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第四章
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◆◆◆◆◆
第二王子の産みの親である、イグナーツ = ファッハの抗議に従い、俺は早々に後宮を出ることにした。後宮の邸に残してきた荷物は、後日まとめて運び出すことに決めた。
その為、俺が持つ鞄に入れている物は、別人格のカールが残してくれた日記帳と後宮の通行札のみだ。ルドルフは、俺が鞄を持つことに心配を示したが、軽いからと説得した。これだけは、自分で持ちたかったから。
「マテウス、足元に気を付けて。石畳は少しの段差でもつまずくから。僕が手を繋ごうか?」
ファビアン殿下は、ランプで後宮の石畳の道を照らしながら、俺にしきりに話し掛けてくる。
「ファビアン殿下、お気遣いありがとうございます。ですが、後宮の道に詳しい殿下が、ランプで石畳の道を照らして下さる事が、何よりも心強く感じます。特に、月の隠れた夜には」
「そう?じゃあ、しっかりランプで足元を照らすね!マテウス、歩くのが辛くなったら言ってね。休憩しながら、王城に行こうね」
「はい、ファビアン殿下」
ファビアン殿下は、俺が後宮を出ることを知ると、殿下自ら後宮を出て、王城で暮らす事を決めた。そこに殿下の成長を感じながらも、不安もあった。
何故なら、ファビアン殿下は、父親のヴェルンハルト殿下から、後宮を出る許可をまだ得ていないからだ。ファビアン殿下は、王太子殿下に事後報告をするつもりのようだが・・不安が募る。今から出産する身でなければ、ヴェルンハルト殿下から、身を呈してファビアン殿下を守るのに。思い通りに動けない自分が不甲斐ない。
「マテウス様?」
それに、これから迎える出産は・・誰にも喜びを与えないものだ。その出産に、周りを巻き込む事は・・本当に正しかってのかな?
亡くなった子を抱き締めて、お別れをするつもりだったけれど・・その時になって、抱くことが怖くなったらどうしよう。俺は強くなった筈なのに。
『カール』
「マテウス様、大丈夫ですか?」
「え?」
心の中でカールに呼び掛けた時、ルドルフから声を掛けられている事に気がついた。
「マテウス様?」
「はい、ルドルフ様!少しぼんやりしていました・・返事が遅れてご免なさい」
「マテウス様、少しでも体調が良くないと感じた時は、周りの者に頼って下さい。マテウス様、子宮の収縮や痛みはありませんか?吐き気などはどうですか?」
「ルドルフ様、私は子供ではありませんよ?」
「ですが、子の出産は初めての事です」
「確かに、そうだね・・ルドルフ様」
ファビアン殿下とルドルフ様が、各々心配そうに声を描けてくれる。でも、俺はなんだか子供扱いされている様な気がして・・ちょっと複雑な気分になってしまった。
「ルドルフ様」
「はい、マテウス様」
俺はその場に立ち止まると、ルドルフに向かい少し強い口調で言葉を発していた。
「ルドルフ様。私は、以前の弱いマテウスではありません。『カール』が私の心を守る為に、私と交わり融合してくれたのです。私は強くなりました。その事を、認めて頂きたいです」
ルドルフは俺の発言を聞いた後、真っ直ぐに此方を見つめながら言葉を紡いだ。
「マテウス様、貴方はカール殿と融合された事で、確かに強い心を得られたようです。ですが、マテウス様は、悩みや不安や・・恐怖心を感じなくなった訳ではないでしょう?」
「それは・・そうですが・・」
「マテウス様、どれ程『強い心』を持っていても、その心を労らなければ、ポキリと折れてしまいます。どうか、心の内に悩みや不安を溜め込まない様になさってください。もっと、周囲の者に甘えて下さい。そうしなければ、マテウス様は、内に内に悩みや恐怖心を沈めて・・再び心の内に、別人格を生み出す可能性がございます」
