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殿下の聴取1
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◆◆◆◆◆
「ガーディナー王国第二王子、ウィリアムズ = ガーディナーの聴取を開始する」
ライオネルが厳かに宣言した。殿下は静かに頷いたのちに、ゆっくりと口を開いた。
「ライオネル、待て。俺はまだ、食事を注文していない。聴取の前に、朝食兼昼食を食わせろ。王子を飢えさせるな」
「ふ、駄目です。容疑者を空腹状態とすることは定石です。ウィリアムズ殿下の要望に応じ、殿下の御用達店「★魅惑のプロテイン★カフェ」での聴取に応じたのです。さっさと自白して、食事にありついてはいかがですか?」
俺とライオネルの目の前には、色鮮やかなプロテインバーが芸術的に積み上げてあった。この店の一押し「プロテインタワー」とコーヒーのセットで、料金設定はかなり高め。
だが、おっさんはインスタ映えな「プロテインタワー」など欲していない。イチゴとミントの葉で、タワーを飾られても嬉しくない。
「ねえ、ライオネル。この店には、プロテインバー以外に、まともな食事はないの?サンドイッチとか、パンケーキでもいいから。ない?」
「プロテインタワーは、可愛い男子に大人気なのだが・・ケイの好みではなかったか?」
「俺は可愛い男子ではなく、確実におっさんだから。いい加減に、認識を改めてもらいたい、ライオネル」
俺の言葉に、ライオネルと殿下がふわふわと笑った。なんだ、その笑いは!
「ケイが「おっさん主張」を始めたぞ、ライオネル。年齢詐称の罪と、可愛らしい罪で、ケイを、牢獄にぶちこもうぜ!」
「何を言うのですか、殿下!確かにケイは愛らしい。だが、牢獄にぶちこんで、ケイのアナルに、リードのペニスがぶちこまれたらどうするのですか!ぶちこみダブルで、、ぐごっ!?」
俺はテーブルの下で、ライオネルの足を蹴った。筋肉バカにも効き目があったから、蹴りポイントがヒットしたようだ。俺は、沈黙を守るウェイターに話しかけた。
「パンケーキあります?」
「最高級プロテイン入りの、パンケーキがございます。お客様の好みにより、プロテインの種類が選べます。細マッチョ、ゴリマッチョ、アスリート系マッチョ、人間離れ系マッチョ。どちらのプロテインパンケーキに、いたしましょうか?」
「プロテイン無添加でお願いします」
「うっ、しょ、承知しました。ですが、お客様、当店のプロテインは、厳選された材料で作られた、パーフェクトフードであり、」
「普通のパンケーキ食べたいの。よろしく?」
「承知しました」
細マッチョのウェイターが、残念そうに個室を後にした。ああ、説明を失念していたが、容疑者のプライバシー保護のために、カフェの個室で聴取をとりおこなっている。
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「ガーディナー王国第二王子、ウィリアムズ = ガーディナーの聴取を開始する」
ライオネルが厳かに宣言した。殿下は静かに頷いたのちに、ゆっくりと口を開いた。
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「ふ、駄目です。容疑者を空腹状態とすることは定石です。ウィリアムズ殿下の要望に応じ、殿下の御用達店「★魅惑のプロテイン★カフェ」での聴取に応じたのです。さっさと自白して、食事にありついてはいかがですか?」
俺とライオネルの目の前には、色鮮やかなプロテインバーが芸術的に積み上げてあった。この店の一押し「プロテインタワー」とコーヒーのセットで、料金設定はかなり高め。
だが、おっさんはインスタ映えな「プロテインタワー」など欲していない。イチゴとミントの葉で、タワーを飾られても嬉しくない。
「ねえ、ライオネル。この店には、プロテインバー以外に、まともな食事はないの?サンドイッチとか、パンケーキでもいいから。ない?」
「プロテインタワーは、可愛い男子に大人気なのだが・・ケイの好みではなかったか?」
「俺は可愛い男子ではなく、確実におっさんだから。いい加減に、認識を改めてもらいたい、ライオネル」
俺の言葉に、ライオネルと殿下がふわふわと笑った。なんだ、その笑いは!
「ケイが「おっさん主張」を始めたぞ、ライオネル。年齢詐称の罪と、可愛らしい罪で、ケイを、牢獄にぶちこもうぜ!」
「何を言うのですか、殿下!確かにケイは愛らしい。だが、牢獄にぶちこんで、ケイのアナルに、リードのペニスがぶちこまれたらどうするのですか!ぶちこみダブルで、、ぐごっ!?」
俺はテーブルの下で、ライオネルの足を蹴った。筋肉バカにも効き目があったから、蹴りポイントがヒットしたようだ。俺は、沈黙を守るウェイターに話しかけた。
「パンケーキあります?」
「最高級プロテイン入りの、パンケーキがございます。お客様の好みにより、プロテインの種類が選べます。細マッチョ、ゴリマッチョ、アスリート系マッチョ、人間離れ系マッチョ。どちらのプロテインパンケーキに、いたしましょうか?」
「プロテイン無添加でお願いします」
「うっ、しょ、承知しました。ですが、お客様、当店のプロテインは、厳選された材料で作られた、パーフェクトフードであり、」
「普通のパンケーキ食べたいの。よろしく?」
「承知しました」
細マッチョのウェイターが、残念そうに個室を後にした。ああ、説明を失念していたが、容疑者のプライバシー保護のために、カフェの個室で聴取をとりおこなっている。
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