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第四章
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◆◆◆◆◆
俺が後宮に閉じ込められてから、アソコを切り落とそうとした人物が二人いた。
その事を、ルドルフおじさまから聞いた時に、俺は泣いて良いのか、笑って良いのか困ってしまった。
◇◇◇
一人目は、ヴォルフラム = ディートリッヒ。
ヴォルフラムは、ディートリッヒ家の領地の演習場で、静養というなの有酸素運動を行っていた。その時に、俺が後宮に囲われた事を耳にしたらしい。
ヴォルフラムは即座に、左利き用の剣でアソコを斬り落とそうとした。だが、 ディートリッヒ家の武に長けた臣下達により、彼は取り押さえられた。
異端審問事件の拷問により、ヴォルフラムは右半身の多くの部位を失っている。その彼が、突然にアソコを斬り落とそうとした事で、乱心したと勘違いされたようだ。
ディートリッヒ家の当主の命令で、武器を全て取り上げられたヴォルフラムは、牢獄にぶちこまれたらしい。そこに駆けつけたのが、兄のフリートヘルムだった。彼は懸命に弟を説得したようだ。
『ヴォルフラム、よく聞け!お前がマテウス卿に対して、特別な感情を抱いていることは知っている。だが、アソコを斬り落とすのは、絶対にやめるんだ。考えてみろ、ヴォルフラム!アソコは、体の中心にある。右半身の機能を失ったお前が、ようやく独自のバランス感覚を獲得しつつあるのに、今アソコを斬り落とすと・・全てを失うぞ!それでは、マテウス卿が出産後に、後宮から出てきた時に、護衛の任を務められないではないか!耐えろ、ヴォルフラム!マテウス卿が、誰の子を孕んでいるのかは秘密にされているが・・おそらくは、殿下の子に間違いない。ならば、護衛は、我々ディートリッヒ家の役目だ。シュナーベル家に護衛は任せる訳にはいかない!ヴォルフラム、マテウス卿と再会を果たすまでは、アソコを斬るな。そして、研鑽を重ねるのだ!俺も今・・殿下への想いを絶ちきる為に『☆孕み子の館☆』に通い、アソコが勃起するように、努力しているところだ。あぁ、ヴォルフラムが羨ましい。マテウス卿の事を考えるだけで、アソコが勃起するのに、よくも斬り落とそうとしたな!俺への当て付けか、ヴォルフラム!よし、牢獄から出ろ!演習場で、剣を交えるぞ!叩き潰してやる!』
『お相手します、兄上』
以上が、ディートリッヒ家に潜入中の、シュナーベル家の暗部からの報告である。
◇◇◇
二人目は、アルミン= シュナーベル。
アルミンは後宮を後にすると、シュナーベル家の邸に急ぎ戻った。そして、ヘクトール兄上に、後宮内でカールと出会った事と、彼と交わした会話を全て報告した。
その上で、アルミンは、俺の護衛を失敗した事を理由に、アソコを切り落とす許可を兄上から得ようとした。だが、ヘクトール兄上はそれを許さなかった。
しかし、諦めきれなかったアルミンは、密かにナイフでアソコを切り落とす事とした。
だが、アソコにナイフを刺した瞬間に、アルミンのアソコは、今までに見たこともないほどに縮み、小さくなってしまった。
それを見たアルミンは、己のアソコが可哀想になってしまった。出来るなら、アソコが死ぬときには、大きなサイズで葬ってやりたいと、アルミンは考えた。
そして、頼った先がアルミンの兄のルドルフおじさまの所だった。王都で町医者を営むルドルフの元に、アルミンは予約なしに表れた。
その時、ルドルフは急患の処置をしていた。ハードプレイで楽しんでいたその人物は、頑丈な貞操帯を身に付けていた。だが、プレイが終わった後に、貞操帯を取ろうとして取れなくなってしまった。そして、ルドルフの診療所に駆け込んできたのだ。
ルドルフは、アルミンにも手伝わせて、遂に頑丈な貞操帯を外す事に成功した。どうやら、ギミックにより、鍵が掛かる仕組みになっていたようだ。その急患は、身分や名を明かさず、口止め代金込みの治療費と、貞操帯を放置して、診療所から去って行った。
