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第三章
3-44 兄上が来てくれた
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◆◆◆◆◆
不毛な俺たちの会話のテンポを崩すように、ゆっくりと自室の扉が開いた。
扉の向こうから現れたのは、いつものように凛々しい表情をしたヘクトール兄上だった。
「ヘクトール兄上!」
俺が反射的に声を上げると、兄上は微笑みを浮かべた。しかし、その笑みは次の瞬間、凍りついた。
それを察したアルミンが、ビクリと肩を震わせる。そして、すぐに早口で言い訳を始めた。
「ヘクトール様、これには深い事情があります!」
アルミンは一歩後ずさりしながら、必死に言葉を続ける。
「えーと、今から正直に事実を申し上げます! 俺はマテウス様が眠っておられたので、ルドルフと真面目な会話をしておりました」
アルミンはさらに言葉を続ける。
「ですが、マテウス様は眠ったふりをして、俺たちの会話を聞いておられたのです。それに気が付かず、会話を続けてしまい……」
アルミンはここで、一瞬だけ兄上の表情を確認し、恐る恐る付け加えた。
「ヘクトール様が悪夢を見て、ゲロしたことを……口走ってしまいました」
兄上の表情がさらに険しくなる。
「……ゲロ。アルミン、下品な言葉は使うな」
「ひっ、ヘクトール様! 殺気を放たないでください! まだ話は続きますので!」
アルミンは慌てた様子でさらに弁明を続けた。
「マテウス様は突然ベッドから飛び出し、ご自身がヘクトール様の婚約者であることを殊更に強調なさいました!そして、『ヘクトール様のもとへ連れて行け』と命じられたのです!」
俺は顔が熱くなるのを感じる。
確かに言った。言ったが、こうして他人の口から語られると、何とも気恥ずかしい。
「ルドルフは医者として、マテウス様の無茶を厳しく咎めました」
アルミンは床に転がったルドルフを横目で見ながら、わざとらしく肩をすくめる。
「ですが、俺は――」
一呼吸置いて、大げさに息を吸い込んだ。
「マテウス様のヘクトール様への深い愛情に、感銘を受けたのです!」
兄上は微動だにしなかったが、俺は思わず溜息をつきたくなった。
「心を揺さぶられた結果、マテウス様の手助けをすることにしました」
アルミンはさらに続ける。
「融通の利かないルドルフを始末した後、マテウス様をヘクトール様の部屋へお連れするところでした!」
アルミンは一息ついた後、素早く言葉を発した。
「そこで、ヘクトール様と鉢合わせになったというわけです!」
兄上が低く問いかける。
「なるほど……それで?」
「え~と、俺は…ヘクトール様のご指示に従い、下心なくマテウス様の手を握っておりました。」
兄上がわずかに眉を寄せると、アルミンは慌てて言葉を続ける。
「そして、ヘクトール様がこちらにいらしたのは、マテウス様を見守るためですね?このアルミン、全てを心得ております!」
アルミンは床に転がるルドルフに視線を向けながら言葉を発する。
「床に転がるルドルフは俺が回収しますので、どうぞ婚約者とお二人で……ゆっくりと時をお過ごしください!!後で朝食をお持ちします。朝日を浴びながら、芋粥をゆっくりと召し上がれば、益々愛も深まることでしょう」
アルミンは一度言葉を切ると、ふと思いついたように付け加えた。
「あ、もちろん……ヘクトール様がマテウス様はもう要らないと仰るなら、俺が回収いたしますが」
アルミンの軽口に、兄上の眉が跳ね上がる。アルミンは構わず言葉を紡いだ。
「ヘクトール様、いかがいたしましょうか?」
兄上はアルミンを軽く睨んだあと口を開く。
「……マテウスを寄越せ、アルミン」
「承知しました~!」
アルミンは軽い口調で答えたが、その声には明らかに窮地を脱した安堵が滲んでいた。
俺はまるで荷物のように、アルミンからヘクトール兄上へと引き渡された。
無論、兄上も、お姫様抱っこで俺を受け取る。
――まずい。恥ずかしい。
何時もより百倍は恥ずかしい。何故なら、冴えない俺がひらひらした薄衣を身に纏い、お姫様抱っこされているのだ。
しかも、薄衣からは乳首と下着が透けている。
ですが、兄さま……そのような責めるような眼差しで見つめないでください。
似合っていない上に、はしたない格好であることは、十分に理解しています! 反省もしています!
