?」
「ミカエル様は、私が守ります。安心して、尻ツボマッサージをお受け下さい」
「ありがとう、ヨセフ~!」
僕はヨセフに抱きついた。ヨセフが僕の頭を撫で撫でしてくれた。うーむ。ヨセフを尻解放儀式の相手としてキープするのも手かな?
「納得できないが、とりあえず店についた」
「わぁ、ここが尻ツボマッサージ店かぁ~」
僕は馬車の窓から、上品な店構えを見てちょっと安心した。僕は、ジークフリートにエスコートされて店に入っていった。
そして、攻略対象者に出逢ってしまった。
◆◆◆◆◆
2
お気に入りに追加
393
あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。

[完結]兄弟で飛ばされました
猫谷 一禾
BL
異世界召喚
麗しの騎士×捻くれ平凡次男坊
お祭りの帰り道、兄弟は異世界へと飛ばされた。
容姿端麗で何でも優秀な兄と何でも平均的な弟。
異世界でもその評価は変わらず、自分の役目を受け入れ人の役に立つ兄と反発しまくる弟。
味方がいないと感じる弟が異世界で幸せになる話。
捻くれ者大好きです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)

傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる