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第18話 ギャップ萌えは最高です!

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◆◆◆◆◆◆


「痛い、パウル。やめて!!」
「乱暴はやめろ!ライカは協力者だぞ、パウル。風紀委員は、協力者と罪人の区別もつかないのか!」
「サポート係が意気がるなよ、ハッシュ。君に部室への入室を禁じる事も可能なんやけど?出禁にされたいか?」
「ふざけるな、パウル・ミュラー!!」

攻略対象者とお助けキャラが険悪な雰囲気になった時、突然僕は背後から名前を呼ばれた。

『『やあ、ライカ。朝から悪いな』』

僕は前世の親友の声に激しく腰を砕かれて、その場に崩れ落ちた。おお、アルフレッド・ノーマル。声がヤバい。モブ尻をアルフレッドの美声が貫いた!

「うお、ちょい、急に倒れるな!」
「ライカ!!」
「!?」

◇◇◇◇


パウル・ミュラーは意外にも、崩れ落ちた僕を抱き寄せてくれた。お陰で床に頭を打たずに済んだ。「不細工ちゃん」と呼んだその男が、意外な優しさをみせると何故か胸がきゅんとなった。これが『ギャップ萌え』って奴だな。

「急に倒れるなよ、ライカ。ビビるやん・・大丈夫か?」

モブには、パウルの『ギャップ萌え』発言が身に染みる。ハッシュは、何時も僕に甘い言葉を吐くから、すでにキュンキュンしなくなってしまった。今度、ハッシュに冷たい態度で罵倒して欲しいとお願いしてみようかな?

◇◇◇◇

ハッシュは冷たい眼差しで、僕を毎日抱く。捩じ込まれたぺニスがアナルを傷つけ血を流しても、やめてくれない。でも、「ハッシュ」と呼び掛けると、何時も腰の動きが緩やかになる。
「ライカ、人形が喋るな」
「僕は人形じゃないよ・・」
「人形だよ、ライカ。伴侶に選んでも、お前は俺に心を開かなかった。何時も前世の事を考えて俺は置き去りだ。だから、お前に期待する事は・・もうやめた」
「ハッシュ」
「セックスドラッグだ。ライカ、口を開け。気持ちよくセックスしよう」
「やだ、やめて・・んんっ!」
「飲んだな。ライカ、いい子だ」
「ハッシュ、もう・・伴侶関係を解消して」
「誰が解消するか!!動くぞ、ライカ」
「ひっ、痛いよ、ハッシュ、やめて!!」
「すぐに気持ちよくなる、ライカ。俺だけを感じて喘げ」
腰の動きが激しくなる。痛みと快感が全身を貫き、僕は性奴隷に堕ちていく。いつの間にか、ハッシュのぺニスから精液が吐き出されていた。アナルから、トロリと精液が流れでる。伴侶の射精さえ気が付かないなんて、ハッシュが僕に盛るクスリの量は確実に増えている。もう、何時までもこの関係は続かない。そういう事だろ、ハッシュ?

「ハッシュ、僕はいつ壊れるかな?」
「さあな。俺の方が先に壊れそうだ・・」

◇◇◇◇

駄目だ。僕を罵倒するハッシュが想像できなかった。病み系ハッシュしか想像できなかった。無念だ。


「ライカ、大丈夫か?」
「大丈夫だよ、病み系ハッシュ。問題ない」
「問題あるだろ!なんだ、今の発言は!?」
「いやー、不細工ちゃんって意外と繊細なんやな。ライカはもしかして『不細工ちゃん』発言に傷ついて崩れ落ちたの?本当の事を言うただけやのに傷つくとか、繊細過ぎて泣けるなぁ。でも、なんて言い換えたらいいんやろ。顔の具合が悪いとか?いや、違うか?」
「お前は永遠に黙れ、パウル!ライカ・・解離状態に陥りそうなのか?」
「カオス状態の前兆ではないと思う・・でも、ヤバい気もする」

『『どうした、ライカ。大丈夫か?』』

やっぱり、大丈夫じゃなかった!!

だって、アルフレッドの声だけが、エコーが掛かって聞こえるもの!あ、ダメだ。美声エコー攻撃で、腰が完全に砕けた。だが、アルフレッド・ノーマンの声で腰が砕けたなどという変態発言は慎むべきだ。言い換えろ。言い換えて崩れ落ちた理由を説明するんだ、ライカ=ベラドンナ!!

「あの、ごめんなさい。パウルに腕を引っ張られた瞬間に、何故か体内を貫かれる感覚に陥り、体のバランスが崩れて床に座り込んでしまいました。寝不足で自律神経系に問題が生じたのかもしれません。ご心配おかけしました」
「ライカ・・やはり、お前はあいつに・・」
「ハッシュ?」

アルフレッド・ノーマルが苦い顔をして口を開いた。

『『体内を貫かれる感覚か。それはおそらく、フラッシュバックだな。お前を音楽教室に置き去りにした俺の責任だ。コック・リングへの制裁は『メス化』に決めた。あいつに相応しい制裁だろう。あいつのペニスにコックリングを嵌めて、四肢を器具で固定して、飢えた男たちの牢獄に堕とし散々輪姦させてやる!大抵の奴はそれで『メス』になる。『メス』になった男は男に抱かれる事を好む様になる。だから、もう怖くはないだろ、ライカ=ベラドンナ』』

いやぁあああーーーー、僕の発言のせいで、コックさんが『メス』にされてしまう!!
僕の体内を貫いたのは、アルフレッドの声なのに!

コックさんが『メス』になるなら、アルフレッド・ノーマンも『メス』になるべきだ。だって、僕の尻を貫きまくったのは、アルフレットじゃないか。モブ尻を貫きまくって腰砕けにさせた責任を取れ。いや、落ち着け。攻略対象者を『メス』にしてどうする。アイリスが攻めでアルフレットが受けのトゥルーエンドなど、僕には受け入れられない。僕は、受け攻め固定が好きなんだ。うう。


◇◇◇◇


「アルフレッド、貴方は誤解しています。そうだ、風紀委員の部室で真実を全てお話しします。お菓子を食べながら、和やかに話しましょうね、皆さん?」

不意に、パウルはため息を付くと僕に笑いかけてきた。その表情は優しい。まだ制裁キャラにはなっていなかったんだね、パウル!

「んー、俺が腕を引っ張ったから、ぶさ・・ライカはフラッシュバックしたのか?じゃあ、俺が責任を取らんとな。今から、抱き上げるけど、平気?」
「お願いします、パウル。僕を優しく抱いて」
「・・ん?ああ、えーっと、わかった」

パウルは若干引きつつも、僕を優しく抱き上げてくれた。パウルのギャップ萌えが胸にしみる。不細工って言いかけたのに、即座に名前に変換するなんて・・モブに対する配慮が半端なく素敵だ。


「じゃあ、ここはパウルに任せよう。廊下で話す内容でもないしな。ハッシュ、パウルを睨むなよ。あいつも責任を感じているんだ」

「ライカが何故か嬉しそうにパウルに抱きついている様に見えるのは、俺の幻覚ですよね?」

「いや・・どうだろうか?」


その時、僕はアルフレッドの声にエコーが掛かってない事に気が付いた。よし、冷静さを取り戻してきたようだ。




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