安堵の息を吐いたルドルフだが、アルミンの頼み事を聞き顔を青ざめさせた。
『兄貴、俺のアソコを切り落としてくれ。俺はマテウスを護衛するために、後宮に出入りする必要がある。ヘクトール様の許可がおりなかったから、シュナーベル家の医療の力は借りられない。俺は兄貴がシュナーベル家から逃げ出したい事を、軽蔑している。だが、今回助けになってくれるなら、関係を修復してもいい。兄貴、麻酔をたっぷり盛ってくれ。そして、俺のアソコが最高にリラックスした時に、手術で切り取ってくれ。自分で切り落とそうと試したが、縮んだ状態の可哀想なアソコになってしまった。俺は、アソコがあんな大きさだとは思われたくない。きっと、アソコも同じ気持ちの筈だ!麻酔で伸びきって、一番最長のアソコにメスをいれてやって欲しい。頼む、ルドルフ兄貴!』
ルドルフは、アルミンの話を聞きながら決意した。アルミンを麻酔で眠らせると、急患が置いていった貞操帯を洗浄して、アルミンに装着。ギミックの鍵を少し弄り、アルミンには絶対に取れないようにした。
ルドルフはその足で、信頼できる医者を訪ねた。そして、アソコを切り落として貰った。ルドルフは、早々に後宮に向かうつもりだったが、アソコを切り落とした事により、高熱が出て、起き上がる事さえできなくなってしまった。しばらく、親友の医師の元で静養していたルドルフだが、回復に一ヶ月を要した。
一ヶ月後、ふらつきながらも、ルドルフは自身の診療所に向かった。しかし、アルミンの手により、診療所内部は破壊されていた。賃貸物件を借り、診療所を開いていたルドルフは、大家から契約打ち切りを言い渡された。ルドルフは医者鞄に最低限の医療器具を詰め込むと、部屋の修理代と最後の家賃を払い家を出た。
こうして、ルドルフは着の身着のまま、アソコを切り落とした状態で、後宮の邸に表れた。驚きの余り、俺はカールに声を掛けずに、人格を交代してしまった。後にカールに、大いに叱られる羽目になったのである。
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俺が後宮に閉じ込められてから、アソコを切り落とそうとした人物が二人いた。
その事を、ルドルフおじさまから聞いた時に、俺は泣いて良いのか、笑って良いのか困ってしまった。
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一人目は、ヴォルフラム = ディートリッヒ。
ヴォルフラムは、ディートリッヒ家の領地の演習場で、静養というなの有酸素運動を行っていた。その時に、俺が後宮に囲われた事を耳にしたらしい。
ヴォルフラムは即座に、左利き用の剣でアソコを斬り落とそうとした。だが、 ディートリッヒ家の武に長けた臣下達により、彼は取り押さえられた。
異端審問事件の拷問により、ヴォルフラムは右半身の多くの部位を失っている。その彼が、突然にアソコを斬り落とそうとした事で、乱心したと勘違いされたようだ。
ディートリッヒ家の当主の命令で、武器を全て取り上げられたヴォルフラムは、牢獄にぶちこまれたらしい。そこに駆けつけたのが、兄のフリートヘルムだった。彼は懸命に弟を説得したようだ。
『ヴォルフラム、よく聞け!お前がマテウス卿に対して、特別な感情を抱いていることは知っている。だが、アソコを斬り落とすのは、絶対にやめるんだ。考えてみろ、ヴォルフラム!アソコは、体の中心にある。右半身の機能を失ったお前が、ようやく独自のバランス感覚を獲得しつつあるのに、今アソコを斬り落とすと・・全てを失うぞ!それでは、マテウス卿が出産後に、後宮から出てきた時に、護衛の任を務められないではないか!耐えろ、ヴォルフラム!マテウス卿が、誰の子を孕んでいるのかは秘密にされているが・・おそらくは、殿下の子に間違いない。ならば、護衛は、我々ディートリッヒ家の役目だ。シュナーベル家に護衛は任せる訳にはいかない!ヴォルフラム、マテウス卿と再会を果たすまでは、アソコを斬るな。そして、研鑽を重ねるのだ!俺も今・・殿下への想いを絶ちきる為に『☆孕み子の館☆』に通い、アソコが勃起するように、努力しているところだ。あぁ、ヴォルフラムが羨ましい。マテウス卿の事を考えるだけで、アソコが勃起するのに、よくも斬り落とそうとしたな!俺への当て付けか、ヴォルフラム!よし、牢獄から出ろ!演習場で、剣を交えるぞ!叩き潰してやる!』
