おっさん家政夫は自警団独身寮で溺愛される

月歌(ツキウタ)

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ウィリアムズ殿下!

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◆◆◆◆◆


ナイフ男が俺の顎を掴み、無理やり口を開けさせる。そして、ナイフを舌にチクリと刺した。

「ぐっ!」

「はは、どう?痛みで舌が奥に引っ込むと、呼吸が出来なくなるだろ?でも一時的なことだから安心しろ。少しだけ黙っててくれる?あんたを担いでの移動はキツイから、大人しくしていてくれ。『穴イキ少年』が鳴かないのも興醒めだから、舌は削がずにおく。依頼主の変態に、アナルをたっぷりと可愛がって貰え・・死ぬまでな」

マジで息が苦しい。死ぬかも、死ぬかも!? 
誰か助けて!まじ、助けて!

「ぐっ、んっ」
「ふふ、喋れないだろ?」

誰かーー!

ライオネル!
ウィリアムズ殿下!
誰でもいいから助けて!死にたくない!

「お前を黙らせてやる!」

血飛沫が裏路地に飛び散った。そして、ナイフを握った腕が吹き飛び、路地の壁に当たり地面に落下した。ぐチャリと嫌な音がした。

「ぐっ!」

暗殺者は失った腕を庇う風もなく、もう一方のナイフを構えて態勢を整える。だが、ウィリアムズ殿下が容赦なく血に濡れた剣を、再度振り下ろす。

男は咄嗟に横に飛ぶと、ナイフを殿下の胸に向けて投げた。殿下は振り下ろした剣を切り返し、ナイフをギリギリで弾いた。

だが、弾いた剣が俺の尻に刺さった。ちょっとだけだけど、めちゃ痛い。

「うぉ、ケイ!す、すまない!」
「うぐっ、ぐ」
「ケイ、話せないのか?」

俺と殿下がやり取りをしている間に、暗殺者はこの場を去っていった。殿下はちらりと視線をやったが、後を追う気は無さそうそうだ。ウィリアムズ殿下は俺の顎を掴むと、無理やり口を開かせた。

「ち、舌が奥で丸まってやがる!」
「うぐっ」

ウィリアムズ殿下が俺の顎を掴んだまま、キスをしてきた。そして、咥内に舌を這わせて、俺の舌をからめ強く吸う。喉につまる異物感が徐々になくなり、俺はぼんやりとしたまま殿下と舌を絡めていた。

「ケイ、大丈夫か?」
「殿下・・」

俺は情けなくも泣き出していた。ゴミ箱の中で下半身を露出した情けない格好で、大きな声で泣いてしまった。やがて、ウィリアムズ殿下の胸に沈み気を失っていた。


◆◆◆◆◆


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