嫌われ悪役令息は王子のベッドで前世を思い出す

月歌(ツキウタ)

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第四章

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◆◆◆◆◆◆


「くっ・・はぁ、ぁ・・」

「は、やはり、アルミンはいい体をしている」

深く挿入された王太子殿下のペニスは、アルミンの体を抉るように出し入れが繰り返される。潤滑剤もなく挿入されたアルミンは苦痛で呻き声をあげる。殿下は気を良くしながら、腰を激しく動かしていた。

「しかし、驚いた」
「ああ、くっ・・!」

「お前が、貞操体を身につけているとはな。はぁ、締まるな、お前の尻は・・」

「黙って・・犯せ・・っ、うっ」

ヴェルンハルト殿下は、アルミンの腰を引き寄せ奥を貫く。アナルから血が流れシーツを汚す。呻くアルミンに嗤いながら話し掛けていた。

「貞操帯を取った瞬間に、射精した変態には・・こんなセックスは生ぬるいか、アルミン?」

「うるせー」

両手を縛ったアルミンを背後から犯していた殿下は、アルミンの顔を見たくなり一度ペニスを抜いた。そして、アルミンに命じる。

「仰向けになれ、アルミン」
「尻がいてーんだよ。動きたくねー」

「お前が俺の相手をしないなら、マテウスの出産に立ち会うが、どうする?もうすぐ、明け方だ。マテウスが泣きながら、お産する姿には心を惹かれる。マテウスは・・泣くと可愛いからな」

「変態はお前だろ。マテウスをペットにするとか・・変態の考えとしか思えない」

「貞操帯を常時履いている、お前には言われたくないな。お前はマテウスに襲い掛からない様に、貞操帯を身につけているのか?ヘクトールに身に着けるように命じられたのか、アルミン?」

「そんな訳ねーだろ。俺の崇高な趣味に、口出しするな」

アルミンが仰向けになると殿下がニヤリと笑って、胸に手を這わせた。嫌がるアルミンの姿にそそられて、アルミンの片足を肩に乗せる。アナルは切れて腫れあがっていた。ヴェルンハルト殿下は、アルミンに挿入しながら言葉を掛けた。

「ヘクトールを殺して・・マテウスを手にしてはどうだ、アルミン?」

「くっ、・・はぁ、いてぇ、くそが!」

アナルをぎちぎちに開かされたアルミンは悪態をつきながら、拘束された手でシーツをきつく握った。その目に涙はない。ただ、憎しみの眼差しが殺気と共にヴェルンハルト殿下に向けられていた。更に深く挿入して、一度動きを止めた殿下は、更にアルミンに声を掛ける。

「ヘクトールを殺せ。そうすれば、マテウスとお前を伴侶にしてやってもいい」

「セックスに集中しろよ・・」

ヴェルンハルト殿下は、ゆっくりと腰を動かしながらも尚も話しかける。

「お前は、いずれヘクトールに殺されるぞ?」
「うっ・・・はぁ、はぁ、くっ・・」

「ヘクトールは、カールを囲ったアルノーと同種の人間だ。マテウスは何があろうと、ヘクトールからは逃げられない。」

「・・は、はぁ、黙れ!」

「マテウスは、自由にはなれない。あいつは、不幸になるぞ・・アルミン?」

「黙れ、黙れ!!」

ヴェルンハルト殿下が腰の動きを速める。異物感と痛みに、アルミンは唇を噛みしめた。声を出さぬアルミンを、王太子殿下はペニスを最奥に突っ込み、更に責めさいなんだ。

「・・そろそろ、明け方だ・・」
「まだ、行くな。俺で遊んでいけ・・ぐっ、」
「悪いが・・限界だ・・出す」

ヴェルンハルト殿下のペニスから、アルミンの体内に精液が流し込まれた。アルミンのペニスは快感を感じる事もなく萎えていた。殿下はアルミンのぺニスをぎゅっと掴み握りしめた。

「いてぇ、やめろ!」
「遊んで欲しいと懇願したのは・・お前だ」

殿下がずるずると、アルミンの中からペニスを抜き出した。腕を拘束されたまま、アルミンは殿下を睨みつけていた。そんなアルミンを見つめながら、なおもアルミンのペニスを握りつぶした。

「ぐっ、ちょ、マジやめろ!」
「聞いていいか?」
「何だよ、うっ、ぐっ!」

ヴェルンハルト殿下が、膝をアルミンの腹部にめり込ませた。ぺニスを握りつぶしたまま、更に腹部に体重をかける。苦しさにアルミンは足を動かす。その拍子に、アナルからとろとろと白濁が流れ出た。アルミンはその不快感に、顔をしかめる。

「マテウスは、人の死を予知する力がある」
「・・マテウスにそんな力はない」

「マテウスは『死と再生の神の末裔』なんだろ?神の末裔の直系ならば、人の生や死を予見しても不思議はない。実際・・マテウスは、陛下のお子の死を予言した。そして、その予言は見事に的中した」

「・・ただの偶然だ、っ!」

不意に、殿下はアルミンへの責め苦をやめた。そして、アルミンの顔を覗き込み、言葉を続けた。

「マテウスは、後宮を出る引き換えとして、陛下の死を予言した。しかも、かなり間近に迫っているらしい。マテウスが産後の休みをとり、王城に再び出仕する頃には・・父上は死ぬらしい。しかも、死因は、腹上死らしい」

