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第四章
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◆◆◆◆◆
ヴェルンハルト殿下の妃候補だった頃、俺は殿下の寝所で、何度も殿下に抱かれてきた。だけど、殿下から愛情を感じたことは一度もなかった。
ただ、殿下は義務を果たすために、妃候補の俺を抱いていただけ。殿下は常に、俺を軽蔑の眼差しで見つめながら抱いた。
「ヘクトール兄上、私は・・」
セックスとは、そういうものだと思っていた。なのに、ヘクトール兄上が、全てを変えてしまった。人に触れられる事を嫌う兄上が、俺を受け入れ愛情を注いでくれた。愛情が溢れるセックスを、兄上が教えてくれた。
「ヘクトール兄上の愛情が、私を孕ませたのです。兄上が自身の子だと、信じなくても構いません。婚約を破棄されても構いません。でも、私は子を流しません。けっして、けっして!」
ベッドの上で、裸で横たわっている。両足を押し広げられ、殿下に指を挿入されていた。そんな状態でも、俺は兄上に言い訳せずにはいられなかった。
「あっ、あっぁ!」
「ようやく感じてきたか、マテウス?」
同じく裸となった殿下が、アナルから指を引き抜く。安堵の息を吐き出した俺は、再び体を震わせた。アナルに殿下の舌が挿入された。
「殿下、やめて・・そんなところ舐めないで。ひぁ、やだ、そんな奥にいれないでぇ!」
ヴェルンハルト殿下が、一度俺の股から顔を上げた。殿下はニヤリと笑いながら、俺の太ももを優しく撫でた。
「潤滑剤の成分が、子に影響するのはマテウスも嫌だろ?舐めてゆっくり解す」
殿下はそれだけ言うと、再び股に顔を沈めた。アナル内部に殿下の舌と同時に指も挿入された。ぴちゃぴちゃと卑猥な音が耳に聞こえ、俺は赤くなる顔を両手で隠した。
「はぁ、あっあ!やだ・・殿下、やだ」
俺はいつの間にか泣き出していた。怖いからじゃない。徐々に、この体が快感を貪り始めたからだ。快感を感じるこの体が、疎ましかった。
「どうして、どうして!私は兄上の婚約者なのに!どうして、殿下に抱かれなくてはならないの!もうやだ!いやぁー!」
俺は心に渦巻くあらゆる怒りを、全て殿下にぶつけた。股に蹲る殿下の体を、俺は両脚で思いっきり蹴り飛ばしていた。
「ぐっ!」
不意を突かれたヴェルンハルト殿下は、一瞬体勢を崩した。だが、俺に逃げる時間は与えてはくれなかった。殿下は俺に覆い被さると、俺の腹部に手を宛がった。
そして、徐々に腹部への圧迫が加えられる。
「あっ、やめて!殿下!」
「俺を蹴り飛ばす元気があるなら・・マテウスの子も元気に違いない。しかし、本当にここに子が宿っているのか?ふん、まあいい。もっと圧迫して、ガキを弱らせるとするか」
「殿下・・酷いです」
「そうかもな」
圧迫がつづく。俺は荒く息をしながら、殿下を真っ直ぐに見つめた。
「殿下は・・私に悪意の種子を蒔いた。私はそれを拾った。後は、大輪の花に育てるだけです」
「楽しみだな、マテウス。その大輪の花を、何時、俺に送ってくれるんだ?」
「・・近々」
お腹の圧迫が緩まる。俺は圧迫が緩まると同時に、涙が止まらなくなってしまった。
「やはり、よい香りがする。マテウス、挿入したい。射精は約束に従い一回だ。これは、同意の上でのゲームだ。泣かずに、楽しめ」
楽しめる筈がない。だが、同時に恐れてもいた。殿下にも僅かだが、シュナーベル家の血脈が流れている。もしも、殿下に心を惹かれてしまったら・・
考えている最中に、うつ伏せにされた。腰を掴まれ引き寄せられた。殿下の熱っぽいぺニスが、アナル周辺にすり付けられる。
