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ツイノベ
再生の泉
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#創作BL #ツイノベ
異世界転生した受けはこの世界がゲームだと知っている。魔王討伐のパーティーメンバーだが本来は途中で死んでいたキャラ。未来を予見して死なずに最終決戦に挑む。受けはこの闘いでヒロインが死ぬ事を知っていた。その未来を変えたくてラストまでついてきた。
ヒロインが死ねば勇者が悲しむ。そして心に傷を追ったまま生きていく。それは受けにとり耐え難かった。なぜなら、勇者が好きだから。受けはゲームが終わったあとも勇者には笑っていてほしかった。
魔王が出現。
そして、必死になって戦うパーティーメンバーたち。そして、魔王は倒れた。誰もが喜び気が緩む。だけど、魔王には第2形態があった。第2形態になった魔王が放つ火焔は不可避。
でも、受けは未来を知っている。受けはヒロインが火焔に巻き込まれる直前で彼女を突き飛ばした。ヒロインは難を逃れたが、受けは両腕を喪った。火焔で腕を飛ばされた受けは気を失い戦いから離脱する。
結果としては、勇者パーティーは第2形態の魔王も倒して王都に凱旋した。
だが、ヒロインが救われた筈なのに、勇者は酷く落ち込んでいた。勇者に笑ってほしかったのに、これでは腕をなくした意味がない。受けは魔法治療を受けたが、腕は元に戻ることなく常に痛みに襲われた。
そんな受けのそばには常に勇者がいた。勇者は自分の不注意を詫て暗い顔をするばかり。こんな勇者を受けは望んでいなかった。受けは勇者にもう病院には来ないように告げる。ショックをうける勇者は病床を後にする。
受けはその夜病院を後にした。王都をでた受けはとあるダンジョンに向かっていた。そのダンジョンの最下層には再生の泉がある。これは本筋とは関係ないミッションで、勇者たちも再生の泉の存在をしらない。とにかく難易度が高く、レベルをカンストしていないと再生の泉にはたどり着けない。
それでも、受けはダンジョンに入った。多くの魔物に肉体を食われながらも、受けは再生の泉に向かう。腕は肘から下はないが足はある。足回りに強化魔法をかけて一気にダンジョンをくだる。
受けは死ぬためにダンジョンに潜った訳では無い。再生の泉の近くの宝物箱には、ダンジョンを一気に離脱する指輪がある。体がほぼ無くなっても生きていれば、再生の泉で回復させられる。腕が蘇るば勇者は笑ってくれるだろうか?
だが、受けは泉にたどり着けなかった。足をやられて地に這うと一気に魔物に喰われた。激しい痛みに死を予期した時、それは起こった。
勇者が魔物を蹴散らし受けの元に駆けつけたのだ。勇者は受けを責めはしなかった。ただ、愛していると言った。愛しているから死に向かうなと言う。
受けは驚きそれでも嬉しくて、泣き出していた。受けは勇者に再生の泉の件を伝え、死ぬつもりでダンジョンに潜った訳では無いと伝えた。すると、勇者に怒られた。もう一人で行動させないと宣言された。勇者は受けを担ぎ上げると、ダンジョンの最下層に向かう。
勇者はすでにレベルをカンストしているようで、魔物を次々に蹴散らした。ときにはゲームの知識で攻略アドバイスをしながら進む。
そして、二人は再生の泉にたどり着いた。身を喰われた受けは辛うじて生きていて、再生の泉に身を沈めると徐々に身が再生した。
元の姿に戻った時、勇者は安堵して久しぶりの笑顔を見せた。受けは胸をキュンキュンさせながら、ダンジョン脱出のために宝箱を開ける。そして、アイテムの指輪を取り出した。受けは勇者に指輪の効力を説明する。
勇者は驚きながらもその指輪を受け取る。そして、受けの薬指に指輪をはめると勇者は指先にキスをした。パートナーになって欲しい。勇者の告白に受けは頷くことしかできなかった。
