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第四章
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◆◆◆◆◆
「アルミンは、凄く厚い下衣を身に着けているみたい。だから、歩き方がおかしいみたいだよ、マテウス。アルミン、その下衣・・歩きづらくないの?」
「ファビアン殿下・・この下衣は、脱いだ時にこそ、あり得ない解放感と快感を得られるのです。一度、この下衣を身に付けた者は・・もはや、正常な世界には戻れないのです、殿下」
「やめなさい、アルミン!ファビアン殿下に、妙な事を言わないで。つまり、あれね。あれを身に着けているのね?でも、もう不要でしょ?私は、後宮を後にしたのだから。健康の為にも、普通の下衣に変えるべきだと思うよ?ルドルフ様もアドバイスをしてあげて」
俺は、隣を歩くルドルフに、話しかけていた。
「マテウス様、もはや不可能かと。我が愚弟は、百枚もの貞操帯・・下衣をコレクションしております。すでに、その下衣なしでは、興奮を得られぬ体となっております」
「アルミン・・男を抱くより、その下衣に感じる体になってしまったの?ならば、何も言わない。自由に楽しみなさい、アルミン」
「まて、マテウス!この下衣に嵌まったのは、ルドルフの責任なんだ!奴は、俺のぺニスを切り落とす代わりに、俺を眠らせ鍵付き貞操帯を嵌めると、自分だけぺニスを切り落として、後宮に乗り込みやがった。俺は一週間もその貞操帯とお付き合いして、ようやく鍵をぶち壊して貞操・・下衣を脱いだら、あれが立ち上がり、噴出したんだ!長かった。最長の快感が俺を襲い・・それ以来、下衣集めが趣味になった。だが、ただの趣味だ!俺だって、抱きたい奴はいる。いるけど抱けないから、下衣に恋してるの。この切ない気持ちを理解してくれ、マテウス!」
理解したくない。俺は沈黙を返事とした。大体、人気がないとはいえ、既に王城に突入しているのだが、この会話は大丈夫なのか?
「沈黙はやめてくれ、マテウス」
「では、沈黙はやめるね。聞いていい?」
「何でも聞いてくれ」
俺は大きく息を吐き出した。そして、俺を抱くアルミンに、小さな声で話しかけた。
「ヘクトール兄上は、今、大きな処刑案件を抱えているよね?公爵位ヴァインガルトナー家は、王弟殿下の産みの親の実家でしょ?高位貴族を調査対象にして、兄上の身の安全は守られているの?」
「ルドルフから聞いたのか?」
「いいえ。ルドルフ様からは、何も聞かされていないよ。その・・予見したの。ヴァインガルトナー家は、隣国から武器と植民地の奴隷を密輸していたでしょ?違う?」
「違わねーよ。ヴァインガルトナー家が、どんな意図で動いたのかは、まだはっきりとはしていない。第一、公爵家はすぐに資金不足に陥り、王家に刃向かう様な行動は、何も起こしてはいない」
「・・でも、ヴァインガルトナー家は、植民地の奴隷たちをもて余していた。資金不足から、奴隷たちに満足な食事も与えず、最後には皆殺しにしようとした。だけど、奴隷たちは、抵抗して、多くの奴隷たちが、公爵家の領地から逃げ出してしまった」
アルミンは階段を慎重に登りながら、口をひらいた。
「マテウス・・予見をすれば寿命が削られると聞いた。ヘクトール様の身は、必ず暗部が守る。それに、ヴァインガルトナー家から、処刑者はでないはずだ。もう、この話は忘れてくれ、マテウス」
「ヘクトール兄上は、王弟殿下と取引をしたの?シュテフェン殿下は去勢して、王太子殿下の後宮に入り浸っている。そして、第二王子の産みの親と親しげに振る舞っていた。何かあるとしか思えないよ、アルミン」
アルミンが苦い表情を浮かべる。
「マテウスは、今からの出産に集中してくれ。ヴァインガルトナー家の件は、ヘクトール様が対応する」
「奴隷狩りがはじまるんだね、アルミン」
「マテウス!」
「彼らが、フォーゲル王国に、伝染病をもたらすから。フォルカー病の蔓延を防ぐために、植民地の奴隷も、共に連れてこられた植民地の孕み子も、狩るんだよね。そして、病が国中に蔓延する前に処刑する」
「・・王国を守るためだ」
「王国は守れないよ。王太子殿下の戴冠式の頃には、フォルカー病の流行の兆しが見て取れるもの。その先は、私にも予見出来ないけれど」
「マテウス、奴隷狩りは行うが・・大々的には行われない。ヴァインガルトナー家の者は罪に問われないと言っただろ。彼らは、奴隷狩りは秘密裏に行って欲しいと、シュナーベル家に願い出てきた。ヘクトール様でも、高位貴族からの圧力には敵わない事もある」
「本当にそうなの?殿下を亡き者にする為に、ヴァインガルトナー家と取引したのではないの?ただ一人の男の命と引き換えに・・王国民を伝染病の危機に晒すの?そんな事をすれば、ヘクトール兄上は、また罪を背負い込み苦しむ。苦しみ続ける人生なんて、そんなのっ!」
俺はアルミンに唇を奪われていた。途切れた言葉の代わりに、俺の口から甘い声が漏れた。アルミンは、ゆっくりと唇をはなす。そして、僅かに視線を逸らせて、言葉を発した。
「目的の部屋が近い。周辺には、王城の暗部組織が潜み、此方の様子を伺っている。マテウス、どうか身を守る慎重さを、失わないでくれ。たとえ、産んだ子が亡くなっていても、お前は生きないといけない。マテウスが生きていないなら、俺も生きる意味を失う。マテウス、頼むから・・自らを危険に晒すな。もう、この話はなしだ」
俺は、先見も予見もしていない。ただ、小説にフォルカー病の流行の兆しと、その原因が書かれていただけだ。でも、殿下の殺害を画策したがめに、フォルカー病の大流行を引き起こしたならどうする?
