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第三章
3-34 枢機卿と殿下の愛の行方
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◆◆◆◆◆◆
フォルカー教国は重要キャラのクリスティアン = バイラントの出身国だ。その為、BL小説『愛の為に』内では、フォルカー教国の成り立ちが詳しく描かれている。
フォルカー教国は唯一神を崇めるフォルカー教の教皇が国を治める宗教国家だ。フォルカー教信者にとっては聖地であり、生涯に一度は訪れたいと望む国である。
フォルカー教国は預言者である『グレゴーリウス = フォルカー』により建国された。
グレゴーリウス = フォルカーは、元はフォルカー帝国の皇帝の末弟であった。彼は幼少期に教会に入り、成人した後にフォルカー教の教皇の座に就く。
そんなある日、グレゴーリウスは唯一神の啓示を受けた。
彼は神の啓示に従い、兄殺しを行い国を乗っ取る。そして、グレゴーリウスはフォルカー帝国を廃すると、教皇の名でファルカー教国の建国を宣言した。
次にグレゴーリウスは、フォルカー教の教団に唯一神を崇拝する優秀な人材を集めた。グレゴーリウスは彼等を枢機卿に任命すると、枢機卿団に宗教行事や国政まで幅広く任せる。
その後、彼は預言者として長く教皇の地位に在り、フォルカー教国を見守った。教皇グレゴーリウスが亡くなると、フォルカー教の枢機卿団から新しい教皇が選ばれる。
教皇に選ばれた者は、預言者である『グレゴーリウス = フォルカー』の名が与えられ、その名に相応しい栄誉と権力を与えられた。
但しその栄誉と権利は一代限りのものであり、血脈支配を防ぐために教皇や枢機卿は孕み子との情交を固く禁じられる。
でも、孕み子との情交禁止が固く守られていたのは初期だけで…。公には孕み子の妻は持たないが、愛人として孕み子を囲う教皇や枢機卿が多数存在した。
現在の教皇は無類の孕み子好きとして知られている。最年少枢機卿のクリスティアン = バイラントが、教皇の隠し子である事は公然の秘密だ。
クリスティアン = バイラントはその生い立ちの故に、自由を与えられなかった。枢機卿となった後も、彼は教皇の駒として生きる事になる。
クリスティアンは教皇に命じられ、父親に貢ぐ美しい孕み子を探すため各国の教会を巡る旅に出ていた。
それが彼に与えられた唯一の使命である。その為、彼は何時しか『孕み子狩り』と世間から呼ばれるようになった。
各国の教会を巡るクリスティアンは、フォルカー教を国教とするフォーゲル王国にも立ち寄り‥‥彼は同年代のヴェルンハルト殿下と出逢う。
彼等は互いの孤独を埋めるように、急速に親しくなっていった。
だが、それぞれが求めるものは違っていて‥‥ヴェルンハルト殿下はクリスティアンに『友情』を、枢機卿は殿下に『愛』を求めた。
『愛』と『友情』の間で二人の関係は崩壊し、思い詰めたクリスティアンは『愛』ゆえに罪を犯す。
BL小説『愛の為に』では時として合意の無い情交が描かれるが、前世の俺はこのクリスティアンの凌辱エピソードが大好きだった。
このまま小説の通りに事が進むと、ヴェルンハルト殿下は、クリスティアンに凌辱される事になる。
あの殿下が初めて男を知るのだ。
‥‥尻で。
白状しよう。
前世の俺は変態だった。
今世の俺もどうやら変態らしい。何故なら『フォルカー教国』と国名を聞くだけで、鼓動が高鳴り胸が苦しい。
最凶の『攻め』フォルカー教国の最年少枢機卿のクリスティアン = バイラント。
そして、『攻め』でありながら最高にエロい『受け』になるヴェルンハルト殿下。
無理!
ドキドキする!
鼻血でる!
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フォルカー教国は重要キャラのクリスティアン = バイラントの出身国だ。その為、BL小説『愛の為に』内では、フォルカー教国の成り立ちが詳しく描かれている。
フォルカー教国は唯一神を崇めるフォルカー教の教皇が国を治める宗教国家だ。フォルカー教信者にとっては聖地であり、生涯に一度は訪れたいと望む国である。
フォルカー教国は預言者である『グレゴーリウス = フォルカー』により建国された。
グレゴーリウス = フォルカーは、元はフォルカー帝国の皇帝の末弟であった。彼は幼少期に教会に入り、成人した後にフォルカー教の教皇の座に就く。
そんなある日、グレゴーリウスは唯一神の啓示を受けた。
彼は神の啓示に従い、兄殺しを行い国を乗っ取る。そして、グレゴーリウスはフォルカー帝国を廃すると、教皇の名でファルカー教国の建国を宣言した。
次にグレゴーリウスは、フォルカー教の教団に唯一神を崇拝する優秀な人材を集めた。グレゴーリウスは彼等を枢機卿に任命すると、枢機卿団に宗教行事や国政まで幅広く任せる。
その後、彼は預言者として長く教皇の地位に在り、フォルカー教国を見守った。教皇グレゴーリウスが亡くなると、フォルカー教の枢機卿団から新しい教皇が選ばれる。
教皇に選ばれた者は、預言者である『グレゴーリウス = フォルカー』の名が与えられ、その名に相応しい栄誉と権力を与えられた。
但しその栄誉と権利は一代限りのものであり、血脈支配を防ぐために教皇や枢機卿は孕み子との情交を固く禁じられる。
でも、孕み子との情交禁止が固く守られていたのは初期だけで…。公には孕み子の妻は持たないが、愛人として孕み子を囲う教皇や枢機卿が多数存在した。
現在の教皇は無類の孕み子好きとして知られている。最年少枢機卿のクリスティアン = バイラントが、教皇の隠し子である事は公然の秘密だ。
クリスティアン = バイラントはその生い立ちの故に、自由を与えられなかった。枢機卿となった後も、彼は教皇の駒として生きる事になる。
クリスティアンは教皇に命じられ、父親に貢ぐ美しい孕み子を探すため各国の教会を巡る旅に出ていた。
それが彼に与えられた唯一の使命である。その為、彼は何時しか『孕み子狩り』と世間から呼ばれるようになった。
各国の教会を巡るクリスティアンは、フォルカー教を国教とするフォーゲル王国にも立ち寄り‥‥彼は同年代のヴェルンハルト殿下と出逢う。
彼等は互いの孤独を埋めるように、急速に親しくなっていった。
だが、それぞれが求めるものは違っていて‥‥ヴェルンハルト殿下はクリスティアンに『友情』を、枢機卿は殿下に『愛』を求めた。
『愛』と『友情』の間で二人の関係は崩壊し、思い詰めたクリスティアンは『愛』ゆえに罪を犯す。
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このまま小説の通りに事が進むと、ヴェルンハルト殿下は、クリスティアンに凌辱される事になる。
あの殿下が初めて男を知るのだ。
‥‥尻で。
白状しよう。
前世の俺は変態だった。
今世の俺もどうやら変態らしい。何故なら『フォルカー教国』と国名を聞くだけで、鼓動が高鳴り胸が苦しい。
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そして、『攻め』でありながら最高にエロい『受け』になるヴェルンハルト殿下。
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