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◆◆◆◆◆◆
侯爵位シェーンフェルダー家の邸に到着した。馬車から降り、ジークフリートにエスコートされながら邸に入った。
すると、ジークフリートの父親と産みの親が玄関先で仁王立ちしていた。僕は慌てて挨拶をする。
「こんにちは。ウルリヒ様、ニルス様、ご無沙汰しております。諸事情により、ご厄介になります。できるだけ気配を消して過ごしますので、どうか怒らないで!おじさまと、産みのおじさま!」
「何故、怒ると思っているの?私たちは大歓迎よ、ミカエルちゃん。すっかり大きくなって!可愛らしく成長しちゃって!」
厄介者の筈の僕が、何故か大歓迎された。ジークフリートの父親と、産みの親は、わざわざ玄関ホールまで、出迎えに来てくれたのだ。
追い返されるのかと思って、ビビってしまった。どうやら勘違いだったようだ。僕が安堵の息を漏らしていると、ジークフリートが慌てた口調で話し出した。
「あー、二人とも勘違いしないでくれよ?俺は親友のランスに頼まれて、ミカエルを預かっただけだからな。伴侶候補じゃないから、ミカエルに、プレッシャーを掛けないでくれよ?」
ジークフリートは予防線を張った。だが、無駄だったようだ。産みの親のニルス = シェーンフェルダーが、口火を切った。
「もちろん、プレッシャーなんて掛けないわよ?でも、ミカエルちゃんは、正式に婚約破棄されたのでしょ?つまり、フリーなのよね?ミカエルちゃんはお尻フリーなのよね?ジークフリート、こんなチャンスは滅多にありません!貴方は、ミカエルちゃんをものにしなさい!これは命令です!」
「いやいや、どうしてそうなるの。ミカエルは、預かっただけだって説明したよね?」
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侯爵位シェーンフェルダー家の邸に到着した。馬車から降り、ジークフリートにエスコートされながら邸に入った。
すると、ジークフリートの父親と産みの親が玄関先で仁王立ちしていた。僕は慌てて挨拶をする。
「こんにちは。ウルリヒ様、ニルス様、ご無沙汰しております。諸事情により、ご厄介になります。できるだけ気配を消して過ごしますので、どうか怒らないで!おじさまと、産みのおじさま!」
「何故、怒ると思っているの?私たちは大歓迎よ、ミカエルちゃん。すっかり大きくなって!可愛らしく成長しちゃって!」
厄介者の筈の僕が、何故か大歓迎された。ジークフリートの父親と、産みの親は、わざわざ玄関ホールまで、出迎えに来てくれたのだ。
追い返されるのかと思って、ビビってしまった。どうやら勘違いだったようだ。僕が安堵の息を漏らしていると、ジークフリートが慌てた口調で話し出した。
「あー、二人とも勘違いしないでくれよ?俺は親友のランスに頼まれて、ミカエルを預かっただけだからな。伴侶候補じゃないから、ミカエルに、プレッシャーを掛けないでくれよ?」
ジークフリートは予防線を張った。だが、無駄だったようだ。産みの親のニルス = シェーンフェルダーが、口火を切った。
「もちろん、プレッシャーなんて掛けないわよ?でも、ミカエルちゃんは、正式に婚約破棄されたのでしょ?つまり、フリーなのよね?ミカエルちゃんはお尻フリーなのよね?ジークフリート、こんなチャンスは滅多にありません!貴方は、ミカエルちゃんをものにしなさい!これは命令です!」
「いやいや、どうしてそうなるの。ミカエルは、預かっただけだって説明したよね?」
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