49歳でもBL妄想できます！【オタクにも寿命があるのか！？】

ライ麦畑のラブホテル

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パパ活相手が車で待ち合わせ場所に来たので、俺は素早く助手席に乗り込んだ。男は俺の顔を見ると満足そうに頷く。交渉はこれで成立。

「どこか行きたいとこある？」

男は車を走らせながら俺に話しかける。即セックスではなくどこかに連れて行ったくれるらしい。でも、それもだるい。さっさとセックスして金がほしい。

「じゃあ、ライ麦畑に連れて行って」

俺がふざけて答えると男は難しい顔をして応じる。

「サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』かい？君はサリンジャーが好きなのか。でも、悪いがこの辺りにライ麦畑はないと思うよ」

「そう‥ならいいや」
「‥‥田園風景でも見に行くかい？」

男が真面目に聞くので俺はつい笑ってしまった。運転する男の横顔を見ながら話しかける。

「そんなに真面目に受け取らないでよ。タダの冗談。あのさ、俺は家出中でお金が必要なの。だから、俺に興味あるなら‥‥抱いてよ。で、お金を頂戴」

男は僅かに肩を震わせる。

「家出中なのか‥どうしてまた？」
「虐待されたって言ったら信じる？」
「‥それは、もちろん」
「なら、それ以上の質問はやめてよ」

男が沈黙する。機嫌を損ねただろうか。でも、まあ‥金が貰えたらそれでいい。

「ラブホテル行こ」
「ライ麦畑は？」

「んー、ライ麦畑の端っこで俺が落っこちそうになったらあんたが捕まえてよ」

「ああ、君がサリンジャーが好きだってことはわかった。私もサリンジャーは好きだよ」

サリンジャー好きの小児性愛者か。
いや、俺はもう中３だから‥‥。

そう思った時、車がラブホテルの駐車場に入っていった。俺は少しだけ目を細めて、派手なラブホテルの外観を見上げた。

ライ麦畑で誰も捕まえてくれなかったからここにいる‥‥それだけの事。



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