『お相手します、兄上』
以上が、ディートリッヒ家に潜入中の、シュナーベル家の暗部からの報告である。
◇◇◇
二人目は、アルミン= シュナーベル。
アルミンは後宮を後にすると、シュナーベル家の邸に急ぎ戻った。そして、ヘクトール兄上に、後宮内でカールと出会った事と、彼と交わした会話を全て報告した。
その上で、アルミンは、俺の護衛を失敗した事を理由に、アソコを切り落とす許可を兄上から得ようとした。だが、ヘクトール兄上はそれを許さなかった。
しかし、諦めきれなかったアルミンは、密かにナイフでアソコを切り落とす事とした。
だが、アソコにナイフを刺した瞬間に、アルミンのアソコは、今までに見たこともないほどに縮み、小さくなってしまった。
それを見たアルミンは、己のアソコが可哀想になってしまった。出来るなら、アソコが死ぬときには、大きなサイズで葬ってやりたいと、アルミンは考えた。
そして、頼った先がアルミンの兄のルドルフおじさまの所だった。王都で町医者を営むルドルフの元に、アルミンは予約なしに表れた。
その時、ルドルフは急患の処置をしていた。ハードプレイで楽しんでいたその人物は、頑丈な貞操帯を身に付けていた。だが、プレイが終わった後に、貞操帯を取ろうとして取れなくなってしまった。そして、ルドルフの診療所に駆け込んできたのだ。
ルドルフは、アルミンにも手伝わせて、遂に頑丈な貞操帯を外す事に成功した。どうやら、ギミックにより、鍵が掛かる仕組みになっていたようだ。その急患は、身分や名を明かさず、口止め代金込みの治療費と、貞操帯を放置して、診療所から去って行った。
安堵の息を吐いたルドルフだが、アルミンの頼み事を聞き顔を青ざめさせた。
『兄貴、俺のアソコを切り落としてくれ。俺はマテウスを護衛するために、後宮に出入りする必要がある。ヘクトール様の許可がおりなかったから、シュナーベル家の医療の力は借りられない。俺は兄貴がシュナーベル家から逃げ出したい事を、軽蔑している。だが、今回助けになってくれるなら、関係を修復してもいい。兄貴、麻酔をたっぷり盛ってくれ。そして、俺のアソコが最高にリラックスした時に、手術で切り取ってくれ。自分で切り落とそうと試したが、縮んだ状態の可哀想なアソコになってしまった。俺は、アソコがあんな大きさだとは思われたくない。きっと、アソコも同じ気持ちの筈だ!麻酔で伸びきって、一番最長のアソコにメスをいれてやって欲しい。頼む、ルドルフ兄貴!』
ルドルフは、アルミンの話を聞きながら決意した。アルミンを麻酔で眠らせると、急患が置いていった貞操帯を洗浄して、アルミンに装着。ギミックの鍵を少し弄り、アルミンには絶対に取れないようにした。
ルドルフはその足で、信頼できる医者を訪ねた。そして、アソコを切り落として貰った。ルドルフは、早々に後宮に向かうつもりだったが、アソコを切り落とした事により、高熱が出て、起き上がる事さえできなくなってしまった。しばらく、親友の医師の元で静養していたルドルフだが、回復に一ヶ月を要した。
一ヶ月後、ふらつきながらも、ルドルフは自身の診療所に向かった。しかし、アルミンの手により、診療所内部は破壊されていた。賃貸物件を借り、診療所を開いていたルドルフは、大家から契約打ち切りを言い渡された。ルドルフは医者鞄に最低限の医療器具を詰め込むと、部屋の修理代と最後の家賃を払い家を出た。
こうして、ルドルフは着の身着のまま、アソコを切り落とした状態で、後宮の邸に表れた。驚きの余り、俺はカールに声を掛けずに、人格を交代してしまった。後にカールに、大いに叱られる羽目になったのである。
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