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番外編
三年に一度花を咲かせる「恋が叶う花」
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◆◆◆◆◆
Twitter企画#恋が叶う花BLに便乗参加した作品です。よろしくお願いします。
◇◇◇◇
この学園には三年に一度花を咲かせる「恋が叶う花」を崇め求める者達がいる。だが、俺は断言する。この学園には三年に一度花を咲かせる植物は存在しない。
学園を歩き回り隅々まで調べたが、そのような植物はなかった。つまり、「恋が叶う花」とは青春に浮かれた男達が作り出した幻に過ぎないわけだ。だが、その幻を現実にする術を俺は持っている。
「恋が叶う花」の噂を知ったのは幼少期。毎年花をつけるオオカミナスビの花を、三年に一度咲かせるように品種改良すること十年。俺は頑張った。そして完成した[オオカミナスビ改]を、密かに学園の花壇に植えて今に至る。完璧だ。俺は天才だ。
[オオカミナスビ改]の花が学園の花壇で地味に咲いている。そう、「恋が叶う花」は地味である必要があった。華やかな花ならばすぐに学生達に狩られる。[オオカミナスビ改]は可愛らしいが地味な花だ。これが奇跡の花とは誰も気が付かない。
ハッシュ・アルカロイドと幼馴染のライカ・ベラドンナ以外には。
「ハッシュ、そろそろ学生寮に戻らない?植物の世話で汗だくだから、ハッシュの部屋の湯船に浸かりたい~」
「ライカ!」
すごい効果だ、[オオカミナスビ改]!幼馴染のライカが、俺の部屋の浴室で裸にされたいと言っている!早漏の俺が遂に童貞喪失‥最高だ。だが、焦るな!
「ライカ、この花を見てみろ」
「あ、オオカミナスビだ!あれ、花が咲いてる!このオオカミナスビだけはずっと花が咲かなくて心配していたんだよね。咲いたのは三年ぶりだね。よかった~♡」
かわいい!幼馴染が可愛過ぎる!よし、早速学生寮の湯船にオオカミナスビの花を沢山浮かべて裸で睦み合おう。
俺は[オオカミナスビ改]の花を摘み取ろうとしてライカに叱られた。
「駄目だよ、ハッシュ!花を摘んだら実ができないだろ。オオカミナスビに毒の実をつけさせないつもり?」
「いや、え?でも、湯船に花を浮かべて良い感じの‥‥あれをしたくて」
俺の童貞喪失がかかっている。ここは譲れない!
「えー、オオカミナスビは湯船を彩るには向かないよ。何と言っても僕の名前ライカ・ベラドンナの別名を冠する花だかね。見ての通り地味顔だろ?それにハッシュは薔薇の香油を使った入浴剤もってるだろ?ほら、薔薇の形をしたの。以前に使ったよね?」
ライカに指摘されて目を見開く。あれを使っていいのか、ライカ・ベラドンナ!
「媚薬入りの入浴剤!」
「ハッシュ‥‥媚薬入は駄目。以前に酷い目にあったの忘れたの?」
「大丈夫だ!調合の加減を変えたから、以前のように我を忘れて裸踊りをすることはない!ハッシュ・アルカロイドの名は伊達じゃないぞ!麻薬系は任せろ!」
「風紀委員に捕まるような発言はやめてよ。ねえ、普通の薔薇の入浴剤はないの?」
「ん、あるけど?」
「それを早く言ってよ。じゃあ、それでお風呂に入ろう、ハッシュ」
え?
「え?」
「なに?」
「一緒に入るの?」
「え?嫌なの?」
「ライカ!ライカ!嫌じゃないーー!すげぇ![オオカミナスビ改]の効き目がすごすぎる!興奮してきた!ああ、あぁぁ!あぁっーー!!」
興奮しすぎた。
いま、射精してしまった。
「ハッシュ?」
「うう、早漏が発症した」
「あー」
「た、頼む嫌わないでくれ!」
「嫌うわけ無いだろ?ハッシュのそれは病気なんだから。いや、病気じゃないか。勃起薬を配合して自分で人体実験した結果だものね」
「うっ、うう‥‥」
ライカが不意に俺の腕を掴む。そして、優しく笑い俺の視線を奪う。
「大店の薬問屋の息子として、薬開発に邁進するのはよいと思うけど‥‥心配だから無理はしないでね、ハッシュ」
「ライカ」
「さ、寮に戻って湯船につかろ?」
「優しいーー~♡♡」
「行こうよ、ハッシュ」
「ありがとう[オオカミナスビ改]!ライカとお風呂に入れる!お風呂~」
俺はライカを姫抱っこすると、学生寮に向かい走り出していた。
◇◇◇
後日、風紀を乱すとして風紀委員のアルフレッドにより、三年に一度花を咲かせる「恋が叶う花」は狩られていた。くそ!アルフレッドめ!
