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第三章
3-7 殿下の好みの男性は?
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◆◆◆◆◆◆
小説『愛の為に』では、殿下の初恋相手はカールだった。でも、今世の殿下からは、カールは親友だったと聞いている。
きっとそれは真実だろう。
それでも、俺はヴェルンハルト殿下の好みはカールのように綺麗ですらりとした男性だと思っていた。
殿下に恋心を抱くヴォルフラムの兄のフリートヘルムは、体格よく見目良い人物だ。きっと、殿下の好みの男に違いない。
だが、フリートヘルムに迫られる度に、ヴェルンハルト殿下は『白豚が!』と叫び彼を拒んでいた。
つまり、ヴェルンハルト殿下は体格の良い男を抱く事が好きということになる。
そう考えると、孕み子の体型はヴェルンハルト殿下の好みからかけ離れている事になる。俺が殿下に好かれなかった理由は、冴えない顔だけが原因ではなかった訳だ。
なんとなく救われた気分!
小説内のヴェルンハルト殿下は、騒動後に新しい側近を迎えたと控えめに語っていた。だが、実際には殿下は執務室に側近ハーレムを作っている。
やはり、小説内のヴェルンハルト殿下の一人称は当てにならない。小説の内容を知っていたら、普通は物事を有利に進められる筈なのに‥‥。
異世界転生なのにハードモードだ。
まあいい‥‥。
それにしても、能力重視から愛情重視への変更とは‥‥。殿下の考え方の振れ幅が大きすぎてびびる。
ヴェルンハルト殿下はいずれは国王陛下となる立場だ。なのに、国の政策をころころと変える国王が誕生したら、民にとっては迷惑でしかないだろう。
戴冠式前にヴォルフラムが殿下を殺害する予定だから、迷惑な王は誕生しないけどね。
良かった。
いや、良くない!
もしも、ヴォルフラムが自分の意思で殺害を決めたのなら‥‥きっと殿下に非があるに違いない。その時はヴェルンハルト殿下本人の頑張りで何とかしてもらおう。
だけど、ヴォルフラムが陰謀に巻き込まれて、已む無く殿下を殺す事となるなら‥‥‥小説の筋書きを変えてでも防がないと駄目だ。
俺が後悔するから。
しかし、まさかとは思うが‥‥ヴォルフラムの殺害動機が恋愛のもつれだった場合はどうする?
小説の最後の数ページには壮大な陰謀が渦巻いている。俺はそう思って小説を読んでいたけど、それって読者の単なる妄想に過ぎないのかもしれない。
痴情のもつれからの殺人‥‥。
嫌だ!!
そのラストは『愛の為に』の愛読者として受け入れ難い。作者の月歌先生が伏線なく痴情のもつれで物語を終わらせたのなら、きっと創作に行き詰まっての事に違いない。
そうでないことを祈りたいが‥‥。
こうなれば、本人に聞くしかない。幸いな事に目の前に犯人がいる訳だしな。
ヴォルフラム様に殿下との関係を聞いてみよう。
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小説『愛の為に』では、殿下の初恋相手はカールだった。でも、今世の殿下からは、カールは親友だったと聞いている。
きっとそれは真実だろう。
それでも、俺はヴェルンハルト殿下の好みはカールのように綺麗ですらりとした男性だと思っていた。
殿下に恋心を抱くヴォルフラムの兄のフリートヘルムは、体格よく見目良い人物だ。きっと、殿下の好みの男に違いない。
だが、フリートヘルムに迫られる度に、ヴェルンハルト殿下は『白豚が!』と叫び彼を拒んでいた。
つまり、ヴェルンハルト殿下は体格の良い男を抱く事が好きということになる。
そう考えると、孕み子の体型はヴェルンハルト殿下の好みからかけ離れている事になる。俺が殿下に好かれなかった理由は、冴えない顔だけが原因ではなかった訳だ。
なんとなく救われた気分!
小説内のヴェルンハルト殿下は、騒動後に新しい側近を迎えたと控えめに語っていた。だが、実際には殿下は執務室に側近ハーレムを作っている。
やはり、小説内のヴェルンハルト殿下の一人称は当てにならない。小説の内容を知っていたら、普通は物事を有利に進められる筈なのに‥‥。
異世界転生なのにハードモードだ。
まあいい‥‥。
それにしても、能力重視から愛情重視への変更とは‥‥。殿下の考え方の振れ幅が大きすぎてびびる。
ヴェルンハルト殿下はいずれは国王陛下となる立場だ。なのに、国の政策をころころと変える国王が誕生したら、民にとっては迷惑でしかないだろう。
戴冠式前にヴォルフラムが殿下を殺害する予定だから、迷惑な王は誕生しないけどね。
良かった。
いや、良くない!
もしも、ヴォルフラムが自分の意思で殺害を決めたのなら‥‥きっと殿下に非があるに違いない。その時はヴェルンハルト殿下本人の頑張りで何とかしてもらおう。
だけど、ヴォルフラムが陰謀に巻き込まれて、已む無く殿下を殺す事となるなら‥‥‥小説の筋書きを変えてでも防がないと駄目だ。
俺が後悔するから。
しかし、まさかとは思うが‥‥ヴォルフラムの殺害動機が恋愛のもつれだった場合はどうする?
小説の最後の数ページには壮大な陰謀が渦巻いている。俺はそう思って小説を読んでいたけど、それって読者の単なる妄想に過ぎないのかもしれない。
痴情のもつれからの殺人‥‥。
嫌だ!!
そのラストは『愛の為に』の愛読者として受け入れ難い。作者の月歌先生が伏線なく痴情のもつれで物語を終わらせたのなら、きっと創作に行き詰まっての事に違いない。
そうでないことを祈りたいが‥‥。
こうなれば、本人に聞くしかない。幸いな事に目の前に犯人がいる訳だしな。
ヴォルフラム様に殿下との関係を聞いてみよう。
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