【R18淫乱恋事情】陰間茶屋の散花さん

俺は尻穴の全てを知り尽くしてる

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張形が壊れてからくりの部品が飛び出し床に散らばる。男客が背後に倒れ込む瞬間に、散花は弥太郎に抱き寄せられていた。

「元陰間を舐めんなよ。俺は尻穴の全てを知り尽くしてる。俺の手に掛かったら、孔から抜けん張形はない！」

「‥‥弥太郎さん」
「おう、散花」
「その啖呵はあんまり格好良くないわ」

散花の言葉に弥太郎の頬が赤く染まり、慌てて言い訳をする。

「し、仕方ないやろ！言った言葉は戻らん。せっかく助けたったのに、ありがとうもなしか、散花？」

弥太郎の言葉に散花はふわりと笑い彼に抱きつく。そして耳元で囁いた。

「ありがとう、弥太郎さん」
「お、おう！」

二人が懇ろにしていると、か細い声が聞こえる。からくり張子で遊ばれていた陰間だ。

「あの～、これからどうしましょう？」

陰間の言葉に弥太郎と散花は身を離して、座敷の惨状を見つめ深いため息を付いた。

「ほんまにどないしよ‥‥」
「茶屋の旦那に何と説明するか‥‥」

散花と弥太郎が同時に呟いて、互いに顔を見合わせる。桔梗屋の旦那は鼻血を出して気を失っている。蔦屋の男衆は未だに目覚めない。蕾める花は布団に籠もって震えている。

「とにかく、人手が足りん。茶屋に使いを出して人を送って貰うとして‥‥後は、蔦屋の旦那の判断を仰ご」

「もしなしたら、私の陰間人生終わったかも。客を蹴飛ばす陰間に需要あると思う、弥太郎さん？」

散花の言葉に弥太郎は躊躇ったのちに、ぼそりと呟いた。

「二人共蔦屋での職を失ったら‥‥一緒に商売でも始めよ。俺と一緒に来い、散花」

弥太郎の言葉があまりに真摯で、散花は言葉を返すことが出来なかった。


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