デリヘル不感症Ωは牙童貞αにうなじ貸します。

月歌(ツキウタ)

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デリヘル不感症Ωは牙童貞αにうなじ貸します。

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◆◆◆◆◆

デリヘルの待機室で漫画を読んでいると、マネージャーに声を掛けられた。

春樹はるきくん、指名が入ったよ。今からホテルに行ってくれる?」
「あ、は~い。牙おろしコースですか?」

「牙おろし希望の客だ。相手にはセックスなしと伝えたが、心配ならセックス担当もつけるが‥‥どうする?」

「じゃあ、まきさんつけて下さい」
「了解」

マネージャーが牧を呼ぶために部屋を出た。俺は漫画を棚に戻して身だしなみを整える。デリヘル待機室はエロい風呂屋の三階にある。

「春樹、おまたせ」
「ん、髪が濡れてるね?」

「客の相手してたからな。マネージャーに呼ばれたから、セックスなしで抜け出せた」

「客はセックスなしで怒らなかった?」

「風呂屋は自由恋愛が建前だからな。セックスなしでも客は文句は言えないさ」

「まあ、そうだけどさ」

俺も牧も30歳を超えた年増のデリヘルΩだ。牧は最近はデリヘルの指名が入らないので、併設のエロいお風呂でも働いている。

「俺はセックス担当だな」
「セックスなしコースだけど、一応お願い」
「了解。じゃあ、行くか」

牧はΩなのに体格がいい。可愛い系Ωが次々と婚姻するなかで行き遅れてしまい、水商売の道に入った。俺も同様で不感症Ωの体質のために貰い手がなく、水商売をしている。

牧とは気が合う。こいつがαだったら良かったのに。俺は牧の腕に自身の腕を絡めながら話しかける。

「なぁ、いっそ二人で暮らさない?」
「春樹とか?まあ、悪くはないな」
「マジで?」
「俺たちに白馬のαが現れると思うか?」
「思わね~w」

そんな話をしながら俺たちはホテルに向かった。客が指定したホテルはラブホテルではなく高級ホテル。それだけで少しテンションが上がる。


◇◇◇

ホテルの部屋に着くとすぐにインターホンを鳴らした。扉が開き俺たちは招き入れられる。二人で中に入り驚いた。客の顔に見覚えがあったからだ。

「赤汁王子だ!」
「確かに、赤汁王子だ!」
「その呼び名はやめてくれないか」

α男は眉間にピキっとシワを寄せた。赤汁王子とはトマトのダイエット製品で一発当てた実業家だ。脱税で一度捕まったが、商品の売上は好調で会社も潤ってるらしい。

つまり、金持ち!

「‥‥店の者からセックス担当を送ると聞いたが、どちらがセックス担当だ?」

「私です。牧と申します」

「では、君は必要ない。部屋を別に用意するから出ていってくれるか?」

「それは困ります。私は彼の護衛も兼ねていますので。彼はセックスは不可となっております」

牧の言葉にさらにαは顔を顰める。そして、俺を見つめて口を開いた。

「俺は約束は守る。俺がしたいことは、牙おろしだ。近々、α女子を嫁に迎える。その前に‥‥番う訓練をしておきたい」

あー、なるほど。相手がα女なのか。一発番に失敗したら一生罵られるだろうな。

「お気持ちよく分かります。貴方の助けとなるために、俺のような不感症Ωが生まれたに違いありません。さあ、存分にうなじを噛んで下さい!」

俺は早速首のリングを外した。大事なリングなので牧に手渡す。牧もリングを嵌めているが、彼は不感症ではないので外さない。一步控えた場所で、牧は静かに立つ。

「なんとお呼びすれば?」
「アキラと呼べ。」

赤汁王子の名前は知らないが偽名だろう。しかし、適当に名前を決めたな。

「では、俺の事は春樹とお呼びください」
「‥‥本名か?」
「まさか!お互いに偽名の方が後腐れなく楽しめますので‥‥」

俺がそう言って笑うと、αは戸惑った表情を浮かべる。ん?なんだ?

「アキラは本名だ」
「え!そうなのですか。では、赤汁王子と呼びましょうか?」

「赤汁王子は記憶から消せ!」
「えーと、では‥‥アキラさんで」
「ああ、それでいい」

不意にアキラに抱き寄せられた。そして首筋に唇を寄せられる。俺は思わずびくって震えた。アキラが俺の髪を優しく撫でて耳元で囁く。

「番われるのが怖いのか?」
「‥‥少し」
「商売なのに?」
「不感症でも‥‥Ωなので。」
「そうか」

ゆっくりと首筋に牙をあてがわれる。そして甘噛された。不感症の為、ドキドキはしないがなんとなく気分は乗ってきた。アキラの背中に腕を回し、首筋を噛みやすい角度に傾ける。

「誘っているのか、春樹?」
「誘っています。噛んで下さい、アキラ」

プッ

痛みが首筋に走る。よし、牙が来た‥‥ん?

プップッ、

いやいや、ズブっと来て。ん、もしや‥ED?えー、これは長くかかるかも。まじか。実業家のバリバリαがED牙とは!大スクープ。いや、それよりも。俺は仕事をしないと。

「アキラさんベッドに運んで」
「‥‥‥すまない」

アキラが牙を抜き謝る。うわ、傷ついてる。傷ついてるぞ。αは繊細だからな~。

「何度でも試して下さい。でも、立ったままは辛いのでベッドで」
「分かった」

αが俺を抱き上げる。そして、ベッドにやさしく寝かす。うーむ。こりゃ、性格が優しすぎるのかな?

