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三国志シリーズ
司馬徽(しばき)と諸葛亮孔明
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◆◆◆◆◆
司馬徽(しばき)と諸葛亮孔明
◇◇◇
「司馬徽先生、諸葛亮は夢想家のけがあります。先生から勉学に向う姿勢を彼に指導して下さい!」
「ほほう、夢想家ねえ。例えば?」
「今は軍略を学ばせていますが、彼は存在しない武器や道具を以て攻城の策を立てるのです。その策は無理だと指摘すれば、自分が武器を開発するから大丈夫などと言い訳をするのです」
「なるほど。善き、善き」
「『善き、善き』ではありません、先生!」
「そう目くじらを立てることもなかろう。それで、夢想家の諸葛亮が考えた武器とは、どのようなものなのかな?」
「彼が書いた落書きならありますが、ご覧になりますか?」
「ああ、見たいね」
「これです」
「なるほど‥‥。」
「ただの落書きですよ」
「んー?これは何の絵かな?」
「大量の補給物資を運ぶことができる手押し車とか言ってましたね。『木牛』か『流馬』と呼んでほしいと言ってました」
「へぇ~。面白いね。これは?」
「これは『連弩』ですね。連発式の弩で10本の矢を装填し、連発で打ち出すことができるそうです。」
「おお、それはすごい!」
「子供の落書きです。ただの空想の産物に、先生が興奮しないで下さい」
「まあまあ、これはなに?」
「攻城の際に使う折り畳み式の『はしご』だそうです。諸葛亮は『雲梯』と名付けていましたね。これは鋼鉄製の全身鎧で、『満袖鎧鉄帽』だそうです。」
「ふふふ」
「先生、不気味な声で笑わないで下さい」
「いやぁ、善き、善き」
「先生!」
「このまま自由にさせてあげなさい。他の学問に遅れはないのだろ?」
「全てが優秀だから勿体ないのです。諸葛亮がただの夢想家で終わるのが嫌なのです」
「君は彼をよく見ている。その才能を見抜いている。だが、その才能を己の願望で歪めて駄目だ。わかるかい?」
「‥‥先生がそう仰るなら」
「善き、善き」
「先生はそればかり」
◇◇◇
「あ、水鏡せんせい!」
「学問は楽しいか、諸葛亮?」
「はい、楽しいです!!」
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司馬徽(しばき)と諸葛亮孔明
◇◇◇
「司馬徽先生、諸葛亮は夢想家のけがあります。先生から勉学に向う姿勢を彼に指導して下さい!」
「ほほう、夢想家ねえ。例えば?」
「今は軍略を学ばせていますが、彼は存在しない武器や道具を以て攻城の策を立てるのです。その策は無理だと指摘すれば、自分が武器を開発するから大丈夫などと言い訳をするのです」
「なるほど。善き、善き」
「『善き、善き』ではありません、先生!」
「そう目くじらを立てることもなかろう。それで、夢想家の諸葛亮が考えた武器とは、どのようなものなのかな?」
「彼が書いた落書きならありますが、ご覧になりますか?」
「ああ、見たいね」
「これです」
「なるほど‥‥。」
「ただの落書きですよ」
「んー?これは何の絵かな?」
「大量の補給物資を運ぶことができる手押し車とか言ってましたね。『木牛』か『流馬』と呼んでほしいと言ってました」
「へぇ~。面白いね。これは?」
「これは『連弩』ですね。連発式の弩で10本の矢を装填し、連発で打ち出すことができるそうです。」
「おお、それはすごい!」
「子供の落書きです。ただの空想の産物に、先生が興奮しないで下さい」
「まあまあ、これはなに?」
「攻城の際に使う折り畳み式の『はしご』だそうです。諸葛亮は『雲梯』と名付けていましたね。これは鋼鉄製の全身鎧で、『満袖鎧鉄帽』だそうです。」
「ふふふ」
「先生、不気味な声で笑わないで下さい」
「いやぁ、善き、善き」
「先生!」
「このまま自由にさせてあげなさい。他の学問に遅れはないのだろ?」
「全てが優秀だから勿体ないのです。諸葛亮がただの夢想家で終わるのが嫌なのです」
「君は彼をよく見ている。その才能を見抜いている。だが、その才能を己の願望で歪めて駄目だ。わかるかい?」
「‥‥先生がそう仰るなら」
「善き、善き」
「先生はそればかり」
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「あ、水鏡せんせい!」
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