「は、腹上死とはうらやましい!」

アルミンがそう答えると、ヴェルンハルト殿下は、アルミンのアナルに指を突っ込んだ。そして、切れて傷ついた部分を押し広げる。

「いてえ、やめっ、くそ、はぁ、はぁ、」
「良いところを触ってやろうか?」
「いらねー!」
「そうか」

殿下は指を三本に増やし、強引に出し入れした。アルミンは痛みを堪えるため、唇を噛み締める。ヴェルンハルト殿下は、責め苦を与えながら、ぼそりと呟いた。

「マテウスは、俺の死も予言した。後宮内で、腹の子が死んだ時に、マテウスは確かに俺の死を予言していた」

「マテウスに、そんな力はないと言った筈だ!己の腹の子の死に怯え泣くあいつに、人の死を予言する力なんて、あるわけないだろ!」

「自分の身に関わる事は、予言出来ないのかもしれない。とにかく、陛下の死の予言が当たれば、俺の死の予言も現実のものとなるかもしれない。健康上の問題はない。ならば、死因はなんだと思う、アルミン?」

「知るかよ!ぐっ、くそ、痛い、やめっ、ろ」

体内の指が四本に増やされ、アルミンは呻き声を上げた。

「誰かが俺に、刃を向ける可能性が高い。だが、俺には敵が多すぎる。攻撃よりも、守りを固めるしかない。身辺警護を強化して、死の予言を断つつもりだ。ヘクトールに伝えろ。シュナーベル家が、俺の殺害を目論んでいるなら受けてたつとな!」

ヴェルンハルト殿下が、アルミンのアナルから指を引き抜いた。シーツで血液を拭った後、ベッドから立ち上がった。

「さて、もうマテウスの出産が始まっている頃だな。様子を見に行くとするか」

殿下の言葉に、アルミンが噛みついた。

「マテウスに、何故そう拘る?もう、あいつを解放してくれ。十分に虐めただろ。後宮に閉じ込めて・・ヘクトール様とマテウスの幸せな時間を奪った。これ以上、マテウスから、何も奪うな!」

「何故、マテウスに拘るか?決まっている。マテウスを、愛しているからだ」

「冗談だろ?」
「何故、冗談だと思う?」

「殿下が、『愛してる』の意味を理解しているとは、到底思えない」

アルミンの言葉を、殿下は鼻で嗤った。

「人により、愛のかたちは様々だろ?カールはマテウスを愛した為に、犠牲を払い身も心も壊れた。アルミンはマテウスを愛していながら、マテウスを抱かずに俺に抱かれている・・実に愚かだな?ヘクトールは、マテウスを愛しすぎる事を恐れて、先に進めずにいる。俺は、普通にマテウスを愛してるだけだ。普通に愛して、普通に嫌っているだけだ・・っ、う!」

ヴェルンハルト殿下が、突然床に倒れ込んだ。アルミンが裸のまま、上半身を起こす。拘束された手には、小さな針が隠されていた。

「痺れ薬だ。セックス中に一回打ち込んだ。だが、何度も打ち込めば・・死に至る。そして、俺は処刑される。だけど、まあ・・マテウスが幸せになれるからこれでいいよな。これが、俺の愛し方だ」

「シュナーベル家も・・罰せられるぞ」

「ヘクトール様とマテウスが、シュナーベル家を守ってくれる。それに、殿下が死んでも、悲しむ人間はいないだろ?なら、殺しても問題ないよな?俺はまどろっこしいのは、嫌いなんだよ。運命とか信じてないし。ただ、今、殺した方が良いと判断した。それだけです、殿下」

アルミンが立ち上がり、殿下に近づこうとした時、突然部屋の扉が叩かれた。アルミンが舌打ちを打つと同時に、扉が無造作に開かれた。現れたのは、ムキムキ筋肉の殿下の側近だった。

「ヴェルンハルト殿下、セックス中に申し訳ございません。マテウス卿が、出産を終えられました。腹の子が小さく、出産は思いの外早く終わりました。マテウス卿に、異変があれば知らせるようにとの、殿下の命令でしたので、セックス中にお邪魔しました。それでは失礼します、ヴェルンハルト殿下」

「まて、脳筋・・俺を助けろ。そして、アルミンを拘束しろ」

「え?あの?ハードプレイの為に、床に横たわっているのではないのですか、殿下?」

「違う・・」

「うわー、最悪のタイミングで側近が来たよ。やっぱり、運命には逆らえないって事かな?で、脳筋さん。マテウスは無事なのか?」

「泣き叫んでいる声が、廊下まで漏れていました。ですが、ヘクトール卿がお越しになってからは、少し落ち着かれた様子です」

「うーん、絶妙のタイミングで、ヘクトール様登場か。策士のヘクトール様には、敵いませんね、ヴェルンハルト殿下。俺も殿下もマテウスの事は、諦めた方が良さそうですよ?それでは、脳筋さん・・俺を、亀甲縛りできつく拘束して下さい」

「え、それは・・3Pのお誘いですか?」
「もちろんだよ」
「では、遠慮なくいただきます!」

アルミンに抱きついてきた筋肉は、痺れ針の餌食になった。アルミンは、再び殿下に近づき針を刺そうとして、針の先が折れ曲がっていることに気がついた。これでは、死ぬまで刺すことは困難だと判断したアルミンは、裸のまま部屋を出て姿を消した。

殿下は愛人とのセックス中は、常日頃からできるだけ人払いをしていた。暗部組織もその例外ではなく遠ざけられていた。それが災いして、アルミンを捕り逃す事となった。


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