実際には、殿下の死で小説『愛の為に』は終焉を迎える。だから、俺にはその先の事はわからない。フォルカー病が大流行するのか、すぐに終息するのかは分からない。でも、多くの人が死んだらどうしよう。罪の意識に苛まれた兄上を見たくない。
違う。俺はただ、目の前の恐怖から逃げ出したいだけだ。本当は、フォルカー病が大流行しようと・・今の俺には興味ないこと。ただ、怖いから、他人の死に意識を向けているだけ。
「アルミン、怖い」
「マテウス・・」
「アルミン、アルミン!駄目なの!まだ、奇跡が起きてないから、産めない!今、子を産んだら死産になる。私は死んだ子を産みたくない。生きた子を産みたい!死んだ子を抱き締めたいなんて嘘。私は、生きた子を抱き締めたい。死んだ子なんて、抱き締めたくない!私が生むのは生きた赤ちゃん。だって、奇跡は起こるから!私は、死んだけど転生したから。きっと、お腹の子にも、いずれ命が宿る。異世界から命が来るから。私は、ずっとそれを待ってた。命が宿ったら、産んで、我が子として大切に育てるつもりだった。でも、今、産んだらきっと奇跡は起きない。アルミン、出産部屋には行かないで!まだ、駄目!奇跡が起こるまで待って!まだ産みたくないの!ヘクトール兄上、わたし、まだ産みたくない。まだ駄目なの!産みたくない!ヘクトール兄上!兄上ーー!」
「ルドルフ!」
「眠らせる」
首筋にチクリと痛みが走った。俺はアルミンに抱かれたまま、ルドルフを見た。ルドルフは、苦しそうな表情で告げた。
「次に目覚めた時には、お産が始まっているとおもわれます。マテウス様、それまではお休みください」
「ルドルフ様、私・・怖い」
「そばにおります」
「うん、」
俺は涙を流しながら、気を失った。
◆◆◆◆◆
「アルミンは、凄く厚い下衣を身に着けているみたい。だから、歩き方がおかしいみたいだよ、マテウス。アルミン、その下衣・・歩きづらくないの?」
「ファビアン殿下・・この下衣は、脱いだ時にこそ、あり得ない解放感と快感を得られるのです。一度、この下衣を身に付けた者は・・もはや、正常な世界には戻れないのです、殿下」
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俺は、隣を歩くルドルフに、話しかけていた。
「マテウス様、もはや不可能かと。我が愚弟は、百枚もの貞操帯・・下衣をコレクションしております。すでに、その下衣なしでは、興奮を得られぬ体となっております」
「アルミン・・男を抱くより、その下衣に感じる体になってしまったの?ならば、何も言わない。自由に楽しみなさい、アルミン」
「まて、マテウス!この下衣に嵌まったのは、ルドルフの責任なんだ!奴は、俺のぺニスを切り落とす代わりに、俺を眠らせ鍵付き貞操帯を嵌めると、自分だけぺニスを切り落として、後宮に乗り込みやがった。俺は一週間もその貞操帯とお付き合いして、ようやく鍵をぶち壊して貞操・・下衣を脱いだら、あれが立ち上がり、噴出したんだ!長かった。最長の快感が俺を襲い・・それ以来、下衣集めが趣味になった。だが、ただの趣味だ!俺だって、抱きたい奴はいる。いるけど抱けないから、下衣に恋してるの。この切ない気持ちを理解してくれ、マテウス!」
理解したくない。俺は沈黙を返事とした。大体、人気がないとはいえ、既に王城に突入しているのだが、この会話は大丈夫なのか?
