元警察官はヤクザに囲われ溺愛される『黒闇姫』2

月歌(ツキウタ)

文字の大きさ
上 下
4 / 9

ラブホテル

しおりを挟む
◆◆◆◆◆


「か、要・・なにしてんの?」

「僕がわざとやった訳じゃないからね。ジャグジーに連動して照明が変わるみたい。綺麗だね。うーん、このまま水面に沈んで異世界に行けたらなぁ~」

僕はずるずると背を滑らせて、水中に没した。ゆらゆらと湯を楽しんでいると、いきなり瑛太に抱きかかえられた。そして、瑛太は僕を抱いたまま湯船に浸かる。

「危なすぎる。水死体になるぞ、要?」

「異世界に行きたかっただけ。現実はつまんないからさぁ。異世界なら『黒闇姫』で悪人を切り裂いても、罪にはならないだろ?」

「『黒闇姫』の話はするな。お前の正気を疑いたくなる。マジで、早く処分しろよ」

僕は瑛太の逞しい体に抱きつきながら呟く。

「『黒闇姫』は僕のお気に入りの女なの。黒光りするフォルムがたまらん」

「・・要、ちんこが立ってるぞ」
「すみません」
「いいけど」

不意に瑛太が僕のぺニスに触れた。ぎょっとした僕は、瑛太から身を離そうとした。だが、きつく抱きしめられて身動きがとれない。

「瑛太、やめてよ。酔ってるのか?」

「酔ってるやろな。お前のちんこ触って俺のも勃起してきたから。明らかに、酔ってるわ」

瑛太が自身のぺニスを僕のぺニスに擦り合わせてきた。快感に背中が震えた。

「ちょい、擦り合わせるな。んあっ、や!」
「あかん。頭が働かへん」
「まじ、ちょ、出るから」
「風呂から?」
「バカ!」

僕たちは抱き合ったまま、湯船であそこを擦り合わせていた。そして、限界に達して互いに放出していた。白濁が湯船に広がる。僕はぼんやりとそれを見つめながら、瑛太に寄りかかった。

「ん、気持ちいい。でも、眠い」

「寝たらベッドに運んだる。さっきは要が背負って運んでくれたんやからな」

「では、遠慮なく」

逞しい胸板に頬を預けて、僕は居眠りをはじめた。


◇◇◇

気がつくと朝になっていた。僕は素っ裸でベッドに寝ていた。同じく、瑛太も素っ裸ですやすやと寝ている。僕は互いの下半身を観察した。そして、結論に達した。

「うむ、やってはいないな」
「当たり前だ」
「起きてたのかよ。瑛太は意地悪だな」
「うるせー」
「今日は非番なの?」

「内勤は土日祝日はお休みや。そんなことも忘れたんか、元警察官?」

「忘れてないけど、交代制だろ?」

「まあな。で、今日は休み。そうでなきゃ、あんなに酒は呑まん。しかも、親友と裸でラブホテルで朝を迎えるとか・・予想外や」

「まあ、何もなかったし問題ないでしょ。今日休みなら、何か予定あるの?」

「全然ないな。Nゲージ見に行こうかと思ってたとこ。お前も、一緒に来るか?」

「お、懐かしいね。日本橋?」

「日本橋や。ついでに、ネコミミカフェ行っとく?おっさん二人で?」

僕は笑いながら身を起こした。すると、瑛太がじろじろと僕の体を見てきた。

「なに?」
「刺青は入れてない様やな」

「当たり前や。しかも、刺青って。せめて、タトゥーって言ってくれる?」

「でも、やくざの愛人やろ?」

「風俗店の経営者の個人秘書です。ところで、やくざがメイドカフェを経営してる場合もあるけど・・ネコミミカフェは大丈夫?」

「名古屋やないんやから、直にやくざが経営してはおらんやろ。なんや、ネコミミカフェに行きたくないんか?」

「めっちゃ行きたいです!」
「そしたら、決まり!」

僕と瑛太は着替えを済ませると、人目を気にしながら別々にラブホテルを出た。


◆◆◆◆◆

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

ヤクザと捨て子

幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子 ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。 ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。

いつかコントローラーを投げ出して

せんぷう
BL
 オメガバース。世界で男女以外に、アルファ・ベータ・オメガと性別が枝分かれした世界で新たにもう一つの性が発見された。  世界的にはレアなオメガ、アルファ以上の神に選別されたと言われる特異種。  バランサー。  アルファ、ベータ、オメガになるかを自らの意思で選択でき、バランサーの状態ならどのようなフェロモンですら影響を受けない、むしろ自身のフェロモンにより周囲を調伏できる最強の性別。  これは、バランサーであることを隠した少年の少し不運で不思議な出会いの物語。  裏社会のトップにして最強のアルファ攻め  ×  最強種バランサーであることをそれとなく隠して生活する兄弟想いな受け ※オメガバース特殊設定、追加性別有り .

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない

絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...