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ネックチョーカー
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◆◆◆◆
山崎さんの運転手付きセンチュリーに乗り込み、婚活デートに出掛ける事になった。座席の件で少し揉めたが、話し合いで決着。三日月ベータは助手席に、俺と山崎アルファは後部座席に座ることになった。
不服そうに助手席に乗り込む三日月。彼の腕を俺は掴んで身を寄せて小さな声で忠告した。
「三日月さん、はっきり言っておきますね。これは俺の婚活です。だから、アルファの採点は俺がします。貴方はNo.Ω-1050669の保護者枠として静かに見守って下さい」
俺の言葉に三日月が僅かに目を細める。
「ひょっとして、貴方を番号で呼んだことを根に持っていますか?」
「当然、根に持っています」
俺がそう答えると三日月はふと視線を落とし、そして再び俺を見つめた。その眼差しは真剣で俺はドキリとする。
「それは‥‥申し訳ありません。私は暁月優斗さまのアドバイザー兼保護者枠として、静かに見守ります。しかし、私も忠告を一つ」
「忠告に忠告で返しますか。まあ、いいや。どうぞ、三日月さん」
「今日の三日月さまのネックチョーカーはいつもより細い。とても似合っていますが、アルファが発情した時にうなじを守れません。それは、婚活オメガには不向きです」
「くっ!」
バレてた!恥ずかしい。でも、アルファに可愛いと思われたいじゃないか。細めのネックチョーカーは最近の流行りだし。俺は赤面してネックチョーカーに触れた。
「不測の事態を避けるために、こちらのネックチョーカーを着用して下さい」
アドバイザーが素早くジュエリーケースを取り出す。そして、パカリと蓋を開いた。
厚生労働省のゆるキャラがプリントされた、ゴツさ抜群のネックチョーカーだった。
「貴方に差し上げます」
「遠慮します」
「不測の自体が起こった場合に、ベータの私ではアルファには敵いません。そして、貴方になにかあれば私は左遷されます。その際には恨みの手紙を送ります」
脅してきた~!だが、確かに不測の自体が起こった場合に、今のネックチョーカーではうなじを守れないかも。山崎さんにいま番われるのはまずい‥‥なんか、変な人だし。
「‥‥分かりました」
俺の言葉に三日月はぱっと笑顔を見せる。やっぱりいい男だなと思っていたら、彼の手が伸びてきて手品師の様にネックチョーカーを外された。
「あっ、」
外気に触れる首筋に視線を感じて振り返ると、そこにはアルファがいた。山崎の全身から放たれるアルファの色香にクラクラする。
「三日月さま、着けますよ」
「ああ、うん」
俺は視線を山崎から三日月に向ける。すると三日月アドバイザーは満足そうに微笑み、俺にごっついネックチョーカーが装着した。そして、こっそり囁く。
「『お友達から始める婚活プラン』をご利用のお客様の中には、性欲が枯れている方がいらっしゃいます。ですが、山崎さまは枯れていないようです。よい縁になりますように、今日一日頑張りましょう」
俺は思わず赤面していた。三日月さんには見抜かれていたみたいだ。趣味の耽美小説を理解する人と番いたいが、そこには性愛も含まれていて欲しい。それが本音。
「頑張るね、三日月さん」
「はい」
俺は新たなネックチョーカーを着けて身を翻す。そして、性的色香を宿したアルファに向かい腕を差し出していた。山崎は僅かに眉を上げた後に野性的な笑みを見せて俺の指先に軽くキスをした。
「デートにでかけましょう、優斗さん」
「はい、栄一さん!」
自然と名前でよび合っていた。
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山崎さんの運転手付きセンチュリーに乗り込み、婚活デートに出掛ける事になった。座席の件で少し揉めたが、話し合いで決着。三日月ベータは助手席に、俺と山崎アルファは後部座席に座ることになった。
不服そうに助手席に乗り込む三日月。彼の腕を俺は掴んで身を寄せて小さな声で忠告した。
「三日月さん、はっきり言っておきますね。これは俺の婚活です。だから、アルファの採点は俺がします。貴方はNo.Ω-1050669の保護者枠として静かに見守って下さい」
俺の言葉に三日月が僅かに目を細める。
「ひょっとして、貴方を番号で呼んだことを根に持っていますか?」
「当然、根に持っています」
俺がそう答えると三日月はふと視線を落とし、そして再び俺を見つめた。その眼差しは真剣で俺はドキリとする。
「それは‥‥申し訳ありません。私は暁月優斗さまのアドバイザー兼保護者枠として、静かに見守ります。しかし、私も忠告を一つ」
「忠告に忠告で返しますか。まあ、いいや。どうぞ、三日月さん」
「今日の三日月さまのネックチョーカーはいつもより細い。とても似合っていますが、アルファが発情した時にうなじを守れません。それは、婚活オメガには不向きです」
「くっ!」
バレてた!恥ずかしい。でも、アルファに可愛いと思われたいじゃないか。細めのネックチョーカーは最近の流行りだし。俺は赤面してネックチョーカーに触れた。
「不測の事態を避けるために、こちらのネックチョーカーを着用して下さい」
アドバイザーが素早くジュエリーケースを取り出す。そして、パカリと蓋を開いた。
厚生労働省のゆるキャラがプリントされた、ゴツさ抜群のネックチョーカーだった。
「貴方に差し上げます」
「遠慮します」
「不測の自体が起こった場合に、ベータの私ではアルファには敵いません。そして、貴方になにかあれば私は左遷されます。その際には恨みの手紙を送ります」
脅してきた~!だが、確かに不測の自体が起こった場合に、今のネックチョーカーではうなじを守れないかも。山崎さんにいま番われるのはまずい‥‥なんか、変な人だし。
「‥‥分かりました」
俺の言葉に三日月はぱっと笑顔を見せる。やっぱりいい男だなと思っていたら、彼の手が伸びてきて手品師の様にネックチョーカーを外された。
「あっ、」
外気に触れる首筋に視線を感じて振り返ると、そこにはアルファがいた。山崎の全身から放たれるアルファの色香にクラクラする。
「三日月さま、着けますよ」
「ああ、うん」
俺は視線を山崎から三日月に向ける。すると三日月アドバイザーは満足そうに微笑み、俺にごっついネックチョーカーが装着した。そして、こっそり囁く。
「『お友達から始める婚活プラン』をご利用のお客様の中には、性欲が枯れている方がいらっしゃいます。ですが、山崎さまは枯れていないようです。よい縁になりますように、今日一日頑張りましょう」
俺は思わず赤面していた。三日月さんには見抜かれていたみたいだ。趣味の耽美小説を理解する人と番いたいが、そこには性愛も含まれていて欲しい。それが本音。
「頑張るね、三日月さん」
「はい」
俺は新たなネックチョーカーを着けて身を翻す。そして、性的色香を宿したアルファに向かい腕を差し出していた。山崎は僅かに眉を上げた後に野性的な笑みを見せて俺の指先に軽くキスをした。
「デートにでかけましょう、優斗さん」
「はい、栄一さん!」
自然と名前でよび合っていた。
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