「マテウス、挿入するぞ」
「っ!」
熱く解かされたアナルに、ぺニスがゆっくりと挿入される。俺は艶も何もないうめき声で、殿下のぺニスを受け入れた。
「いやっ、あっ、んぁ・・苦しい」
「くっ、きついな。緊張しているのか、マテウス?力を抜け。まだ、半分も・・挿入できていない。マテウス、しっかりしろ」
「ヘクトールにいさま。子が流れる。ごめんなさい。ごめんなさい・・」
「マテウス、大丈夫だ。子は流れない」
「はぁ、んぁ・・私は兄上の子を産みたい」
「ゆっくりと腰を動かす。抵抗しなければ、問題なく子は産める。マテウス、大丈夫だ。俺が誰か分かっているか、マテウス?」
「・・殿下?」
「そうだ。俺が、マテウスを抱いている。だから、ヘクトールの名は出すな」
「んぁ、で、殿下」
「香りが増していく、マテウス・・目眩がする。くっ、奥まで挿入すぞ。だが、ゆっくりといれる。マテウス、返事をしろ」
「殿下、私は、んぁ、はぁ、はぁっ!」
殿下のぺニスがゆっくりと腸壁を押し広げていく。ぺニスにからむ襞が、殿下に快感を与える事がわかる。悔しくて唇をきつく噛み締めた。朦朧とした意識で、俺はシーツを両手できつく掴んでいた。
「あっ、やぁ、で、殿下っ」
「くっ」
ゆっくりと殿下の腰が動き出す。優しい動きに、恐怖心が和やらぎ、徐々に快感が全身を包む。感じやすい体が恥ずかしい。俺は顔をシーツに埋めた。なんて節操のない体なんだ。
「マテウスは・・緩いセックスが好きなようだな?妃候補の時は・・悪い事をした。俺は、激しいセックスでないと、感じない性癖でな。だが、くっ、う、はぁ、出そうだ。こんな緩いセックスで、気持ちよすぎて・・マテウス、こんなセックスは始めてだ。マテウス?」
俺は返事を拒んだ。
もう、俺は殿下を殺すと決めた。貴方は、小説の筋書き通りに死ぬ。だから、互いに言葉はいらない。
◆◆◆◆◆◆
ヴェルンハルト殿下の妃候補だった頃、俺は殿下の寝所で、何度も殿下に抱かれてきた。だけど、殿下から愛情を感じたことは一度もなかった。
ただ、殿下は義務を果たすために、妃候補の俺を抱いていただけ。殿下は常に、俺を軽蔑の眼差しで見つめながら抱いた。
「ヘクトール兄上、私は・・」
セックスとは、そういうものだと思っていた。なのに、ヘクトール兄上が、全てを変えてしまった。人に触れられる事を嫌う兄上が、俺を受け入れ愛情を注いでくれた。愛情が溢れるセックスを、兄上が教えてくれた。
「ヘクトール兄上の愛情が、私を孕ませたのです。兄上が自身の子だと、信じなくても構いません。婚約を破棄されても構いません。でも、私は子を流しません。けっして、けっして!」
ベッドの上で、裸で横たわっている。両足を押し広げられ、殿下に指を挿入されていた。そんな状態でも、俺は兄上に言い訳せずにはいられなかった。
「あっ、あっぁ!」
「ようやく感じてきたか、マテウス?」
同じく裸となった殿下が、アナルから指を引き抜く。安堵の息を吐き出した俺は、再び体を震わせた。アナルに殿下の舌が挿入された。
「殿下、やめて・・そんなところ舐めないで。ひぁ、やだ、そんな奥にいれないでぇ!」
ヴェルンハルト殿下が、一度俺の股から顔を上げた。殿下はニヤリと笑いながら、俺の太ももを優しく撫でた。
「潤滑剤の成分が、子に影響するのはマテウスも嫌だろ?舐めてゆっくり解す」
殿下はそれだけ言うと、再び股に顔を沈めた。アナル内部に殿下の舌と同時に指も挿入された。ぴちゃぴちゃと卑猥な音が耳に聞こえ、俺は赤くなる顔を両手で隠した。
「はぁ、あっあ!やだ・・殿下、やだ」