受けと勇者は互いに抱き合いながら、指輪をかざす。
ダンジョンを脱出するために。そして、二人で未来を歩むために。
おわり
異世界転生した受けはこの世界がゲームだと知っている。魔王討伐のパーティーメンバーだが本来は途中で死んでいたキャラ。未来を予見して死なずに最終決戦に挑む。受けはこの闘いでヒロインが死ぬ事を知っていた。その未来を変えたくてラストまでついてきた。
ヒロインが死ねば勇者が悲しむ。そして心に傷を追ったまま生きていく。それは受けにとり耐え難かった。なぜなら、勇者が好きだから。受けはゲームが終わったあとも勇者には笑っていてほしかった。
魔王が出現。
そして、必死になって戦うパーティーメンバーたち。そして、魔王は倒れた。誰もが喜び気が緩む。だけど、魔王には第2形態があった。第2形態になった魔王が放つ火焔は不可避。
でも、受けは未来を知っている。受けはヒロインが火焔に巻き込まれる直前で彼女を突き飛ばした。ヒロインは難を逃れたが、受けは両腕を喪った。火焔で腕を飛ばされた受けは気を失い戦いから離脱する。
結果としては、勇者パーティーは第2形態の魔王も倒して王都に凱旋した。
だが、ヒロインが救われた筈なのに、勇者は酷く落ち込んでいた。勇者に笑ってほしかったのに、これでは腕をなくした意味がない。受けは魔法治療を受けたが、腕は元に戻ることなく常に痛みに襲われた。
そんな受けのそばには常に勇者がいた。勇者は自分の不注意を詫て暗い顔をするばかり。こんな勇者を受けは望んでいなかった。受けは勇者にもう病院には来ないように告げる。ショックをうける勇者は病床を後にする。
受けはその夜病院を後にした。王都をでた受けはとあるダンジョンに向かっていた。そのダンジョンの最下層には再生の泉がある。これは本筋とは関係ないミッションで、勇者たちも再生の泉の存在をしらない。とにかく難易度が高く、レベルをカンストしていないと再生の泉にはたどり着けない。
それでも、受けはダンジョンに入った。多くの魔物に肉体を食われながらも、受けは再生の泉に向かう。腕は肘から下はないが足はある。足回りに強化魔法をかけて一気にダンジョンをくだる。
受けは死ぬためにダンジョンに潜った訳では無い。再生の泉の近くの宝物箱には、ダンジョンを一気に離脱する指輪がある。体がほぼ無くなっても生きていれば、再生の泉で回復させられる。腕が蘇るば勇者は笑ってくれるだろうか?
だが、受けは泉にたどり着けなかった。足をやられて地に這うと一気に魔物に喰われた。激しい痛みに死を予期した時、それは起こった。
勇者が魔物を蹴散らし受けの元に駆けつけたのだ。勇者は受けを責めはしなかった。ただ、愛していると言った。愛しているから死に向かうなと言う。
受けは驚きそれでも嬉しくて、泣き出していた。受けは勇者に再生の泉の件を伝え、死ぬつもりでダンジョンに潜った訳では無いと伝えた。すると、勇者に怒られた。もう一人で行動させないと宣言された。勇者は受けを担ぎ上げると、ダンジョンの最下層に向かう。
勇者はすでにレベルをカンストしているようで、魔物を次々に蹴散らした。ときにはゲームの知識で攻略アドバイスをしながら進む。
そして、二人は再生の泉にたどり着いた。身を喰われた受けは辛うじて生きていて、再生の泉に身を沈めると徐々に身が再生した。
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勇者は驚きながらもその指輪を受け取る。そして、受けの薬指に指輪をはめると勇者は指先にキスをした。パートナーになって欲しい。勇者の告白に受けは頷くことしかできなかった。
受けと勇者は互いに抱き合いながら、指輪をかざす。
ダンジョンを脱出するために。そして、二人で未来を歩むために。
おわり
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