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現代BLシリーズ
復讐
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◆◆◆◆◆
抱き寄せ唇を奪えば涙を流す。敗戦国の王子を犯した。これは復讐だ。
祖国の王により家族が皆殺しにされてた。そして、俺だけが隣国に逃れた。後悔と憎しみの中で時を過ごし、ひたすら戦が始まるのを待った。
待ちくたびれて何度も命を絶とうとした。それでも、恨みが俺を生かす。
やがて祖国と隣国が交戦する。俺は隣国の兵役に志願して、戦場を駆けた。目的を果たすために人を殺した。銃を撃ち剣で臓物を抉りきり、血みどろの大地を蹴る。
そして、王城に辿り着く。
すでに王城は陥落し、掠奪で荒れ果てていた。王は命乞いをしたらしいが、すでに殺されていた。死んでしまった。家族の敵を殺すこともできずに、俺は生き残ってしまった。王と斬りあい殺すことを何度も夢見て‥そして、潰えた。王の遺体を何度も剣で刺したが、喜びはない。
王は側室とその一家を皆殺しにした。俺が殺されなかったのはただの運。本当に殺したかったのは、息子の俺だろう。謀反などと諫言を信じて、一度は愛した女の家族を皆殺し。その血が流れているなど吐き気がする。
誰の叫び声が聞こえて、俺は遺体から剣を抜いた。視線の先で女が男に追われていた。いや、あれは男だ。女の格好をして難から逃れようとしたのだろう。俺は後を追い男たちに声を掛けた。
「それはこの国の王子だ。手を出さぬ方が良い。本国が使い道を考えるだろう」
興奮した男たちは獲物を奪われることを恐れて、俺に斬りかかる。軍の指揮官が負傷して統制がとれていない。この軍紀の乱れようでよくこれで勝てたものだ。だが、都合がいい。
銃で一人殺し、後の一人は剣で脇腹と首を斬り裂いた。溢れる血溜まりの中で、女の格好をした男が崩れ落ちる。
「生きたいか?」
「‥‥」
返事はない。敗戦国の王子は青ざめ俯くばかり。
「俺を知っているか?」
「‥‥」
返事がないので王子を蹴り飛ばした。男は慌てふためき床を這う。俺はその姿に苛立ちと同時に欲情していた。王の息子が生きている。俺の腹違いの弟。一族を殺した元凶はこの男の母親だ。残忍な女だった。あれは死んだだろうか?
「母親は死んだか?」
「‥皆が死んだ。生き残ったのは私だけだ。どうか、ここで殺して欲しい。生き恥を晒したくない」
「‥俺を知っているか?」
「‥?」
「俺は生き恥を晒した。お前も生きて苦しむといい。そうだな‥傷は深い方がいい」
男を空き部屋に無理やり連れ込む。室内は乱れていたがベッドは使える。女物の衣服を脱がせると薄衣姿。衣服で手首を背後で縛って、ベッドに倒す。薄衣を着せたまま唇を奪い胸を弄る。
乳首をひねり苦痛で顔が歪む。涙に濡れた顔を覗き込む。
「俺の顔に見覚えはないか?」
「知らない!卑怯な真似を!」
「知らないか‥」
腹違いの弟は俺を知らないらしい。なんとも薄情なことだ。足を大きく広げると後孔に猛りをあてがった。震える腰を掴み一気に挿入する。拒む蕾が肛交が初めてであることを知らせる。みきみきと蕾を押し広げ太い部分をつぎ込む。男が悲鳴を上げた。
蕾は血を流しぬらぬらと滑る。血液を潤滑剤として抜き差しを始める。狭い内部は俺の牡を締め付けるが、快感より痛みが強い。それでも、何度も抜き差しするたびにぐちゃぐちゃと血の泡が溢れ滑りを良くする。男は哀れに終わりを懇願する。あまりにも哀れで俺まで泣きたくなる。
復讐を果たした。これからどう生きる?どう死ねばいい?
