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第30話 『恋人契約』
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◆◆◆◆◆◆
僕は唇を噛みしめた。そして、アルフレッドの頬を平手打ちにしていた。だが、アルフレッドは僕の平手打ちにショックを受けた風もなく僕を見つめていた。
「アルフレッド・ノーマン。コックさんを今すぐ、サンソン牢獄から解放して」
「それはできない。あいつは、牢獄に堕とされた後も、お前への伴侶契約を諦めていない。俺にはライカを守る義務がある。音楽教室でお前を救えなかった。その為に、お前はコック・リングに凌辱された。あいつはお前を凌辱したにも拘らず、卒業後にお前を伴侶として迎えるつもりでいる。その様な事は断じて許せない!」
「アルフレッド。貴方に、コックさんの気持ちを消し去る権利はない。コックさんの『メス化』が済んでいるのなら、サンソン牢獄から出して。彼から学問の機会を奪う権利もないはずだよ、アルフレッド!」
僕が語気を強めると、アルフレッドは僅かに目を細め口を開いた。
「ライカ・・奴を牢獄から出したいのなら、その前に俺と『恋人契約』を結べ。お前は余りにも性的に未熟すぎる。その様な者を好むものも多いと知ってほしい。『アルファ』と『恋人契約』を結んでおけば、俺を通さず『伴侶契約』を結ぶことはできない決まりだ。これならば、俺も安心できる」
「えっ??」
ちょっと待て、こいつは馬鹿なのか?自分の役割を全うしてアイリスに忠誠を誓え。攻略対象者がモブと『恋人契約』を結んでいいと思っているのか。まじ、馬鹿なのか?
「いや、待って。アルフレッドは、何を言っているのかな?恋人を選ぶなら自分に似合う相手を選べ。僕は、アルフレッドとは恋人にはなれない」
「俺がそんなに嫌いなのか?」
「いや、声は大好きだ!!でも、声だけだ。それ以外は一切興味ないです」
「んっ・・声が好きと言われる事は滅多にないだけに、妙に嬉しく感じる。ありがとう、ライカ」
「え、あの?」
「さあ、恋人契約を結ぶと言え。そうすれば、必ずコック・リングをサンソン牢獄から解放する」
これは、脅迫だ!だが、脅迫する声が色っぽい。くっ、たまらん。と、とにかく、コックさん救出に専念しよう。今はゲーム攻略より、コックさんの命の方が大事だ。別に、声が前世の親友のものだから、アルフレッド・ノーマンを攻略したいとかそういう意図はない・・多分。
「分かった。僕がアルフレッドの声が好きであることは否定できない。『監視係』としてゲームに文字出演している以上、文字モブの僕が攻略対象者と恋人契約を結ぶ事も何ら不自然な事は無いはずだ。ゲーム世界も認めてくれるはずだ。では、アルフレッド・ノーマン。早々に、コックさんを解放して欲しい!」
「妙な発言はあったが『恋人契約』を結んだと理解したぞ、ライカ=ベラドンナ?」
「それで構わない」
アルフレッド・ノーマンは、立ち上がると僕の額にキスをした。やめろ、惚れたらどうする。不細工モブを甘やかす馬鹿がいるか。バカバカ。
「今から、サンソン牢獄に行き奴を解放してくる」
「僕も行く。コックさんに、会いたい!」
「それは駄目だ。ハッシュ・アルカロイド。ライカが、サンソン牢獄に来ないように見張っていてくれ」
アルフレッドは、ハッシュを挑発するように言葉を投げ掛けた。ハッシュ・アルカロイドは、苦い表情を浮かべながら言葉を返す。
「コック・リングを牢獄に入れたままでは、ライカが泣く。俺は、ライカが泣く顔は見たくない。だが、牢獄から奴を出す権限は、風紀委員にしかない。アルフレッドは、卑怯な手段でライカと恋人契約を結んだ事を忘れるな。俺は、学園卒業と同時にライカに伴侶契約を申し込むつもりだ。そして、お前とライカが恋人契約を結んでいようとも、今まで通りライカに接するつもりだ」
「上等だ。では、ライカを頼む」
アルフレッド・ノーマンは、颯爽と風紀委員の部室から出ていった。
ハッシュ・アルカロイドの伴侶契約発言は、僕の頭がいっぱいいっぱいなので、卒業時に考えます。とりあえず、幼馴染でいてください。ごめんね、ハッシュ。
とにかく、僕の初めてをあげたコックさんが、牢獄で男達に尻を掘られまくってるとか耐えられないから!!