「あ、兄上……」
兄上の腕の中で、俺は小さく声を漏らす。
「どうした、マテウス?」
「そのような責める眼差しで……私を見ないでください。にいさま、恥ずかしくて辛いです」
気づけば、思わず兄上の肩に顔を押しつけていた。
「それと、薄衣から何かが見えていても、それらは全て幻ですから気になさらないで」
「す、すまない、マテウス! あまりにも可愛い幻に、つい目を奪われてしまった」
兄上が視線を逸らしながら、困惑したように言う。
「そうか、幻だったのか……」
次の瞬間、兄上はふと顔を上げると、部屋の隅に立ち尽くしていたアルミンに向かって言い放った。
「あー、おい……アルミン。ルドルフを連れて早く部屋から出ろ。扉は閉めていけ……いや、違う。待て、アルミン。扉は少し開けておいてくれ」
兄上の声に、アルミンは目を瞬かせた。
「俺たちは、まだ婚約者だ。清くあらねばならないからね……」
「兄上、ベッドに連れていって……」
俺は兄上の胸にしがみついたまま、か細く囁く。
「えっ!?」
「薄衣のみで寒いのです……ごめんなさい」
「わ、分かった。すぐにベッドに入ろう」
兄上が足元を気にしながら、ゆっくりと歩を進める。
「いや、お前だけが入るという意味だ。一緒に入ろうなどとは、少しも思っていない!」
兄上の必死の言い訳に、俺は顔を埋めたまま、小さく笑ってしまう。
「兄上も体調が悪いと聞きました。ベッドは広いですし、一緒にベッドで休みましょう」
ベッドの縁まで来ると、兄上は俺をそっと降ろした。
「私は、もう少し休みたいです。にいさま、ベッドに入って手を繋いでください」
「俺は椅子に座って手を繋ぐよ」
兄上が俺の手を握りながら、言い聞かせるように答えた。
「アルミンと交代するまでは、兄上が私と手を繋いでくださっていたのでしょ?」
俺は兄上を見上げながら問いかける。
「お陰で私は、悪夢を見ずに済みました。なのに、兄上が悪夢を見てしまうとは、公平ではありません!」
兄上の手を握る力が、わずかに強くなる。
「兄上も悪夢を見ずに、ゆっくりと眠っていただきたいです。きっと、椅子に座った姿勢で、私と手を繋いでいらしたのが、悪夢を見た原因に違いありません」
俺はそっとベッドの上に身を沈めた。
「朝食ができあがるまで、一緒にベッドで眠りましょ、ヘクトール兄さま」
「マテウス、心配を掛けて悪かったね。共にベッドで休息を取れば、マテウスは安心かい?」
「もちろんです! 兄上、共に休息をとりましょう。ベッドはふかふかですよ!」
俺の言葉に、兄上は微笑んだ。
そして、部屋に控えていたアルミンに命じる。
「アルミン、俺もマテウスと共に少し休むことにした。扉は閉めていってくれ。朝食は二人分頼む。用意はゆっくりでいいと、厨房の者に伝えてくれ」
「承知いたしました!」
アルミンは素早くルドルフの腕を肩に回し、器用に担ぎ上げると、苦笑まじりに言った。
「いやぁ、ルドルフが重くて大変ですが、ヘクトール様とマテウス様の大切な時間を邪魔するわけにはいきませんのでね!」
そう言いながら、アルミンは器用に扉へ向かい、足で押し開けた。
「では、俺たちはこれで! どうぞ、ごゆっくり~!」
軽快な調子のまま、アルミンはルドルフを担ぎ上げ部屋を出ていく。そして、扉をしっかりと閉めていった。
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不毛な俺たちの会話のテンポを崩すように、ゆっくりと自室の扉が開いた。
扉の向こうから現れたのは、いつものように凛々しい表情をしたヘクトール兄上だった。
「ヘクトール兄上!」
俺が反射的に声を上げると、兄上は微笑みを浮かべた。しかし、その笑みは次の瞬間、凍りついた。
