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第二章
2-2 カールの悲劇 (過去編)
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◆◆◆◆◆
王都に向かう人気のない森の道で、僕の乗る馬車は襲われた。
相手は軽装の山賊。御者が馬をムチ打ち馬車の速度を上げるも、彼等を振り切ることはできなかった。
「ぎゃあっ!」
悲鳴が聞こえた直後に、御者が走る馬車から振り落とされた。馬車の窓に血飛沫が飛び散り、小さな窓は血に濡れて更に視界が狭まる。
「馬車が乗っ取られたのか?」
御者が振り落とされたのに、馬車は少し乱れただけですぐに正常に走り出す。
いや、正常でもないか。
ずいぶんと荒っぽい動きで、馬車は王都に向かう道から外れて脇道に入って行く。護衛騎士の動きが見えないのは、すでに彼等が山賊に制圧された為だろうか?
「駄目だ‥‥やられた。」
僕は復讐を果たすために王都に馬車を走らせていた。王都に辿り着けば僕の勝ち。王太子殿下の妃として皆の前に立ち、この孕み子に見せかけた醜い体を露わにする。
そうすれば僕は勝てた。
殿下の妃が孕み子で無いことが世に知れたなら、ヴェルンハルト殿下もシュナーベル家も終わりだ。
でも、馬車はもう王都には向かわない。僕は負けた。負けたんだ。復讐は果たせない。
生家シュナーベル侯爵家を滅ぼす事も、この忌まわしい血脈を断絶させる事も叶わなかった。
「‥‥‥復讐の夢が潰えた」
父を恨み。兄を恨み。殿下を恨み。
そして、自分を恨んだ。
この様子なら、自分への復讐だけは果たせるかもしれない。僕は目を閉じて運命に身を任せることにした。
◇◇◇◇
山賊のねぐらに到着すると、僕は無理矢理に馬車から引きずり出された。地面に転がされると、下衆な男達の笑いが薄暗い森の中に広がる。
「こいつがシュナーベルの孕み子か。噂通り綺麗な顔をしているな」
「確かに王太子殿下を誑かすだけの事はある。穢れた血脈が流れているくせに、全く生意気だよな。王太子殿下の妃なんて高望みをしなければ、死ぬこともなかったのによ」
男達は僕のことを孕み子だと思い込んでる。ならば、ただの山賊か?いや、誰かに雇われて僕を襲ったのかもしれない。
でも、誰に?
シュナーベル家か、或いは王太子殿下。それとも‥‥。
「うっ、ぐっぅ!」
突然男に腹を蹴られて胃液を吐いた。必死に身を丸めるが、蹴りつける足の勢いは収まらない。
「やめろっ‥‥はっ、はぁ、くそ!」
地面の土を握り込んで男を退ける機会を持つ。ようやく蹴りが終わると男たちは僕の周りにしゃがみ込み次々に指を這わせ衣服を引き裂いていく。
「はなせっーーーーー!」
「ゔわっ!」
「こいつ!」
手に掴んだ土を男達の目にぶち撒けて、怯んだ男の隙をついて囲いを抜ける。
逃げろ。でも、どこに?どこでもいい。僕が走る先にマテウスがいるならどこだっていい!
「マテウスーーーーーーー!」
男に腕を掴まれた。別の男が髪を掴んで地面に押し倒す。巨漢の男が足を掴んで叫んだ。
「動けないように足の腱を切れ!」
両脚を持ち上げられて、左右の足の腱をナイフで切られた。悲鳴を上げそうになったが、唇を噛みしめ耐える。
足首から流れ出る血液が太ももを赤く染めていく。男はその血を舐めて唇を紅くして嗤った。そして、各々叫びだす。
「全裸にしろ!」
「犯せ!」
「ぶち込んでやる!」
「俺が先だ。お前は後にしろ!」
男達の高揚した声に死を予期した。もう、生きては帰れない。むしり取られた衣服はばら撒かれ、地面の冷たさを感じながら犯された。
「あっ‥‥‥ぐっ、うっ‥‥‥っつ」
「はぁ、はぁ、はぁ、これはイイ」
「ぐっ‥‥あっ、あぁ、あぁ、ゃ゙」
「気持ちいいか、淫乱!」
気絶するたびに殴られて正気に戻される。代わる代わる男がのしかかり、両足を広げて挿入を繰り返した。内部は擦られて痛みしかない。
「あぁ、やめっ‥‥‥やあっ、あぁ゙」
こんな事は慣れてる。
何度も父に犯された。何度も挿入されて腰を打ち付けられて抱かれた。血脈が絡み合う憎い男に奥を貫かれて、何度も鳴いた。鳴いて鳴いて、全てを恨んだ。
「っ‥‥あっ、やぁっ、もっと‥‥あ」
恨んで鳴いて‥‥狂ってしまった。
僕は犯される事に慣れてる。孕み子に似せた抱き人形に、感情は必要ない。
「ひひ、犯されて悦んでやがる。やっぱ、シュナーベル家の奴は不気味だよな。フォルカー教を信じないで、『死と再生』のなんとかって神を信じてるんだろ?野蛮人が」
僕の口を犯す男が腔内に射精した。喉の奥に生臭い精液が流れ込む。咳き込みながらそれを吐き出すと、男に首を絞められた。息ができずに視界が狭まる。
「おい、殺すのは待て。」
「あっ?」
「依頼者の希望を忘れたのか?犯し尽くして、その後は生きたま腹わたを潰すって約束だ。それに、死ぬ前にペニスのない孕み子をもっと可愛がってイかせてやらないとな!」
僕を犯す男が再び腰を動かし出すと、意識が混濁する。それでも、はっきりと分かったことがある。
僕を殺す為に誰かが山賊を雇った。
雇ったのは‥‥誰だ?