俺はいつの間にか泣き出していた。怖いからじゃない。徐々に、この体が快感を貪り始めたからだ。快感を感じるこの体が、疎ましかった。
「どうして、どうして!私は兄上の婚約者なのに!どうして、殿下に抱かれなくてはならないの!もうやだ!いやぁー!」
俺は心に渦巻くあらゆる怒りを、全て殿下にぶつけた。股に蹲る殿下の体を、俺は両脚で思いっきり蹴り飛ばしていた。
「ぐっ!」
不意を突かれたヴェルンハルト殿下は、一瞬体勢を崩した。だが、俺に逃げる時間は与えてはくれなかった。殿下は俺に覆い被さると、俺の腹部に手を宛がった。
そして、徐々に腹部への圧迫が加えられる。
「あっ、やめて!殿下!」
「俺を蹴り飛ばす元気があるなら・・マテウスの子も元気に違いない。しかし、本当にここに子が宿っているのか?ふん、まあいい。もっと圧迫して、ガキを弱らせるとするか」
「殿下・・酷いです」
「そうかもな」
圧迫がつづく。俺は荒く息をしながら、殿下を真っ直ぐに見つめた。
「殿下は・・私に悪意の種子を蒔いた。私はそれを拾った。後は、大輪の花に育てるだけです」
「楽しみだな、マテウス。その大輪の花を、何時、俺に送ってくれるんだ?」
「・・近々」
お腹の圧迫が緩まる。俺は圧迫が緩まると同時に、涙が止まらなくなってしまった。
「やはり、よい香りがする。マテウス、挿入したい。射精は約束に従い一回だ。これは、同意の上でのゲームだ。泣かずに、楽しめ」
楽しめる筈がない。だが、同時に恐れてもいた。殿下にも僅かだが、シュナーベル家の血脈が流れている。もしも、殿下に心を惹かれてしまったら・・
考えている最中に、うつ伏せにされた。腰を掴まれ引き寄せられた。殿下の熱っぽいぺニスが、アナル周辺にすり付けられる。
「マテウス、挿入するぞ」
「っ!」
熱く解かされたアナルに、ぺニスがゆっくりと挿入される。俺は艶も何もないうめき声で、殿下のぺニスを受け入れた。
「いやっ、あっ、んぁ・・苦しい」
「くっ、きついな。緊張しているのか、マテウス?力を抜け。まだ、半分も・・挿入できていない。マテウス、しっかりしろ」
「ヘクトールにいさま。子が流れる。ごめんなさい。ごめんなさい・・」
「マテウス、大丈夫だ。子は流れない」
「はぁ、んぁ・・私は兄上の子を産みたい」
「ゆっくりと腰を動かす。抵抗しなければ、問題なく子は産める。マテウス、大丈夫だ。俺が誰か分かっているか、マテウス?」
「・・殿下?」
「そうだ。俺が、マテウスを抱いている。だから、ヘクトールの名は出すな」
「んぁ、で、殿下」
「香りが増していく、マテウス・・目眩がする。くっ、奥まで挿入すぞ。だが、ゆっくりといれる。マテウス、返事をしろ」
「殿下、私は、んぁ、はぁ、はぁっ!」
殿下のぺニスがゆっくりと腸壁を押し広げていく。ぺニスにからむ襞が、殿下に快感を与える事がわかる。悔しくて唇をきつく噛み締めた。朦朧とした意識で、俺はシーツを両手できつく掴んでいた。
「あっ、やぁ、で、殿下っ」
「くっ」
ゆっくりと殿下の腰が動き出す。優しい動きに、恐怖心が和やらぎ、徐々に快感が全身を包む。感じやすい体が恥ずかしい。俺は顔をシーツに埋めた。なんて節操のない体なんだ。
「マテウスは・・緩いセックスが好きなようだな?妃候補の時は・・悪い事をした。俺は、激しいセックスでないと、感じない性癖でな。だが、くっ、う、はぁ、出そうだ。こんな緩いセックスで、気持ちよすぎて・・マテウス、こんなセックスは始めてだ。マテウス?」
俺は返事を拒んだ。
もう、俺は殿下を殺すと決めた。貴方は、小説の筋書き通りに死ぬ。だから、互いに言葉はいらない。
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