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◇◇◇◇
この学園には三年に一度花を咲かせる「恋が叶う花」を崇め求める者達がいる。だが、俺は断言する。この学園には三年に一度花を咲かせる植物は存在しない。
学園を歩き回り隅々まで調べたが、そのような植物はなかった。つまり、「恋が叶う花」とは青春に浮かれた男達が作り出した幻に過ぎないわけだ。だが、その幻を現実にする術を俺は持っている。
「恋が叶う花」の噂を知ったのは幼少期。毎年花をつけるオオカミナスビの花を、三年に一度咲かせるように品種改良すること十年。俺は頑張った。そして完成した[オオカミナスビ改]を、密かに学園の花壇に植えて今に至る。完璧だ。俺は天才だ。
[オオカミナスビ改]の花が学園の花壇で地味に咲いている。そう、「恋が叶う花」は地味である必要があった。華やかな花ならばすぐに学生達に狩られる。[オオカミナスビ改]は可愛らしいが地味な花だ。これが奇跡の花とは誰も気が付かない。
ハッシュ・アルカロイドと幼馴染のライカ・ベラドンナ以外には。
「ハッシュ、そろそろ学生寮に戻らない?植物の世話で汗だくだから、ハッシュの部屋の湯船に浸かりたい~」
「ライカ!」
すごい効果だ、[オオカミナスビ改]!幼馴染のライカが、俺の部屋の浴室で裸にされたいと言っている!早漏の俺が遂に童貞喪失‥最高だ。だが、焦るな!
「ライカ、この花を見てみろ」
「あ、オオカミナスビだ!あれ、花が咲いてる!このオオカミナスビだけはずっと花が咲かなくて心配していたんだよね。咲いたのは三年ぶりだね。よかった~♡」
かわいい!幼馴染が可愛過ぎる!よし、早速学生寮の湯船にオオカミナスビの花を沢山浮かべて裸で睦み合おう。
俺は[オオカミナスビ改]の花を摘み取ろうとしてライカに叱られた。
「駄目だよ、ハッシュ!花を摘んだら実ができないだろ。オオカミナスビに毒の実をつけさせないつもり?」
「いや、え?でも、湯船に花を浮かべて良い感じの‥‥あれをしたくて」
俺の童貞喪失がかかっている。ここは譲れない!
「えー、オオカミナスビは湯船を彩るには向かないよ。何と言っても僕の名前ライカ・ベラドンナの別名を冠する花だかね。見ての通り地味顔だろ?それにハッシュは薔薇の香油を使った入浴剤もってるだろ?ほら、薔薇の形をしたの。以前に使ったよね?」
ライカに指摘されて目を見開く。あれを使っていいのか、ライカ・ベラドンナ!
「媚薬入りの入浴剤!」
「ハッシュ‥‥媚薬入は駄目。以前に酷い目にあったの忘れたの?」
「大丈夫だ!調合の加減を変えたから、以前のように我を忘れて裸踊りをすることはない!ハッシュ・アルカロイドの名は伊達じゃないぞ!麻薬系は任せろ!」
「風紀委員に捕まるような発言はやめてよ。ねえ、普通の薔薇の入浴剤はないの?」
「ん、あるけど?」
「それを早く言ってよ。じゃあ、それでお風呂に入ろう、ハッシュ」
え?
「え?」
「なに?」
「一緒に入るの?」
「え?嫌なの?」
「ライカ!ライカ!嫌じゃないーー!すげぇ![オオカミナスビ改]の効き目がすごすぎる!興奮してきた!ああ、あぁぁ!あぁっーー!!」
興奮しすぎた。
いま、射精してしまった。
「ハッシュ?」
「うう、早漏が発症した」
「あー」
「た、頼む嫌わないでくれ!」
「嫌うわけ無いだろ?ハッシュのそれは病気なんだから。いや、病気じゃないか。勃起薬を配合して自分で人体実験した結果だものね」
「うっ、うう‥‥」
ライカが不意に俺の腕を掴む。そして、優しく笑い俺の視線を奪う。
「大店の薬問屋の息子として、薬開発に邁進するのはよいと思うけど‥‥心配だから無理はしないでね、ハッシュ」
「ライカ」
「さ、寮に戻って湯船につかろ?」
「優しいーー~♡♡」
「行こうよ、ハッシュ」
「ありがとう[オオカミナスビ改]!ライカとお風呂に入れる!お風呂~」
俺はライカを姫抱っこすると、学生寮に向かい走り出していた。
◇◇◇
後日、風紀を乱すとして風紀委員のアルフレッドにより、三年に一度花を咲かせる「恋が叶う花」は狩られていた。くそ!アルフレッドめ!
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久々にライカとハッシュが読めて嬉しいです🎵
この二人のワチャワチャ感が堪りません❗ありがとうございます☺️
感想コメントありがとうございます😀
久しぶりに書きましたが、すごく楽しかったです。読者の方から反応あると嬉しいです😀
ありがとうございました💕
一気に読んで、めちゃくちゃ笑わせてもらいました!
ラストシーンも大好き。この作品に出会えてよかった!!
感想コメントありがとうございます。とても嬉しいです( ≧∀≦)ノ🌸
執筆の励みにしますね🎵
ぶっとんでて面白かったです!!
感想コメントありがとうございます。ぶっ飛んでみました(*´∀`)♪コメント励みになります。ありがとうございました。(* ̄∇ ̄*)