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お茶会 6
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◆◆◆◆◆
ジャクソンの活躍により、水鏡は確保された。後は、陛下と父上の決闘を止めるだけだ。決闘に発展した経緯は不明だが、今は問うまい。よし!
「ジャクソン!」
「嫌だ!!」
「まだ何も言ってないよ?」
「お前の考えそうな事は分かっている。俺を死地に送るつもりだろ。断る!」
ジャクソンに、はっきりと断られてしまった。まあ、彼が父上と陛下の戦いに突入しても、斬り殺されるだけか。うーむ、モブのジャクソンでは無理か。
「ちっ」
「舌打ちをするな!」
「ルチア様ー!僕が行きます!」
アンリがピョンピョン跳ねながら、勇気ある発言をしてくれた。ジャクソンにより気絶させられた筈が、もう復活している。でも、アンリは主人公だから駄目だ。
「アンリは大切な存在だから、そんな無茶はさせられないよ!アンリは自身の体を大切にして」
「あぁ、ルチア様に僕は愛されてますぅ」
アンリが頬を染めて照れている。その様子を微笑ましく見守っていると、がしりと両肩を掴まれた。右側にアルフレート兄上。左側にラケール。
「ルチア、我慢できない。参戦してくる」
「俺も参戦したい!ロープで二人を!」
アルフレート兄上とラケールの瞳が、ギラギラしている。明かにアルファ性に目覚めてるよ。参戦って・・止める気ないし!
「二人の参戦は許しません。くっ、仕方ない。僕が父上と陛下を止めるしかない!」
「どうするつもりだい、ルチア?」
「いやいや、お前では無理だろ」
僕は深呼吸した後に、二人に作戦を伝えた。
「二人の動きを止めるために、ヒートを発動するけど・・襲わないでね?」
「うっ!」
「マジか!?」
二人が僕から身を離す。それを確認した後に、僕はヒートを発動した。
「はぁ、んっ・・あっ!」
全身が火照りだす。体がむずむずして、誰かに触れられたくなる。まさか、円卓の広間でフェロモンを放つ事になるなんて。なんて・・なんて、破廉恥で素敵なの!歴代の騎士に色々されたい~!
「ああんっ、だめえ、誰かぁ~ぁ」
抱きしめて。めちゃくちゃにして。孕ませて。僕を欲して。こんなにフェロモン出ちゃってます~。僕は美味しいですよぉ!
「おおぉ!立った!ペニスが立った!」
「貴様、お、俺の愛する弟にっ、くっ!」
ラケールとアルフレート兄上が、殴り合いを始めた。いや、二人が争ってどうするの!?僕は陛下と父上の争いを止める為に頑張っているのに。ん?
陛下がものすごい勢いで、こちらに走って来ていた。父上がその後を追う。
「さすがは、アルカディーの息子!可愛すぎる。寝室に向かい即座に子作りだ!」
「まて、息子に触れたら殺す!」
よし、釣れた。
陛下とベッドで子作りしよう!うにゃうにゃのあそこに、むにっむにのあれを・・いや、違う!崇高な目的を思い出せ!混乱するな!
「んぁ、ストップ!性欲、ストップ!」
上位オメガの誇りにかけて!
フェロモンを止める!
ヒートを止める!
「はぁ、はぁ、皆様・・冷静になりましょうね?陛下も父上も、剣を鞘に納めて下さい。そうでないと、二人の事を嫌いになっちゃいますよ?いいの?」
ヒートが止まった。円卓の広間にフェロモンは漂っているが、それほど濃厚ではない。この程度の濃度なら、上位アルファなら性欲を自制できるはず。
実際、陛下も父上も立ち止まった。アルフレート兄上もラケールも大丈夫そう。
「ルチア・・」
「え?」
呼ばれて振り返ると、ジャクソンが立っていた。真剣な表情を浮かべた彼の顔が、突然近づいてきた。そして、僕は唇を奪われていた。
「んっ・・んんっ」
「っ、つ・・ん」
しまった!
ジャクソンは下位アルファだった!