「俺に覆いかぶさって、アキラさん。下半身を刺激しますので、ズボンをずらして貰っていいですか?」

「分かった」

分かってなかった。

「ち、違いますよ!俺のズボンじゃなくてアキラさんのズボンをずらして!」

「え、俺の?何のために?」
「気持ちよくなってもらう為です」

「君はセックスは不可だと聞いたが?」
「手技はだいじょうぶですよ」
「そ、そうか‥‥」

アキラがようやくズボンをずらす。うむ。勃起してた~。牙は勃起しないのに、下は勃起するのか。なによりだ。俺はじかに触れた。

「ぐっ、いきなりなにを!」
「アキラさん、首筋を噛んで。お願い」
「うっ、ああ、もちろんだ」

プッ、ズップ
ズップ、ズップ

「ぐぉ、っまて、そこは!」

亀頭を丹念に指でいじる。これは効くはず。よし、次は筋裏を刺激しながら‥‥。

ズブ、ズブズブ

「あっ、ああっ、中に‥‥牙が」
「ふぅ、ふぅ‥‥」

首筋にガッツリ牙が食い込んできた。よし、成功!っ、てちょいまて!俺の服を剥くな。待て待て!首をひねって無理やり牙を抜く。あ、やば。αの瞳だ。

「まって、アキラさん。んあっ!」
「番ったぞ。お前は俺のものだ。今すぐに抱くから安心しろ!」

「うお、お、牧!牧、こ、交代!!」

俺が逃げ出そうとしたら、アキラに羽交い締めにされた。うおー、ズボンがぁー。

「代わるぞ、春樹」
「まきー」

牧は裸だった。俺をアキラの腕から奪うと素早く男を捉えて口づけする。アキラは牧の唇をはげしく奪いながらも、俺のズボンを脱がしに掛かる。しつこい!俺はベッドから抜け出して床に転ぶ。だが、ズボンがない。

「くっ」
「あぁ、あっ」

ベッドではすでに二人は繋がっていた。早い。だが、アキラの手にはしっかり俺のズボンが握りしめられていた。うぁ~。

グチュグチュ

牧の中に挿入されたαの牡が太さをます。俺は目を逸らしてそのまま浴室に向かった。


◇◇◇◇


「すまなかった。我を忘れて襲ってしまった‥‥痛くはないか?」
「これが仕事ですから」

春樹は浴室に入ったのか。安堵の息を吐き男の相手をする。男のセックスは悪くない。良いところを突かれて声が漏れる。

「あっ、もっと‥‥奥にっ」
「くっ」

最奥を突かれるとぎゅっと中が締まる。発情期が近いのかもしれない。いつもより感じる。いや、春樹がそばにいるから‥余計に

「くっ、でる」
「んぁ‥‥はぁ、ああ、きたぁ」

中に熱い飛沫が広がる。しまった。コンドームをつけさせてない。生でやってしまった。

「はぁ、はぁ‥‥一回分のセックス代を頂きますね。」

俺は中から一物を抜き出して、銭勘定の話をした。αはまだ手に春樹のズボンを握ったままだ。それに苛立ちを感じる。

「‥‥‥それは構わないが。」
「何でしょうか?」
「私は春樹を番った。私はあれの面倒を見なくてはならない。」

「その必要はありません。彼は不感症ですので、番われてはいません。」

「そのようなことはあり得ない。αの俺が牙を食い込ませた。もう、俺のものだ」

俺は嗤ってαを見た。

「次も春樹を指名したいなら‥‥今の言葉は口にしないことです。彼の不感症は精神的なものですから‥‥αに屈したくないという意思表示です。支配欲を見せれば逃げられますよ」

「次も指名できるのか?」
「商売ですから‥‥彼は応じるでしょうね」
「ならば、その不感症が治れば‥‥俺のものになったと捉えていいんだな?」

「それは‥‥春樹が決めることです」
「なるほど」
「私は先に浴室に行きます。春樹が待っていますので」
「ああ、分かった」

αが憎い。春樹を奪う存在が憎い。俺はαから春樹のズボンを奪い寝室に向かった。


◇◇◇◇

「春樹、ズボン持ってきたよ」
「あ、終ったの?」

「ああ、終った。ちょい湯船に浸かってくる。春樹はもう入浴はすんだよな?」

そう牧に聞かれて、思わず黙り込む。牧が不思議そうに顔を覗き込む。

「どうした?入ってないのか?」
「お前のほうが働いてるし、先に入ってよ。いつも付き合わせてゴメンな、牧」

そういうと牧が笑った。

「なら、一緒に入ろうぜ。そうだ。あの客、常連になるかもしれない。金づるにはよろしくしとこうぜ。」

「太客をつかんだな、牧!」

「お前のお陰で太客を得た。俺たちコンビは無敵だろ。俺の懐もお前の懐も潤う。Win-Winだな。」

「うん!」

俺は早速服を脱いで牧と共に浴室に入った。牧の太ももに精液が伝いどきりとしたが黙っておくことにした。体を洗って一緒に湯船に浸かっていると、αが浴室に入ってきた。これは上客になる予感!

「三人で入りますか?」

俺がそう言うと、牧とアキラが同時に顔をしかめた。なんだよ。アキラは黙って湯船に入ってきた。狭い!!俺は牧とアキラの真ん中で狭い思いをして湯船に浸かる羽目になった。

デリヘル家業も楽じゃない!


◆◆◆◆◆◆

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