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厚生労働省性のネックチョーカーはすごい!

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山崎アルファは平然とした顔で、三日月アドバイザーに言い放つ。

「全く問題ない。これは私と優斗さんの婚活デートだ。むしろアドバイザーの君が同席する気であったことに驚く。君は駐車場で待つとよい。さあ、優斗さんサイゼリヤにいきましょう」

山崎さんに促されて、俺は三日月さんに背を向け店舗に向かう。

「暁月さま!」

「ごめんね、三日月さん。でも、貴方がベータ聖地のサイゼリヤに出入り禁止になるなんて‥‥そんな不幸を背負わせたくないよ」

何と言ってもサイゼリヤはベータの聖地だ。俺の選択は正しいはず!三日月はしばらく俺の顔を見つめた後に頷いた。

「わかりました‥‥暁月さまの意思を尊重します。では、我々は別グループとして店舗に入りましょう。同席したいところですが、できるだけ近い席を確保します」

三日月の言葉に山崎が立ち止まる。そしてちらりと三日月を見て口を開いた。

「ふん、ならばそうすればよい」

「そういたします、山崎さま。では、これより暁月さまの遠隔保護を開始します。」

「遠隔保護?」

俺が聞き返すと三日月はにっこりほほえむ。そして、自らの首に俺と同じ厚生労働省性のネックチョーカーをはめた。

「なにしてんの、三日月さん?」

三日月アドバイザーはネックチョーカーの位置を調整しながら、滔々と語り始める。

「厚生労働省性のネックチョーカーには、通信システムが搭載されております。暁月さまのネックチョーカーとペアリングすることにより、お二人の会話はチョーカーを通して私に届きます。不適切な会話を感知した際には、チョーカーを通して適切なアドバイスをさせていただきます。では、お先に店舗にどうぞ。」

相変わらず話が長い上に、三日月はストーカーだった!

「俺、嫌なんだけど!」
「貴方を守る為です、暁月さま」
「え~~~💦」

不意にアルファの低い声が響く。

「盗聴行為を恥ず事なく白状するとは、これだからベータは信用ならない。だが、やめろと言ってもやめないのだろうな、君は」

「やめません」
「そうか。」

山崎はしばらく三日月を睨んだあと、不意に俺に視線を向けた。そして、優しく微笑む。

「二人きりで貴方と食事ができるとは、私は幸運です。耽美小説について語り合いながら、楽しい時を過ごしましょう。」

「でも、盗聴されてますけど」

俺が指先でネックチョーカーをコツコツと叩くと、山崎は目を細めてつぶやく。

「忌々しいネックチョーカーだ。貴方のうなじは美しかったのに、隠すとはもったいないことだ。」

それはあっという間の出来事。山崎は俺を抱き寄せると、ネックチョーカー越しに噛みついた。

「あっ、んっあ‥‥」
「んっ‥‥っ!」

突然、山崎がチョーカーから牙を抜いた。それを追うように青い火花が散る。

「くそっ、スタンガン搭載か!」
「ヒエェーー!」

驚き硬直したが、俺自体に電気は流れない。どういう仕様なんだ!?とにかく、ヤバい。

「全く油断も隙もない。これだからアルファは信用ならないのです。では、説明も済んだことですし、サイゼリアに向かいましょうか?」

三日月アドバイザーがにっこり微笑む。いやぁ、なんか怖い~!


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