◆◆◆◆◆
ジャクソンの活躍により、水鏡は確保された。後は、陛下と父上の決闘を止めるだけだ。決闘に発展した経緯は不明だが、今は問うまい。よし!
「ジャクソン!」
「嫌だ!!」
「まだ何も言ってないよ?」
「お前の考えそうな事は分かっている。俺を死地に送るつもりだろ。断る!」
ジャクソンに、はっきりと断られてしまった。まあ、彼が父上と陛下の戦いに突入しても、斬り殺されるだけか。うーむ、モブのジャクソンでは無理か。
「ちっ」
「舌打ちをするな!」
「ルチア様ー!僕が行きます!」
アンリがピョンピョン跳ねながら、勇気ある発言をしてくれた。ジャクソンにより気絶させられた筈が、もう復活している。でも、アンリは主人公だから駄目だ。
「アンリは大切な存在だから、そんな無茶はさせられないよ!アンリは自身の体を大切にして」
「あぁ、ルチア様に僕は愛されてますぅ」
アンリが頬を染めて照れている。その様子を微笑ましく見守っていると、がしりと両肩を掴まれた。右側にアルフレート兄上。左側にラケール。
「ルチア、我慢できない。参戦してくる」
「俺も参戦したい!ロープで二人を!」
アルフレート兄上とラケールの瞳が、ギラギラしている。明かにアルファ性に目覚めてるよ。参戦って・・止める気ないし!
「二人の参戦は許しません。くっ、仕方ない。僕が父上と陛下を止めるしかない!」
「どうするつもりだい、ルチア?」
「いやいや、お前では無理だろ」
僕は深呼吸した後に、二人に作戦を伝えた。
「二人の動きを止めるために、ヒートを発動するけど・・襲わないでね?」
「うっ!」
「マジか!?」
二人が僕から身を離す。それを確認した後に、僕はヒートを発動した。
「はぁ、んっ・・あっ!」
全身が火照りだす。体がむずむずして、誰かに触れられたくなる。まさか、円卓の広間でフェロモンを放つ事になるなんて。なんて・・なんて、破廉恥で素敵なの!歴代の騎士に色々されたい~!
「ああんっ、だめえ、誰かぁ~ぁ」
抱きしめて。めちゃくちゃにして。孕ませて。僕を欲して。こんなにフェロモン出ちゃってます~。僕は美味しいですよぉ!
「おおぉ!立った!ペニスが立った!」
「貴様、お、俺の愛する弟にっ、くっ!」
ラケールとアルフレート兄上が、殴り合いを始めた。いや、二人が争ってどうするの!?僕は陛下と父上の争いを止める為に頑張っているのに。ん?
陛下がものすごい勢いで、こちらに走って来ていた。父上がその後を追う。
「さすがは、アルカディーの息子!可愛すぎる。寝室に向かい即座に子作りだ!」
「まて、息子に触れたら殺す!」
よし、釣れた。
陛下とベッドで子作りしよう!うにゃうにゃのあそこに、むにっむにのあれを・・いや、違う!崇高な目的を思い出せ!混乱するな!
「んぁ、ストップ!性欲、ストップ!」
上位オメガの誇りにかけて!
フェロモンを止める!
ヒートを止める!
「はぁ、はぁ、皆様・・冷静になりましょうね?陛下も父上も、剣を鞘に納めて下さい。そうでないと、二人の事を嫌いになっちゃいますよ?いいの?」
ヒートが止まった。円卓の広間にフェロモンは漂っているが、それほど濃厚ではない。この程度の濃度なら、上位アルファなら性欲を自制できるはず。
実際、陛下も父上も立ち止まった。アルフレート兄上もラケールも大丈夫そう。
「ルチア・・」
「え?」
呼ばれて振り返ると、ジャクソンが立っていた。真剣な表情を浮かべた彼の顔が、突然近づいてきた。そして、僕は唇を奪われていた。
「んっ・・んんっ」
「っ、つ・・ん」
しまった!
ジャクソンは下位アルファだった!
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