それを察したアルミンが、ビクリと肩を震わせる。そして、すぐに早口で言い訳を始めた。
「ヘクトール様、これには深い事情があります!」
アルミンは一歩後ずさりしながら、必死に言葉を続ける。
「えーと、今から正直に事実を申し上げます! 俺はマテウス様が眠っておられたので、ルドルフと真面目な会話をしておりました」
アルミンはさらに言葉を続ける。
「ですが、マテウス様は眠ったふりをして、俺たちの会話を聞いておられたのです。それに気が付かず、会話を続けてしまい……」
アルミンはここで、一瞬だけ兄上の表情を確認し、恐る恐る付け加えた。
「ヘクトール様が悪夢を見て、ゲロしたことを……口走ってしまいました」
兄上の表情がさらに険しくなる。
「……ゲロ。アルミン、下品な言葉は使うな」
「ひっ、ヘクトール様! 殺気を放たないでください! まだ話は続きますので!」
アルミンは慌てた様子でさらに弁明を続けた。
「マテウス様は突然ベッドから飛び出し、ご自身がヘクトール様の婚約者であることを殊更に強調なさいました!そして、『ヘクトール様のもとへ連れて行け』と命じられたのです!」
俺は顔が熱くなるのを感じる。
確かに言った。言ったが、こうして他人の口から語られると、何とも気恥ずかしい。
「ルドルフは医者として、マテウス様の無茶を厳しく咎めました」
アルミンは床に転がったルドルフを横目で見ながら、わざとらしく肩をすくめる。
「ですが、俺は――」
一呼吸置いて、大げさに息を吸い込んだ。
「マテウス様のヘクトール様への深い愛情に、感銘を受けたのです!」
兄上は微動だにしなかったが、俺は思わず溜息をつきたくなった。
「心を揺さぶられた結果、マテウス様の手助けをすることにしました」
アルミンはさらに続ける。
「融通の利かないルドルフを始末した後、マテウス様をヘクトール様の部屋へお連れするところでした!」
アルミンは一息ついた後、素早く言葉を発した。
「そこで、ヘクトール様と鉢合わせになったというわけです!」
兄上が低く問いかける。
「なるほど……それで?」
「え~と、俺は…ヘクトール様のご指示に従い、下心なくマテウス様の手を握っておりました。」
兄上がわずかに眉を寄せると、アルミンは慌てて言葉を続ける。
「そして、ヘクトール様がこちらにいらしたのは、マテウス様を見守るためですね?このアルミン、全てを心得ております!」
アルミンは床に転がるルドルフに視線を向けながら言葉を発する。
「床に転がるルドルフは俺が回収しますので、どうぞ婚約者とお二人で……ゆっくりと時をお過ごしください!!後で朝食をお持ちします。朝日を浴びながら、芋粥をゆっくりと召し上がれば、益々愛も深まることでしょう」
アルミンは一度言葉を切ると、ふと思いついたように付け加えた。
「あ、もちろん……ヘクトール様がマテウス様はもう要らないと仰るなら、俺が回収いたしますが」
アルミンの軽口に、兄上の眉が跳ね上がる。アルミンは構わず言葉を紡いだ。
「ヘクトール様、いかがいたしましょうか?」
兄上はアルミンを軽く睨んだあと口を開く。
「……マテウスを寄越せ、アルミン」
「承知しました~!」
アルミンは軽い口調で答えたが、その声には明らかに窮地を脱した安堵が滲んでいた。
俺はまるで荷物のように、アルミンからヘクトール兄上へと引き渡された。
無論、兄上も、お姫様抱っこで俺を受け取る。
――まずい。恥ずかしい。
何時もより百倍は恥ずかしい。何故なら、冴えない俺がひらひらした薄衣を身に纏い、お姫様抱っこされているのだ。
しかも、薄衣からは乳首と下着が透けている。
ですが、兄さま……そのような責めるような眼差しで見つめないでください。
似合っていない上に、はしたない格好であることは、十分に理解しています! 反省もしています!
