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ツイノベ
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#ツイノベ
異世界に転移した受け。森の中でフラフラと迷っていると、魔物に出食わした。必死に逃げる受け。でも、魔物は執拗に追いつめる。ついには魔物に追いつかれ地面に転がる受け。
そこに颯爽と現れたのは冒険者パーティー。彼らはあっと言う間に魔物を殺す。受けはぼんやりと彼らの様子を伺う。しばらくすると、パーティーのリーダーが現れて受けに話しかけてきた。しかし、言葉が通じない。ワタワタしているうちに、受けはリーダーに抱き上げられる。
受けは冒険者パーティーと行動をともにすることになる。言葉は通じないがリーダーは何呉れと世話を焼く。それに甘える受け。
だけど、それを快く思わないパーティー仲間が受けを騙して一人森の中に連れ出す。彼女はリーダーが好きだった。突然現れリーダーの周りをウロウロする受けに苛立ちを感じていた。女は受けの足を斬りつけて動けなくすると、そのままパーティーの元に戻ってしまう。
血を流す受けに迫る魔物の影。必死に草むらに潜むが魔物は近づく。ブルブルと震える受けは魔物に背を向けてうずくまる。そんな受けの足に触れた魔物は血に塗れた傷を舐めて癒やす。痛みが無くなったことに驚いた受けは振り返り、そこに人外の存在を見た。
美しい毛皮に覆われた人外は受けの匂いをクンクンと嗅ぐと、気に入ったようでそのまま受けを抱き上げる。食われると思い泣き出す受けを人外は優しく頬を舐める。その行為に受けが優しさを感じたその時、不意に人外が警戒を示し唸りながら視線を彷徨わせる。
その視線の先にパーティーのリーダーが立っていた。彼は必死の形相で覚えたばかりの受けの名を呼ぶ。それに反応した受けは、初めて異世界の言葉でリーダーの名を呼び返した。
二人の間に特別な絆を感じた人外は受けを優しく舐めた後、その場に受けを残して去っていく。受けの元に駆け寄るリーダーは警戒しつつも受けを抱きしめる。受けは泣きながらリーダーを抱き返した。
リーダーは受けの足の傷が人がつけたものと判断すると、犯人を見つけだし容赦なく女の足を斬りつける。そして、冒険者パーティーを解散した。受けはリーダーの激しい一面に少し怯えを感じながらも、彼からの交際の申込みに応じる。
言葉を少しづつ覚えてゆく受けは、リーダーの囲いから出て異世界で自由を謳歌するようになる。だが、それをリーダーは許さなかった。リーダーの束縛は強まり囲いは強固になってゆく。
危機を感じた受けは、ある日隙をついて森に向かった。何故か、受けには例の森にあの人外が自分を待っているように感じていた。必死に走り森に向かう受け。そして、たどり着くとそこには人外が受けを待っていた。人外は優しく受けを抱き上げると、森の中を疾走した。そして、彼らは森の奥深くで二人で暮らしはじめる。
時折、リーダーが森に来て受けを探していたが、受けは彼の前に現れることはなかった。人外は優しい囲いの中に受けを閉じ込めたが、そこは心地よく受けの心を癒やした。
人外はまもなく受けとペアになり愛し合い、受けの寿命が尽きるまでその人生の連れ合いとなった。
おわり
異世界に転移した受け。森の中でフラフラと迷っていると、魔物に出食わした。必死に逃げる受け。でも、魔物は執拗に追いつめる。ついには魔物に追いつかれ地面に転がる受け。
そこに颯爽と現れたのは冒険者パーティー。彼らはあっと言う間に魔物を殺す。受けはぼんやりと彼らの様子を伺う。しばらくすると、パーティーのリーダーが現れて受けに話しかけてきた。しかし、言葉が通じない。ワタワタしているうちに、受けはリーダーに抱き上げられる。
受けは冒険者パーティーと行動をともにすることになる。言葉は通じないがリーダーは何呉れと世話を焼く。それに甘える受け。
だけど、それを快く思わないパーティー仲間が受けを騙して一人森の中に連れ出す。彼女はリーダーが好きだった。突然現れリーダーの周りをウロウロする受けに苛立ちを感じていた。女は受けの足を斬りつけて動けなくすると、そのままパーティーの元に戻ってしまう。
血を流す受けに迫る魔物の影。必死に草むらに潜むが魔物は近づく。ブルブルと震える受けは魔物に背を向けてうずくまる。そんな受けの足に触れた魔物は血に塗れた傷を舐めて癒やす。痛みが無くなったことに驚いた受けは振り返り、そこに人外の存在を見た。
美しい毛皮に覆われた人外は受けの匂いをクンクンと嗅ぐと、気に入ったようでそのまま受けを抱き上げる。食われると思い泣き出す受けを人外は優しく頬を舐める。その行為に受けが優しさを感じたその時、不意に人外が警戒を示し唸りながら視線を彷徨わせる。
その視線の先にパーティーのリーダーが立っていた。彼は必死の形相で覚えたばかりの受けの名を呼ぶ。それに反応した受けは、初めて異世界の言葉でリーダーの名を呼び返した。
二人の間に特別な絆を感じた人外は受けを優しく舐めた後、その場に受けを残して去っていく。受けの元に駆け寄るリーダーは警戒しつつも受けを抱きしめる。受けは泣きながらリーダーを抱き返した。
リーダーは受けの足の傷が人がつけたものと判断すると、犯人を見つけだし容赦なく女の足を斬りつける。そして、冒険者パーティーを解散した。受けはリーダーの激しい一面に少し怯えを感じながらも、彼からの交際の申込みに応じる。
言葉を少しづつ覚えてゆく受けは、リーダーの囲いから出て異世界で自由を謳歌するようになる。だが、それをリーダーは許さなかった。リーダーの束縛は強まり囲いは強固になってゆく。
危機を感じた受けは、ある日隙をついて森に向かった。何故か、受けには例の森にあの人外が自分を待っているように感じていた。必死に走り森に向かう受け。そして、たどり着くとそこには人外が受けを待っていた。人外は優しく受けを抱き上げると、森の中を疾走した。そして、彼らは森の奥深くで二人で暮らしはじめる。
時折、リーダーが森に来て受けを探していたが、受けは彼の前に現れることはなかった。人外は優しい囲いの中に受けを閉じ込めたが、そこは心地よく受けの心を癒やした。
人外はまもなく受けとペアになり愛し合い、受けの寿命が尽きるまでその人生の連れ合いとなった。
おわり
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