「カールが私の元に戻ってきてくれるの?」
俺の声は、弾んでしまっていた。そんな俺の様子に、ルドルフは少し苦い表情を浮かべる。
「マテウス様、もうカール殿は戻っては来ないでしょう。もしも、新しく別人格が生まれたとしても・・カール殿ほど、貴方に思い遣りを持った人格は生まれはしないでしょう。それどころか、マテウス様を乗っ取り、主人格になろうと模索する別人格が、生まれる危険性もあります。私は、その事を懸念しています」
俺は思わず言葉を失ってしまった。しばらく考え込んでから、俺はルドルフに尋ねた。
「・・カールが消えてまで、私に強い心を残してくれたのです。だから、『私は強く有るべき』だと、必死になっていたのかもしれない。ルドルフ様、私は貴方から見て・・無理をしているように見える?」
「その様に、お見受けいたします」
「そっか・・」
俺は大きく息を吐き出した。俺はルドルフに向かって手を伸ばした。ルドルフは、すぐに俺の手を握ってくれた。
「さあ、後宮を出ましょう。ファビアン殿下、ランプで足元を照らして頂けますか?それと、もう少しゆっくりと歩いてもらっても構いませんか?少し、お腹が張って苦しいです。ごめんなさい、殿下」
「どうして、マテウスが謝るの?僕の・・は、配慮が、うー、足りなかったから・・あの、」
ファビアン殿下の言葉が焦りから乱れる。俺は殿下の背中に触れて撫でた。
「ファビアン殿下、貴方はまだ子供です。背伸びをしなくても大丈夫ですよ?私も背伸びをする事は止めました。殿下が王城で住むことを望んでいる事は、私の兄上からも王太子殿下に口添えしてもらいますね?ヘクトール兄上は頼りになりますから、きっと願いは叶いますよ。ね、ファビアン殿下」
「た、助かる。マテウス、あ、ありがとう」
「どういたしまして、殿下」
ファビアン殿下は、照れ臭そうに礼を口にすると、再び後宮の出入り口に向かって歩き出した。殿下の背中を見つめながら、やはり父親と対峙する事が不安だったのだと感じた。そして、俺もまた殿下と同じように不安を抱え込んでいる事に気がつかされた。
俺はルドルフに、甘えることにした。俺をエスコートするルドルフに話し掛けていた。
「ルドルフ様、私の悩みを聞いて頂けますか?その、とても聞きにくい事なのですが・・」
「もちろん、お聞きします」
「その、『孕み子』は・・どこから子を産むのでしょうか?」
「・・『孕み子』は、女性とは違い産道がありません。産道とは、子が通る専用の道です。しかし、ご安心下さい。『孕み子』の子は子宮から出た後に直腸を通り生まれます」
「・・直腸」
「そうです、マテウス様」
「ですが、直腸にはそれほど柔軟性はない様な?本当に・・直腸から・・その、」
ルドルフ様はにっこりと笑い頷いた。
「ご安心下さい。『孕み子』の出産に際しては、神秘的現象が起こりますので大丈夫です」
「ル、ルドルフ様が、アルミンと同じ事を言った!アルミンも、『出産は神秘だ』とかって言ってた。神秘的現象って何?全然、大丈夫じゃないのだけれど!?」
「落ち着いて下さい、マテウス様。素人のアルミンと同じ扱いは心外です。私は、医者の立場から、出産は神秘的だと申し上げております」
確かに、BL小説『愛の為に』内では、『孕み子』設定は曖昧にされていた。その為なのか、今世では出産本を目にしたことがない。
でも、ルドルフは開業医の時に、高い家賃を払うために、王立病院の産科で夜勤を務め、幾人もの赤子を取りあげてきたと聞いていた。でも、医者のルドルフが、出産では神秘的現象が起こると言うなんて・・怖すぎるのだけれど!
その時に、前方の暗闇から物音が聞こえた。俺はびくりとして、ルドルフにしがみついた。
物音が止むと、急に前方が明るくなった。どうやら、前方にいた人物がランプを灯したようだ。人影は二つ・・この暗闇で、ランプも灯さず何をしていたのだろう?