「あ、兄上……」
兄上の腕の中で、俺は小さく声を漏らす。
「どうした、マテウス?」
「そのような責める眼差しで……私を見ないでください。にいさま、恥ずかしくて辛いです」
気づけば、思わず兄上の肩に顔を押しつけていた。
「それと、薄衣から何かが見えていても、それらは全て幻ですから気になさらないで」
「す、すまない、マテウス! あまりにも可愛い幻に、つい目を奪われてしまった」
兄上が視線を逸らしながら、困惑したように言う。
「そうか、幻だったのか……」
次の瞬間、兄上はふと顔を上げると、部屋の隅に立ち尽くしていたアルミンに向かって言い放った。
「あー、おい……アルミン。ルドルフを連れて早く部屋から出ろ。扉は閉めていけ……いや、違う。待て、アルミン。扉は少し開けておいてくれ」
兄上の声に、アルミンは目を瞬かせた。
「俺たちは、まだ婚約者だ。清くあらねばならないからね……」
「兄上、ベッドに連れていって……」
俺は兄上の胸にしがみついたまま、か細く囁く。
「えっ!?」
「薄衣のみで寒いのです……ごめんなさい」
「わ、分かった。すぐにベッドに入ろう」
兄上が足元を気にしながら、ゆっくりと歩を進める。
「いや、お前だけが入るという意味だ。一緒に入ろうなどとは、少しも思っていない!」
兄上の必死の言い訳に、俺は顔を埋めたまま、小さく笑ってしまう。
「兄上も体調が悪いと聞きました。ベッドは広いですし、一緒にベッドで休みましょう」
ベッドの縁まで来ると、兄上は俺をそっと降ろした。
「私は、もう少し休みたいです。にいさま、ベッドに入って手を繋いでください」
「俺は椅子に座って手を繋ぐよ」
兄上が俺の手を握りながら、言い聞かせるように答えた。
「アルミンと交代するまでは、兄上が私と手を繋いでくださっていたのでしょ?」
俺は兄上を見上げながら問いかける。
「お陰で私は、悪夢を見ずに済みました。なのに、兄上が悪夢を見てしまうとは、公平ではありません!」
兄上の手を握る力が、わずかに強くなる。
「兄上も悪夢を見ずに、ゆっくりと眠っていただきたいです。きっと、椅子に座った姿勢で、私と手を繋いでいらしたのが、悪夢を見た原因に違いありません」
俺はそっとベッドの上に身を沈めた。
「朝食ができあがるまで、一緒にベッドで眠りましょ、ヘクトール兄さま」
「マテウス、心配を掛けて悪かったね。共にベッドで休息を取れば、マテウスは安心かい?」
「もちろんです! 兄上、共に休息をとりましょう。ベッドはふかふかですよ!」
俺の言葉に、兄上は微笑んだ。
そして、部屋に控えていたアルミンに命じる。
「アルミン、俺もマテウスと共に少し休むことにした。扉は閉めていってくれ。朝食は二人分頼む。用意はゆっくりでいいと、厨房の者に伝えてくれ」
「承知いたしました!」
アルミンは素早くルドルフの腕を肩に回し、器用に担ぎ上げると、苦笑まじりに言った。
「いやぁ、ルドルフが重くて大変ですが、ヘクトール様とマテウス様の大切な時間を邪魔するわけにはいきませんのでね!」
そう言いながら、アルミンは器用に扉へ向かい、足で押し開けた。
「では、俺たちはこれで! どうぞ、ごゆっくり~!」
軽快な調子のまま、アルミンはルドルフを担ぎ上げ部屋を出ていく。そして、扉をしっかりと閉めていった。
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