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僕は唇を噛みしめた。そして、アルフレッドの頬を平手打ちにしていた。だが、アルフレッドは僕の平手打ちにショックを受けた風もなく僕を見つめていた。
「アルフレッド・ノーマン。コックさんを今すぐ、サンソン牢獄から解放して」
「それはできない。あいつは、牢獄に堕とされた後も、お前への伴侶契約を諦めていない。俺にはライカを守る義務がある。音楽教室でお前を救えなかった。その為に、お前はコック・リングに凌辱された。あいつはお前を凌辱したにも拘らず、卒業後にお前を伴侶として迎えるつもりでいる。その様な事は断じて許せない!」
「アルフレッド。貴方に、コックさんの気持ちを消し去る権利はない。コックさんの『メス化』が済んでいるのなら、サンソン牢獄から出して。彼から学問の機会を奪う権利もないはずだよ、アルフレッド!」
僕が語気を強めると、アルフレッドは僅かに目を細め口を開いた。
「ライカ・・奴を牢獄から出したいのなら、その前に俺と『恋人契約』を結べ。お前は余りにも性的に未熟すぎる。その様な者を好むものも多いと知ってほしい。『アルファ』と『恋人契約』を結んでおけば、俺を通さず『伴侶契約』を結ぶことはできない決まりだ。これならば、俺も安心できる」
「えっ??」
ちょっと待て、こいつは馬鹿なのか?自分の役割を全うしてアイリスに忠誠を誓え。攻略対象者がモブと『恋人契約』を結んでいいと思っているのか。まじ、馬鹿なのか?
「いや、待って。アルフレッドは、何を言っているのかな?恋人を選ぶなら自分に似合う相手を選べ。僕は、アルフレッドとは恋人にはなれない」
「俺がそんなに嫌いなのか?」
「いや、声は大好きだ!!でも、声だけだ。それ以外は一切興味ないです」
「んっ・・声が好きと言われる事は滅多にないだけに、妙に嬉しく感じる。ありがとう、ライカ」
「え、あの?」
「さあ、恋人契約を結ぶと言え。そうすれば、必ずコック・リングをサンソン牢獄から解放する」
これは、脅迫だ!だが、脅迫する声が色っぽい。くっ、たまらん。と、とにかく、コックさん救出に専念しよう。今はゲーム攻略より、コックさんの命の方が大事だ。別に、声が前世の親友のものだから、アルフレッド・ノーマンを攻略したいとかそういう意図はない・・多分。
「分かった。僕がアルフレッドの声が好きであることは否定できない。『監視係』としてゲームに文字出演している以上、文字モブの僕が攻略対象者と恋人契約を結ぶ事も何ら不自然な事は無いはずだ。ゲーム世界も認めてくれるはずだ。では、アルフレッド・ノーマン。早々に、コックさんを解放して欲しい!」
「妙な発言はあったが『恋人契約』を結んだと理解したぞ、ライカ=ベラドンナ?」
「それで構わない」
アルフレッド・ノーマンは、立ち上がると僕の額にキスをした。やめろ、惚れたらどうする。不細工モブを甘やかす馬鹿がいるか。バカバカ。
「今から、サンソン牢獄に行き奴を解放してくる」
「僕も行く。コックさんに、会いたい!」
「それは駄目だ。ハッシュ・アルカロイド。ライカが、サンソン牢獄に来ないように見張っていてくれ」
アルフレッドは、ハッシュを挑発するように言葉を投げ掛けた。ハッシュ・アルカロイドは、苦い表情を浮かべながら言葉を返す。
「コック・リングを牢獄に入れたままでは、ライカが泣く。俺は、ライカが泣く顔は見たくない。だが、牢獄から奴を出す権限は、風紀委員にしかない。アルフレッドは、卑怯な手段でライカと恋人契約を結んだ事を忘れるな。俺は、学園卒業と同時にライカに伴侶契約を申し込むつもりだ。そして、お前とライカが恋人契約を結んでいようとも、今まで通りライカに接するつもりだ」
「上等だ。では、ライカを頼む」
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とにかく、僕の初めてをあげたコックさんが、牢獄で男達に尻を掘られまくってるとか耐えられないから!!
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