やがて、二人の人物がこちらに向かって歩いてきた。その人物を俺は知っていた。
「おやおや?亡くなった子を産むと聞き、さぞかし落ち込んでいると思っていたけれど・・違っていたようだね?流石は、シュナーベル家の人間だ。人の死に、慣れすぎたのかな?ねえ、マテウス=シュナーベル?」
「シュテフェン殿下!?」
王弟殿下のシュテフェン = フォーゲルが、何故か王太子殿下の後宮にいた。しかも、その隣には、第二王子の産みの親であるイグナーツが立っていた。
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第二王子の産みの親である、イグナーツ = ファッハの抗議に従い、俺は早々に後宮を出ることにした。後宮の邸に残してきた荷物は、後日まとめて運び出すことに決めた。
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「マテウス、足元に気を付けて。石畳は少しの段差でもつまずくから。僕が手を繋ごうか?」
ファビアン殿下は、ランプで後宮の石畳の道を照らしながら、俺にしきりに話し掛けてくる。
「ファビアン殿下、お気遣いありがとうございます。ですが、後宮の道に詳しい殿下が、ランプで石畳の道を照らして下さる事が、何よりも心強く感じます。特に、月の隠れた夜には」
「そう?じゃあ、しっかりランプで足元を照らすね!マテウス、歩くのが辛くなったら言ってね。休憩しながら、王城に行こうね」
「はい、ファビアン殿下」
ファビアン殿下は、俺が後宮を出ることを知ると、殿下自ら後宮を出て、王城で暮らす事を決めた。そこに殿下の成長を感じながらも、不安もあった。
何故なら、ファビアン殿下は、父親のヴェルンハルト殿下から、後宮を出る許可をまだ得ていないからだ。ファビアン殿下は、王太子殿下に事後報告をするつもりのようだが・・不安が募る。今から出産する身でなければ、ヴェルンハルト殿下から、身を呈してファビアン殿下を守るのに。思い通りに動けない自分が不甲斐ない。
「マテウス様?」
それに、これから迎える出産は・・誰にも喜びを与えないものだ。その出産に、周りを巻き込む事は・・本当に正しかってのかな?
亡くなった子を抱き締めて、お別れをするつもりだったけれど・・その時になって、抱くことが怖くなったらどうしよう。俺は強くなった筈なのに。
『カール』
「マテウス様、大丈夫ですか?」
「え?」
心の中でカールに呼び掛けた時、ルドルフから声を掛けられている事に気がついた。
「マテウス様?」
「はい、ルドルフ様!少しぼんやりしていました・・返事が遅れてご免なさい」
「マテウス様、少しでも体調が良くないと感じた時は、周りの者に頼って下さい。マテウス様、子宮の収縮や痛みはありませんか?吐き気などはどうですか?」
「ルドルフ様、私は子供ではありませんよ?」
「ですが、子の出産は初めての事です」
「確かに、そうだね・・ルドルフ様」
ファビアン殿下とルドルフ様が、各々心配そうに声を描けてくれる。でも、俺はなんだか子供扱いされている様な気がして・・ちょっと複雑な気分になってしまった。
「ルドルフ様」
「はい、マテウス様」
俺はその場に立ち止まると、ルドルフに向かい少し強い口調で言葉を発していた。
「ルドルフ様。私は、以前の弱いマテウスではありません。『カール』が私の心を守る為に、私と交わり融合してくれたのです。私は強くなりました。その事を、認めて頂きたいです」
ルドルフは俺の発言を聞いた後、真っ直ぐに此方を見つめながら言葉を紡いだ。
「マテウス様、貴方はカール殿と融合された事で、確かに強い心を得られたようです。ですが、マテウス様は、悩みや不安や・・恐怖心を感じなくなった訳ではないでしょう?」
「それは・・そうですが・・」
「マテウス様、どれ程『強い心』を持っていても、その心を労らなければ、ポキリと折れてしまいます。どうか、心の内に悩みや不安を溜め込まない様になさってください。もっと、周囲の者に甘えて下さい。そうしなければ、マテウス様は、内に内に悩みや恐怖心を沈めて・・再び心の内に、別人格を生み出す可能性がございます」
「カールが私の元に戻ってきてくれるの?」
俺の声は、弾んでしまっていた。そんな俺の様子に、ルドルフは少し苦い表情を浮かべる。
