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リード
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◆◆◆◆◆
ガチャガチャ、
パンパンパン、ズブ、ズブズブ、
「あっ、やめ、ああっ、んあっぁ、くっ!」
「はぁ、はぁ、ひひっ、こいつ勃起してやがる!リード、中だししていいか?」
「まだだ。名前さえ聞き出していないのに、中だしするバカがいるか。ジル、もっと貫いてとろとろにしてやれ。名前を聞きだせたら、中だししても構わない」
「了解~、」
「ぐっ、はぁはぁ、やめ、あっ、あぁ、」
地下牢獄に響く音と声に、俺は恐ろしくなり震えだしていた。ライオネルが、そんな俺を抱き締めてくれた。俺はライオネルに抱きつきながら、震える声で呟いていた。
「リードの声だ・・」
「そのようだな。ジルもいるようだ。ちっ、リードの奴、また許可なく拷問を加えているな。様子を見てくる。ケイは、ここで少し待っていてくれ」
「いやだ、ライオネル!」
「しかし、リードには会いたくないだろ?」
「あ、会いたくないけど・・一人も嫌だ。ライオネルが一緒なら、大丈夫。それに、地下牢獄に何度も来るのは嫌なんだ。出来れば、一回で用事を済ませたい。駄目かな、ライオネル?」
「わかった。だが、腕を絡めていては、リードに妙な勘繰りをされそうだ。直前まで手を繋いでいこう。それでいいか、ケイ?」
「ありがとう、ライオネル」
俺はケイの差し出した手に、自らの手を預け地下牢獄の薄暗い道を歩きだした。地下牢獄に来たのは久しぶりで緊張する。ここには、いい記憶など一つもない。早く立ち去りたい。
「怖いのか、ケイ」
「そう思う?」
「手が震えている」
「当然、怖いよ。二年前には、俺が牢獄に入っていた立場だからね。それに・・まだ、完全には、疑いが晴れた立場でもないから余計にね。誰かの一存で、元の牢獄生活が始まる。そして、彼のように拷問される。怖いに決まってるだろ?」
俺は目的の牢獄に近付いたので、ライオネルの手をにぎにぎして合図を送った。しかし、ライオネルは何を勘違いしたのか、俺の手をぎゅうぎゅうと握り返してきた。
「ライオネル、違うから」
「何が?」
「にぎにぎは、手を離しての合図だから」
「う、すまない!にぎにぎは、ぎゅうぎゅうして欲しいの意味だと、勘違いしてしまった」
「ははぁ~。ライオネルは、恋人と手を繋ぐ時は、にぎにぎぎゅうぎゅうして、愛を確かめあってるわけだ。やらし~」
「誤解だ、ケイ!俺に恋人はいない!」
「あれ、そうなの?」
俺がわざと余裕を見せて、ライオネルと話していると、ランプの光がこちらに向けられた。ランプを持ち、こちらを照らしたのは、リードだった。リードはニヤリと笑いながら、牢獄の石壁から身を離しこちらに向き合う。そして、話し掛けてきた。
「おいおいおい、こっちは真面目に仕事してるのに、地下牢獄でデートしてんじゃねーよ!」
◆◆◆◆◆
ガチャガチャ、
パンパンパン、ズブ、ズブズブ、
「あっ、やめ、ああっ、んあっぁ、くっ!」
「はぁ、はぁ、ひひっ、こいつ勃起してやがる!リード、中だししていいか?」
「まだだ。名前さえ聞き出していないのに、中だしするバカがいるか。ジル、もっと貫いてとろとろにしてやれ。名前を聞きだせたら、中だししても構わない」
「了解~、」
「ぐっ、はぁはぁ、やめ、あっ、あぁ、」
地下牢獄に響く音と声に、俺は恐ろしくなり震えだしていた。ライオネルが、そんな俺を抱き締めてくれた。俺はライオネルに抱きつきながら、震える声で呟いていた。
「リードの声だ・・」
「そのようだな。ジルもいるようだ。ちっ、リードの奴、また許可なく拷問を加えているな。様子を見てくる。ケイは、ここで少し待っていてくれ」
「いやだ、ライオネル!」
「しかし、リードには会いたくないだろ?」
「あ、会いたくないけど・・一人も嫌だ。ライオネルが一緒なら、大丈夫。それに、地下牢獄に何度も来るのは嫌なんだ。出来れば、一回で用事を済ませたい。駄目かな、ライオネル?」
「わかった。だが、腕を絡めていては、リードに妙な勘繰りをされそうだ。直前まで手を繋いでいこう。それでいいか、ケイ?」
「ありがとう、ライオネル」
俺はケイの差し出した手に、自らの手を預け地下牢獄の薄暗い道を歩きだした。地下牢獄に来たのは久しぶりで緊張する。ここには、いい記憶など一つもない。早く立ち去りたい。
「怖いのか、ケイ」
「そう思う?」
「手が震えている」
「当然、怖いよ。二年前には、俺が牢獄に入っていた立場だからね。それに・・まだ、完全には、疑いが晴れた立場でもないから余計にね。誰かの一存で、元の牢獄生活が始まる。そして、彼のように拷問される。怖いに決まってるだろ?」
俺は目的の牢獄に近付いたので、ライオネルの手をにぎにぎして合図を送った。しかし、ライオネルは何を勘違いしたのか、俺の手をぎゅうぎゅうと握り返してきた。
「ライオネル、違うから」
「何が?」
「にぎにぎは、手を離しての合図だから」
「う、すまない!にぎにぎは、ぎゅうぎゅうして欲しいの意味だと、勘違いしてしまった」
「ははぁ~。ライオネルは、恋人と手を繋ぐ時は、にぎにぎぎゅうぎゅうして、愛を確かめあってるわけだ。やらし~」
「誤解だ、ケイ!俺に恋人はいない!」
「あれ、そうなの?」
俺がわざと余裕を見せて、ライオネルと話していると、ランプの光がこちらに向けられた。ランプを持ち、こちらを照らしたのは、リードだった。リードはニヤリと笑いながら、牢獄の石壁から身を離しこちらに向き合う。そして、話し掛けてきた。
「おいおいおい、こっちは真面目に仕事してるのに、地下牢獄でデートしてんじゃねーよ!」
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