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三国志シリーズ
郭嘉怒る。『正史』と『演義』の違い。
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#創作BL #BL小説 #AIイラスト #BL漫画
「曹操さまに進言いたします!」
「郭嘉か。申してみよ」
「赤壁の戦いについての、曹操さまのお立場をお聞きしたいのです。」
「傷口を抉るな、郭嘉。しかし、お前は赤壁の戦いの折には、既に亡くなっていた。そのお前が赤壁の戦いについて語るのはおかしくないか?」
「おかしくはありません。天に昇った私は星となり曹操さまを見守っておりました。曹操さまが『郭嘉がおれば負けはしなかった』と仰って下さった事には感謝しております」
「お前は文若ほど儒家に縛られていないのがよい。まあ、能力的には文若が上だとは思うがな」
「酷いです、曹操さま!」
「怒るな、奉孝。で、赤壁の戦いについて何か言いたいことがあるのだろ?申してみよ」
「では申し上げます。赤壁の戦いの描写が『正史』と『三国志演義』では余りに異なります。『演義』における劉備どのや諸葛亮どのへの贔屓は目に余ります。」
「ふむ、まあそうだな」
「特に呉の周瑜どのに対する扱いがあまりにひどい!公瑾どのは諸葛亮どのの当て馬にするなど、公瑾どののキャラを活かしきれていません。美貌が悔しげに歪む描写は美味しいですが、もっと周瑜どのの活躍を見たい!」
「まて、郭嘉。お前は魏の軍師であろう。何故呉の周瑜に肩入れする。もしや、呉に通じておったのか!?」
「嘆かわしや、曹操さま。私は身体にむち打ち曹操さまに仕えたというのに疑うのですか‥‥ホントに酷い」
「悪かった、奉孝。」
「‥この様に明らかに蜀よりの『演義』において、曹操さまは喜々としてその役を演じておられます。『正史』よりも『演義』を好んでおられる様に見えます。魏の王となられる方がなぜ蜀におもねるのですか、曹操さま!」
「ふ、決まっている。『演義』では俺の前に赤兎馬に跨り立ちふさがる関羽が現れるのだぞ!この機会を逃してたまるものか!あの関羽が義を通し俺を見逃すのだ。主である劉備を裏切るあの瞬間を‥逃せるはずがない。」
「やはり‥‥関羽どのが原因でしたか。そうだとは思っておりました。関羽どのに贈り物を贈り続けた曹操さまらしいです。まあ、受け取ることなく逃げ出したわけですが‥それほど関羽どのが好きですか」
「あれは傑物だからな。劉備には勿体ない。とにかく、俺は『演義』を支持する。文句はあるまい、郭嘉」
「くっ、曹操さまがそれでよろしいのなら。確かに、『演義』における曹操さまは格好いいですものね。悪役キャラにある独特の魅力があります」
「そうだろ?」
「ですが、私は『正史』の曹操さまが大好きです。誰よりも貴方は優れておいでです。軍略も政策も誰にも負けない。優れた部下に慕われておられた。だから、私は曹操さまに仕えたのです。」
「郭嘉、俺はお前に相応しい主だったか?」
「勿論です、曹操さま」
「それは良かった。しかし、奇妙な夢を見ているな」
「これは夢ではありません。周りに集うは曹操さまの手足となり戦い、そして亡くなった者たちです」
「なるほど、ここは死者の国か。ならば、俺は死んだのだな」
「はい、曹操さまはお亡くなりなりました。ですから、こうして郭嘉がお迎えにあがったのです」
「女人に迎えに来てもらいたかったが‥‥まあ、郭嘉ならばよいか」
「孟徳さま」
「奉孝、死者の国を案内しろ」
「はい!」
「曹操さまに進言いたします!」
「郭嘉か。申してみよ」
「赤壁の戦いについての、曹操さまのお立場をお聞きしたいのです。」
「傷口を抉るな、郭嘉。しかし、お前は赤壁の戦いの折には、既に亡くなっていた。そのお前が赤壁の戦いについて語るのはおかしくないか?」
「おかしくはありません。天に昇った私は星となり曹操さまを見守っておりました。曹操さまが『郭嘉がおれば負けはしなかった』と仰って下さった事には感謝しております」
「お前は文若ほど儒家に縛られていないのがよい。まあ、能力的には文若が上だとは思うがな」
「酷いです、曹操さま!」
「怒るな、奉孝。で、赤壁の戦いについて何か言いたいことがあるのだろ?申してみよ」
「では申し上げます。赤壁の戦いの描写が『正史』と『三国志演義』では余りに異なります。『演義』における劉備どのや諸葛亮どのへの贔屓は目に余ります。」
「ふむ、まあそうだな」
「特に呉の周瑜どのに対する扱いがあまりにひどい!公瑾どのは諸葛亮どのの当て馬にするなど、公瑾どののキャラを活かしきれていません。美貌が悔しげに歪む描写は美味しいですが、もっと周瑜どのの活躍を見たい!」
「まて、郭嘉。お前は魏の軍師であろう。何故呉の周瑜に肩入れする。もしや、呉に通じておったのか!?」
「嘆かわしや、曹操さま。私は身体にむち打ち曹操さまに仕えたというのに疑うのですか‥‥ホントに酷い」
「悪かった、奉孝。」
「‥この様に明らかに蜀よりの『演義』において、曹操さまは喜々としてその役を演じておられます。『正史』よりも『演義』を好んでおられる様に見えます。魏の王となられる方がなぜ蜀におもねるのですか、曹操さま!」
「ふ、決まっている。『演義』では俺の前に赤兎馬に跨り立ちふさがる関羽が現れるのだぞ!この機会を逃してたまるものか!あの関羽が義を通し俺を見逃すのだ。主である劉備を裏切るあの瞬間を‥逃せるはずがない。」
「やはり‥‥関羽どのが原因でしたか。そうだとは思っておりました。関羽どのに贈り物を贈り続けた曹操さまらしいです。まあ、受け取ることなく逃げ出したわけですが‥それほど関羽どのが好きですか」
「あれは傑物だからな。劉備には勿体ない。とにかく、俺は『演義』を支持する。文句はあるまい、郭嘉」
「くっ、曹操さまがそれでよろしいのなら。確かに、『演義』における曹操さまは格好いいですものね。悪役キャラにある独特の魅力があります」
「そうだろ?」
「ですが、私は『正史』の曹操さまが大好きです。誰よりも貴方は優れておいでです。軍略も政策も誰にも負けない。優れた部下に慕われておられた。だから、私は曹操さまに仕えたのです。」
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「勿論です、曹操さま」
「それは良かった。しかし、奇妙な夢を見ているな」
「これは夢ではありません。周りに集うは曹操さまの手足となり戦い、そして亡くなった者たちです」
「なるほど、ここは死者の国か。ならば、俺は死んだのだな」
「はい、曹操さまはお亡くなりなりました。ですから、こうして郭嘉がお迎えにあがったのです」
「女人に迎えに来てもらいたかったが‥‥まあ、郭嘉ならばよいか」
「孟徳さま」
「奉孝、死者の国を案内しろ」
「はい!」
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