「マテウス様、もうカール殿は戻っては来ないでしょう。もしも、新しく別人格が生まれたとしても・・カール殿ほど、貴方に思い遣りを持った人格は生まれはしないでしょう。それどころか、マテウス様を乗っ取り、主人格になろうと模索する別人格が、生まれる危険性もあります。私は、その事を懸念しています」
俺は思わず言葉を失ってしまった。しばらく考え込んでから、俺はルドルフに尋ねた。
「・・カールが消えてまで、私に強い心を残してくれたのです。だから、『私は強く有るべき』だと、必死になっていたのかもしれない。ルドルフ様、私は貴方から見て・・無理をしているように見える?」
「その様に、お見受けいたします」
「そっか・・」
俺は大きく息を吐き出した。俺はルドルフに向かって手を伸ばした。ルドルフは、すぐに俺の手を握ってくれた。
「さあ、後宮を出ましょう。ファビアン殿下、ランプで足元を照らして頂けますか?それと、もう少しゆっくりと歩いてもらっても構いませんか?少し、お腹が張って苦しいです。ごめんなさい、殿下」
「どうして、マテウスが謝るの?僕の・・は、配慮が、うー、足りなかったから・・あの、」
ファビアン殿下の言葉が焦りから乱れる。俺は殿下の背中に触れて撫でた。
「ファビアン殿下、貴方はまだ子供です。背伸びをしなくても大丈夫ですよ?私も背伸びをする事は止めました。殿下が王城で住むことを望んでいる事は、私の兄上からも王太子殿下に口添えしてもらいますね?ヘクトール兄上は頼りになりますから、きっと願いは叶いますよ。ね、ファビアン殿下」
「た、助かる。マテウス、あ、ありがとう」
「どういたしまして、殿下」
ファビアン殿下は、照れ臭そうに礼を口にすると、再び後宮の出入り口に向かって歩き出した。殿下の背中を見つめながら、やはり父親と対峙する事が不安だったのだと感じた。そして、俺もまた殿下と同じように不安を抱え込んでいる事に気がつかされた。
俺はルドルフに、甘えることにした。俺をエスコートするルドルフに話し掛けていた。
「ルドルフ様、私の悩みを聞いて頂けますか?その、とても聞きにくい事なのですが・・」
「もちろん、お聞きします」
「その、『孕み子』は・・どこから子を産むのでしょうか?」
「・・『孕み子』は、女性とは違い産道がありません。産道とは、子が通る専用の道です。しかし、ご安心下さい。『孕み子』の子は子宮から出た後に直腸を通り生まれます」
「・・直腸」
「そうです、マテウス様」
「ですが、直腸にはそれほど柔軟性はない様な?本当に・・直腸から・・その、」
ルドルフ様はにっこりと笑い頷いた。
「ご安心下さい。『孕み子』の出産に際しては、神秘的現象が起こりますので大丈夫です」
「ル、ルドルフ様が、アルミンと同じ事を言った!アルミンも、『出産は神秘だ』とかって言ってた。神秘的現象って何?全然、大丈夫じゃないのだけれど!?」
「落ち着いて下さい、マテウス様。素人のアルミンと同じ扱いは心外です。私は、医者の立場から、出産は神秘的だと申し上げております」
確かに、BL小説『愛の為に』内では、『孕み子』設定は曖昧にされていた。その為なのか、今世では出産本を目にしたことがない。
でも、ルドルフは開業医の時に、高い家賃を払うために、王立病院の産科で夜勤を務め、幾人もの赤子を取りあげてきたと聞いていた。でも、医者のルドルフが、出産では神秘的現象が起こると言うなんて・・怖すぎるのだけれど!
その時に、前方の暗闇から物音が聞こえた。俺はびくりとして、ルドルフにしがみついた。
物音が止むと、急に前方が明るくなった。どうやら、前方にいた人物がランプを灯したようだ。人影は二つ・・この暗闇で、ランプも灯さず何をしていたのだろう?
やがて、二人の人物がこちらに向かって歩いてきた。その人物を俺は知っていた。
「おやおや?亡くなった子を産むと聞き、さぞかし落ち込んでいると思っていたけれど・・違っていたようだね?流石は、シュナーベル家の人間だ。人の死に、慣れすぎたのかな?ねえ、マテウス=シュナーベル?」
「シュテフェン殿下!?」
王弟殿下のシュテフェン = フォーゲルが、何故か王太子殿下の後宮にいた。しかも、その隣には、第二王子の産みの親であるイグナーツが立っていた。
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