義兄に愛人契約を強要する悪役オメガですが、主人公が現れたら潔く身を引きます!

月歌(ツキウタ)

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ゲーム攻略4

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◆◆◆◆◆


陛下は僕の様子を伺いながら口を開いた。

「ライ、次は答えて欲しい。そうでなければ君の大切な人達を人質にとり、ライに答えを迫ることになる。アルフレートやラケールを人質にすれば・・話してくれるかな?」

「クリストフェル!」

「ケルスティン、私はレスキリアン国王だ。国の破滅を回避するために、ライに質問している。臣下なら、黙っていろ」

「っ!」
「父上・・」

これ以上の黙りは無理か。

「ライは先ほど『恋愛ゲーム』が好きだと言っていたね。君の言う『恋愛ゲーム』とは、この世界の事なのかな?」

僕は深呼吸をして深く息を吐き出した。覚悟を決めなくてはならない。

「陛下にお答え致します。この世界は僕が知る『恋愛ゲーム』と極めて良く似ています。僕と千年前の異世界人は、同じ世界の住人のようです。アーサーの側近は『ゲーム』を作る側で、僕は『ゲーム』を楽しむ側でした。でも、あくまでも『ゲーム』はその世界でのみ存在するもの。だから、異世界人も説明に困ったはずです。我々の常識ではこのような『ゲーム世界』はあるはずないのです。でも、存在した。もしも、そこに『神』が関与しているとしても、異世界人にも僕にも・・その正体を答えることはできません」

「答えになっていないぞ、ライ」

「陛下が知りたいのは、レスキリアン王国の破滅を回避する方法のはずですよね?何故なら、このまま『ゲーム主人公』のアンリ = プラデスの好感度が底辺をたどり、四人の『攻略対象者』の誰とも『友人レベル』以上に達しなかった場合・・最悪のシナリオが待っていますから」

「最悪のシナリオとはなんだ?」

「『レスキリアン創世記』の原本に書かれていたから、陛下は恐れているのでしょ?アンリ = プラデスが誰とも結ばれず友人にもなれなかった場合、陛下が暴君となるルートが開始します」

「やはり、私は暴君になるのか」
「・・クリストフェル」

「でも、そう心配しなくても大丈夫だとおもいますよ、陛下。この『恋愛ゲーム』は『☆下位オメガの僕を愛して☆』という題名なのですが、大人が楽しむゲームなので、陛下の暴君ルートに至る事は滅多にありません。わざとアンリの好感度を下げたら別ですけれど」

「大人が楽しむゲームとはなんだ?」
「大人が楽しむゲーム?」

父上と陛下が同じところに食いついた。やだ、父上の前で説明しろと・・くっ!

◆◆◆◆◆
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