「くっ!」
「あっ、あぁ‥」
男の中に白濁を散らす。そうだ、まだ俺の復讐は終わっていない。この男が生きている限り、俺の復讐は続く。こいつが生きている限り‥俺の命も続く。復讐のためにお前を生かす。俺が生きるためにお前を生かす。
「お前は俺が貰う。」
「馬鹿なことを!」
「王子が女の格好をして逃げ回り‥兵に犯された。淫乱で恥知らずの王子として生きるか?それとも、俺と共に庶民として暮らすか‥選べ。」
俺は一物を男の体内から抜き去った。男はびくっと体を震わせる。不意に子供の頃に王城で遊んだ記憶が蘇る。昔の様に髪を撫でると男はガクガクと震えだし、そして失神した。
「呆れた。弱い男だ‥」
俺は部屋を出て死んだ仲間の兵を部屋に引きずり込んだ。そして、遺体から軍服を剥ぎ取り男に着せる。裸の遺体には王子が着ていた女の衣装を被せる。
「運ぶぞ」
気絶した王子に声をかけて、肩に担ぐ。意外と重くてよろめく。負傷兵を背負う兵に見えるだろうか。うまく行けば、隣国に辿り着けるだろう。今では隣国がわが祖国。
「復讐はまだ続く。お前が生きている限り‥俺は生き続ける。生きる理由がある‥」
俺は男を担いで王城の廊下をあるき出した。
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抱き寄せ唇を奪えば涙を流す。敗戦国の王子を犯した。これは復讐だ。
祖国の王により家族が皆殺しにされてた。そして、俺だけが隣国に逃れた。後悔と憎しみの中で時を過ごし、ひたすら戦が始まるのを待った。
待ちくたびれて何度も命を絶とうとした。それでも、恨みが俺を生かす。
やがて祖国と隣国が交戦する。俺は隣国の兵役に志願して、戦場を駆けた。目的を果たすために人を殺した。銃を撃ち剣で臓物を抉りきり、血みどろの大地を蹴る。
そして、王城に辿り着く。
すでに王城は陥落し、掠奪で荒れ果てていた。王は命乞いをしたらしいが、すでに殺されていた。死んでしまった。家族の敵を殺すこともできずに、俺は生き残ってしまった。王と斬りあい殺すことを何度も夢見て‥そして、潰えた。王の遺体を何度も剣で刺したが、喜びはない。
王は側室とその一家を皆殺しにした。俺が殺されなかったのはただの運。本当に殺したかったのは、息子の俺だろう。謀反などと諫言を信じて、一度は愛した女の家族を皆殺し。その血が流れているなど吐き気がする。
誰の叫び声が聞こえて、俺は遺体から剣を抜いた。視線の先で女が男に追われていた。いや、あれは男だ。女の格好をして難から逃れようとしたのだろう。俺は後を追い男たちに声を掛けた。
「それはこの国の王子だ。手を出さぬ方が良い。本国が使い道を考えるだろう」
興奮した男たちは獲物を奪われることを恐れて、俺に斬りかかる。軍の指揮官が負傷して統制がとれていない。この軍紀の乱れようでよくこれで勝てたものだ。だが、都合がいい。
銃で一人殺し、後の一人は剣で脇腹と首を斬り裂いた。溢れる血溜まりの中で、女の格好をした男が崩れ落ちる。
「生きたいか?」
「‥‥」
返事はない。敗戦国の王子は青ざめ俯くばかり。
「俺を知っているか?」
「‥‥」
返事がないので王子を蹴り飛ばした。男は慌てふためき床を這う。俺はその姿に苛立ちと同時に欲情していた。王の息子が生きている。俺の腹違いの弟。一族を殺した元凶はこの男の母親だ。残忍な女だった。あれは死んだだろうか?
「母親は死んだか?」
「‥皆が死んだ。生き残ったのは私だけだ。どうか、ここで殺して欲しい。生き恥を晒したくない」
「‥俺を知っているか?」
「‥?」
「俺は生き恥を晒した。お前も生きて苦しむといい。そうだな‥傷は深い方がいい」
男を空き部屋に無理やり連れ込む。室内は乱れていたがベッドは使える。女物の衣服を脱がせると薄衣姿。衣服で手首を背後で縛って、ベッドに倒す。薄衣を着せたまま唇を奪い胸を弄る。
乳首をひねり苦痛で顔が歪む。涙に濡れた顔を覗き込む。
「俺の顔に見覚えはないか?」
「知らない!卑怯な真似を!」
「知らないか‥」
腹違いの弟は俺を知らないらしい。なんとも薄情なことだ。足を大きく広げると後孔に猛りをあてがった。震える腰を掴み一気に挿入する。拒む蕾が肛交が初めてであることを知らせる。みきみきと蕾を押し広げ太い部分をつぎ込む。男が悲鳴を上げた。
蕾は血を流しぬらぬらと滑る。血液を潤滑剤として抜き差しを始める。狭い内部は俺の牡を締め付けるが、快感より痛みが強い。それでも、何度も抜き差しするたびにぐちゃぐちゃと血の泡が溢れ滑りを良くする。男は哀れに終わりを懇願する。あまりにも哀れで俺まで泣きたくなる。
復讐を果たした。これからどう生きる?どう死ねばいい?
「くっ!」
「あっ、あぁ‥」
男の中に白濁を散らす。そうだ、まだ俺の復讐は終わっていない。この男が生きている限り、俺の復讐は続く。こいつが生きている限り‥俺の命も続く。復讐のためにお前を生かす。俺が生きるためにお前を生かす。
「お前は俺が貰う。」
「馬鹿なことを!」
「王子が女の格好をして逃げ回り‥兵に犯された。淫乱で恥知らずの王子として生きるか?それとも、俺と共に庶民として暮らすか‥選べ。」
俺は一物を男の体内から抜き去った。男はびくっと体を震わせる。不意に子供の頃に王城で遊んだ記憶が蘇る。昔の様に髪を撫でると男はガクガクと震えだし、そして失神した。
「呆れた。弱い男だ‥」
俺は部屋を出て死んだ仲間の兵を部屋に引きずり込んだ。そして、遺体から軍服を剥ぎ取り男に着せる。裸の遺体には王子が着ていた女の衣装を被せる。
「運ぶぞ」
気絶した王子に声をかけて、肩に担ぐ。意外と重くてよろめく。負傷兵を背負う兵に見えるだろうか。うまく行けば、隣国に辿り着けるだろう。今では隣国がわが祖国。
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