◆◆◆◆◆
王都に向かう人気のない森の道で、僕の乗る馬車は襲われた。
相手は軽装の山賊。御者が馬をムチ打ち馬車の速度を上げるも、彼等を振り切ることはできなかった。
「ぎゃあっ!」
悲鳴が聞こえた直後に、御者が走る馬車から振り落とされた。馬車の窓に血飛沫が飛び散り、小さな窓は血に濡れて更に視界が狭まる。
「馬車が乗っ取られたのか?」
御者が振り落とされたのに、馬車は少し乱れただけですぐに正常に走り出す。
いや、正常でもないか。
ずいぶんと荒っぽい動きで、馬車は王都に向かう道から外れて脇道に入って行く。護衛騎士の動きが見えないのは、すでに彼等が山賊に制圧された為だろうか?
「駄目だ‥‥やられた。」
僕は復讐を果たすために王都に馬車を走らせていた。王都に辿り着けば僕の勝ち。王太子殿下の妃として皆の前に立ち、この孕み子に見せかけた醜い体を露わにする。
そうすれば僕は勝てた。
殿下の妃が孕み子で無いことが世に知れたなら、ヴェルンハルト殿下もシュナーベル家も終わりだ。
でも、馬車はもう王都には向かわない。僕は負けた。負けたんだ。復讐は果たせない。
生家シュナーベル侯爵家を滅ぼす事も、この忌まわしい血脈を断絶させる事も叶わなかった。
「‥‥‥復讐の夢が潰えた」
父を恨み。兄を恨み。殿下を恨み。
そして、自分を恨んだ。
この様子なら、自分への復讐だけは果たせるかもしれない。僕は目を閉じて運命に身を任せることにした。
◇◇◇◇
山賊のねぐらに到着すると、僕は無理矢理に馬車から引きずり出された。地面に転がされると、下衆な男達の笑いが薄暗い森の中に広がる。
「こいつがシュナーベルの孕み子か。噂通り綺麗な顔をしているな」
「確かに王太子殿下を誑かすだけの事はある。穢れた血脈が流れているくせに、全く生意気だよな。王太子殿下の妃なんて高望みをしなければ、死ぬこともなかったのによ」
男達は僕のことを孕み子だと思い込んでる。ならば、ただの山賊か?いや、誰かに雇われて僕を襲ったのかもしれない。
でも、誰に?
シュナーベル家か、或いは王太子殿下。それとも‥‥。
「うっ、ぐっぅ!」
突然男に腹を蹴られて胃液を吐いた。必死に身を丸めるが、蹴りつける足の勢いは収まらない。
「やめろっ‥‥はっ、はぁ、くそ!」
地面の土を握り込んで男を退ける機会を持つ。ようやく蹴りが終わると男たちは僕の周りにしゃがみ込み次々に指を這わせ衣服を引き裂いていく。
「はなせっーーーーー!」
「ゔわっ!」
「こいつ!」
手に掴んだ土を男達の目にぶち撒けて、怯んだ男の隙をついて囲いを抜ける。
逃げろ。でも、どこに?どこでもいい。僕が走る先にマテウスがいるならどこだっていい!
「マテウスーーーーーーー!」
男に腕を掴まれた。別の男が髪を掴んで地面に押し倒す。巨漢の男が足を掴んで叫んだ。
「動けないように足の腱を切れ!」
両脚を持ち上げられて、左右の足の腱をナイフで切られた。悲鳴を上げそうになったが、唇を噛みしめ耐える。
足首から流れ出る血液が太ももを赤く染めていく。男はその血を舐めて唇を紅くして嗤った。そして、各々叫びだす。
「全裸にしろ!」
「犯せ!」
「ぶち込んでやる!」
「俺が先だ。お前は後にしろ!」
男達の高揚した声に死を予期した。もう、生きては帰れない。むしり取られた衣服はばら撒かれ、地面の冷たさを感じながら犯された。
「あっ‥‥‥ぐっ、うっ‥‥‥っつ」
「はぁ、はぁ、はぁ、これはイイ」
「ぐっ‥‥あっ、あぁ、あぁ、ゃ゙」
「気持ちいいか、淫乱!」
気絶するたびに殴られて正気に戻される。代わる代わる男がのしかかり、両足を広げて挿入を繰り返した。内部は擦られて痛みしかない。
「あぁ、やめっ‥‥‥やあっ、あぁ゙」
こんな事は慣れてる。
何度も父に犯された。何度も挿入されて腰を打ち付けられて抱かれた。血脈が絡み合う憎い男に奥を貫かれて、何度も鳴いた。鳴いて鳴いて、全てを恨んだ。
「っ‥‥あっ、やぁっ、もっと‥‥あ」
恨んで鳴いて‥‥狂ってしまった。
僕は犯される事に慣れてる。孕み子に似せた抱き人形に、感情は必要ない。
「ひひ、犯されて悦んでやがる。やっぱ、シュナーベル家の奴は不気味だよな。フォルカー教を信じないで、『死と再生』のなんとかって神を信じてるんだろ?野蛮人が」
僕の口を犯す男が腔内に射精した。喉の奥に生臭い精液が流れ込む。咳き込みながらそれを吐き出すと、男に首を絞められた。息ができずに視界が狭まる。
「おい、殺すのは待て。」
「あっ?」
「依頼者の希望を忘れたのか?犯し尽くして、その後は生きたま腹わたを潰すって約束だ。それに、死ぬ前にペニスのない孕み子をもっと可愛がってイかせてやらないとな!」
僕を犯す男が再び腰を動かし出すと、意識が混濁する。それでも、はっきりと分かったことがある。
僕を殺す為に誰かが山賊を雇った。
雇ったのは‥‥誰だ?
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