「沈黙はやめてくれ、マテウス」
「では、沈黙はやめるね。聞いていい?」
「何でも聞いてくれ」
俺は大きく息を吐き出した。そして、俺を抱くアルミンに、小さな声で話しかけた。
「ヘクトール兄上は、今、大きな処刑案件を抱えているよね?公爵位ヴァインガルトナー家は、王弟殿下の産みの親の実家でしょ?高位貴族を調査対象にして、兄上の身の安全は守られているの?」
「ルドルフから聞いたのか?」
「いいえ。ルドルフ様からは、何も聞かされていないよ。その・・予見したの。ヴァインガルトナー家は、隣国から武器と植民地の奴隷を密輸していたでしょ?違う?」
「違わねーよ。ヴァインガルトナー家が、どんな意図で動いたのかは、まだはっきりとはしていない。第一、公爵家はすぐに資金不足に陥り、王家に刃向かう様な行動は、何も起こしてはいない」
「・・でも、ヴァインガルトナー家は、植民地の奴隷たちをもて余していた。資金不足から、奴隷たちに満足な食事も与えず、最後には皆殺しにしようとした。だけど、奴隷たちは、抵抗して、多くの奴隷たちが、公爵家の領地から逃げ出してしまった」
アルミンは階段を慎重に登りながら、口をひらいた。
「マテウス・・予見をすれば寿命が削られると聞いた。ヘクトール様の身は、必ず暗部が守る。それに、ヴァインガルトナー家から、処刑者はでないはずだ。もう、この話は忘れてくれ、マテウス」
「ヘクトール兄上は、王弟殿下と取引をしたの?シュテフェン殿下は去勢して、王太子殿下の後宮に入り浸っている。そして、第二王子の産みの親と親しげに振る舞っていた。何かあるとしか思えないよ、アルミン」
アルミンが苦い表情を浮かべる。
「マテウスは、今からの出産に集中してくれ。ヴァインガルトナー家の件は、ヘクトール様が対応する」
「奴隷狩りがはじまるんだね、アルミン」
「マテウス!」
「彼らが、フォーゲル王国に、伝染病をもたらすから。フォルカー病の蔓延を防ぐために、植民地の奴隷も、共に連れてこられた植民地の孕み子も、狩るんだよね。そして、病が国中に蔓延する前に処刑する」
「・・王国を守るためだ」
「王国は守れないよ。王太子殿下の戴冠式の頃には、フォルカー病の流行の兆しが見て取れるもの。その先は、私にも予見出来ないけれど」
「マテウス、奴隷狩りは行うが・・大々的には行われない。ヴァインガルトナー家の者は罪に問われないと言っただろ。彼らは、奴隷狩りは秘密裏に行って欲しいと、シュナーベル家に願い出てきた。ヘクトール様でも、高位貴族からの圧力には敵わない事もある」
「本当にそうなの?殿下を亡き者にする為に、ヴァインガルトナー家と取引したのではないの?ただ一人の男の命と引き換えに・・王国民を伝染病の危機に晒すの?そんな事をすれば、ヘクトール兄上は、また罪を背負い込み苦しむ。苦しみ続ける人生なんて、そんなのっ!」
俺はアルミンに唇を奪われていた。途切れた言葉の代わりに、俺の口から甘い声が漏れた。アルミンは、ゆっくりと唇をはなす。そして、僅かに視線を逸らせて、言葉を発した。
「目的の部屋が近い。周辺には、王城の暗部組織が潜み、此方の様子を伺っている。マテウス、どうか身を守る慎重さを、失わないでくれ。たとえ、産んだ子が亡くなっていても、お前は生きないといけない。マテウスが生きていないなら、俺も生きる意味を失う。マテウス、頼むから・・自らを危険に晒すな。もう、この話はなしだ」
俺は、先見も予見もしていない。ただ、小説にフォルカー病の流行の兆しと、その原因が書かれていただけだ。でも、殿下の殺害を画策したがめに、フォルカー病の大流行を引き起こしたならどうする?
実際には、殿下の死で小説『愛の為に』は終焉を迎える。だから、俺にはその先の事はわからない。フォルカー病が大流行するのか、すぐに終息するのかは分からない。でも、多くの人が死んだらどうしよう。罪の意識に苛まれた兄上を見たくない。
違う。俺はただ、目の前の恐怖から逃げ出したいだけだ。本当は、フォルカー病が大流行しようと・・今の俺には興味ないこと。ただ、怖いから、他人の死に意識を向けているだけ。
「アルミン、怖い」
「マテウス・・」
「アルミン、アルミン!駄目なの!まだ、奇跡が起きてないから、産めない!今、子を産んだら死産になる。私は死んだ子を産みたくない。生きた子を産みたい!死んだ子を抱き締めたいなんて嘘。私は、生きた子を抱き締めたい。死んだ子なんて、抱き締めたくない!私が生むのは生きた赤ちゃん。だって、奇跡は起こるから!私は、死んだけど転生したから。きっと、お腹の子にも、いずれ命が宿る。異世界から命が来るから。私は、ずっとそれを待ってた。命が宿ったら、産んで、我が子として大切に育てるつもりだった。でも、今、産んだらきっと奇跡は起きない。アルミン、出産部屋には行かないで!まだ、駄目!奇跡が起こるまで待って!まだ産みたくないの!ヘクトール兄上、わたし、まだ産みたくない。まだ駄目なの!産みたくない!ヘクトール兄上!兄上ーー!」
「ルドルフ!」
「眠らせる」
首筋にチクリと痛みが走った。俺はアルミンに抱かれたまま、ルドルフを見た。ルドルフは、苦しそうな表情で告げた。
「次に目覚めた時には、お産が始まっているとおもわれます。マテウス様、それまではお休みください」
「ルドルフ様、私・・怖い」
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